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先輩、私だけを見てください  作者: 加藤 忍
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次の日、私はいつものように朝五時前に起床した。最近では目覚ましが鳴らなくても目が覚める。癖になったのかもしれない。


リビングに行く前に洗面台で顔を洗う。鏡に映る自分は今日もどこか嬉しそうだった。


リビングに行くと水がポタポタと落ちる音がキッチンから聞こえた。きっとお母さんが蛇口を閉めきっていなかったのだろう。蛇口をしっかり閉めてから冷蔵庫を開ける。扉の方に並べれれた卵をいくつか取る。後ベーコンとウインナー、冷凍庫からは唐揚げやお惣菜を取り出す。


レンジとフライパンを同時に使いこなすのは最初の自分では想像もできなかったと思う。


そもそも私はよく料理をする方ではなかった。いやした事がなかった。初めて弁当の作り方をお母さんに聞いたときどうしたの急にと言われた。ソファに腰掛けていたお父さんは菜穂に彼氏がー!と頭を抱えて落ち込んでいたのは記憶に新しい。


おかずを作り終えると昨日から予約していた炊飯器を開ける。蒸発した水が一気に上がって来て顔に当たる。


二段弁当の半分を埋め、もう片方には作ったおかずを綺麗に入れていく。最近は落ち込んでいるお父さんにも弁当を作るようになった。勝手に勘違いして落ち込んでいるだけだけど。


六時を過ぎるとみんなが二階から降りて来る。私も作った弁当をテーブルに三つ蓋を閉めずに置く。ご飯はすぐに閉めてしまうとお米から水が蒸発して湿っぽくなってしまうから。それから学校に行く準備を始める。



カバンにお弁当が二つ入っているのを確認してから家を出る。


「行って来まーす」


「気をつけて行ってらっしゃい」


「はーい」


玄関を開けると朝の日差しが眩しくて手を太陽を隠す。もう時期夏休みがやって来る。まだ運動会は終わってもいないけど。


いつものように軽い足取りで学校に行く。近所の人にさわやかな挨拶ができるようになったのは先輩のおかげだろう。違うか。私が先輩を好きになったからだろう。


私の今のところの夢は先輩のことを綾人先輩と呼ぶこと。どうしても先輩の前では緊張して先輩と呼びやすいように呼んでしまう。でも綾人先輩は私にとって特別で、ほかの先輩とは違う。


目の前に学校が見えると足取りが早くなる。気持ちもこれまで以上に高まる。私が朝から先輩を待つ理由を先輩は知らない。気持ちが高まって今すぐでも会いたいという気持ちが抑えきれないから。


だから今日も二年の昇降口で先輩が来るのをずっと待っている。




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