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先輩、私だけを見てください  作者: 加藤 忍
14/22

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「おはようございます、今日は早いんですね」


昇降口の下駄箱、いつものように菜穂が近づいて来て言う。確かにいつもに比べれば十分以上早い。珍しく早起きしたからだが。


「今日も元気だな、その元気を分けて欲しいよ」


今日は朝から気分が乗らない。今日は俺が授業中に当てられる日。なぜ分かるかと言うと、教師のほとんどが日付の日と同じ番号の人を当てる。それが今日なのだ。


「私そんなに元気に見えますか?」


「見えるよ、なんの悩みもないと思わせるぐらいに」


「私だって悩みぐらいあります!」


「例えば?」


菜穂は体を縮める。目をキョロキョロさせながら。


「恋?とか」


「へ〜、菜穂の好きな人か。気になるな、どんな人?」


「・・・それは言えません・・・」


「そうか・・・なら俺なんかに弁当なんか作って来ていいのか?そいつのために作ればいいのに」


菜穂の好きな人がいるならそれは応援したい。そもそも俺に弁当なんか作って来ていたらその男から勘違いされてしまうのはないか。


「先輩はその・・・恩人ですから、それとこれは別です」


ま、菜穂がそれでいいならいいのだろう。もし菜穂の好きな人が誤解をしていたら全力で解こう。


「それで今日も昼休み、屋上で待ってます」


菜穂は俺の返事を待たずに去って行った。小さい背中やより小さくなって行った。



教室に着くと真奈美がまた机で伏せていた。懲りない奴だと思いつついつものように頭を揺らす。


だが今日は反応がない。声をかけるても反応が薄い。


「寝てるのか?」


「・・・」


真奈美の容態がおかしいと思い、一様おでこに手を置く。暑い。普通の体温とは思えないほど暑かった。


「真奈美、お前風邪ひいているのか?」


いつもより弱々しい声が聞こえる。本当に辛いのが伝わってくる。


「あまり話さないで・・・頭痛いから」


「はあ、ひとまず行くぞ」


「どこに?」


「保健室」


「・・・動けない」


そこまでの風邪でよくここまで来たな。俺なら休むぞ。ひとまず真奈美を抱える。


「おんぶにして・・・恥ずかしいから」


真奈美の要望により背中を貸す。真奈美はゆっくりと背中に体重をかける。顔の横で苦しそうな真奈美の息遣いが聞こえる。少しドキッとするが堪えて保健室へと向かった。

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