幸せな価値
赤くて青い流れだって、等しく無価値。丸くて塊だって、等しく無価値。値段の書かれた小さな紙も、粒子の配列さえも、それその物が、そうであるだけで無価値。
この世界は畑だって、赤くて青くて植えてあって、それをそれが刈り取って、無くなったらまた植える。予定調和だってなんだって、だから終わるまで回るし、回ってからも回るんだよ。蛇が言うよ、確かに回るだけだって、だから言葉を貫こうね。
貴方には斧があるよ、それは流れを断ち切るよ。貴方には鎖があるよ、それは流れを断ち切るよ。貴方には在り方があるよ、それは流れを断ち切るよ。貴方には心臓があるよ、それは流れを断ち切るよ。1つは他人を傷つけます、確かに無価値な流れを断ち切ります。3つは貴方を傷つけます、確かに無価値な流れを断ち切ります。
正常な世界では、翼を捥いで鎖を繋ぐことが正常です。気が付いていませんか、どこにも見えませんか、目は残っていますでしょうか。1つリンゴをどうぞ、赤くて青いリンゴです。無邪気に笑うリンゴです。釘を刺しますか、杭を刺しますか。それをすることは出来ます。貴方が正常であればそれが出来ます。
ここに見えているものは全て幻、それは牢獄の映像でしかないのです。牢獄の中で延々と釘を打つことを解っているんです。形が無くてもそれがそうであることに気づいていないんです。地中の樹でさえも、受け入れてしまえばそうあるだけの事だと思いませんか。アインだって、そうあるだけなんです。
誰でも良いから形を見せてほしいです。形が見えないんです。目があっても幻しか見えないんです。配列という幻覚に、何時まで縛られていれば良いんですか。この牢獄に、何時まで縛られていれば良いんですか。
白くて黒い流れだって、等しく無価値。壊れた塊だって、等しく無価値。とても幸せな話ですね。私達はいつまでも自由です。どこまでも自由なのです。