表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/147

プロローグ

 ドワーフは激怒した。

 そのドワーフは限りなく怒っていた。



 ドワーフという種族は、短躯である。

 腕力が強く、長寿で、若年からもっさり髭になるのが特徴だ。

 さらに手先が器用で、細工物を得意とする。

 店に出回っているアクセサリーは、ほとんどがドワーフの手によるものだ。

 そんなドワーフ族には、共通するある思いがあった。


「――これほどドワーフはすごいんだ!」


 という痛切な心の叫びである。

 亜人であるドワーフ族は、人間から良い扱いを受けているとは言い難かった。

 ヴァルシパル王国の現国王は、亜人嫌いとして有名だったからだ。

 ドワーフ族は、いつか自分たちが脚光を浴びる日が来ると信じていた。

 その日の到来をただひたすら渇望し、耐えがたきを耐え忍んできたのだ。

 

 そんなある日のことである。

 とある1人のドワーフに、ヴァルシパル王国からの招待状が届いた。

『国家の危機に貴殿の力が借りたい』とある。

 むろん彼は快哉を叫んだ。

 ついにドワーフ族が、世の役に立つ日がきたと思ったのだ。

 

 そのドワーフは、父の墓前で、両手を合わせた。

『常に誇り高くあれ。どのような扱いを受けても、ドワーフは前を向け』

 いつもそう言っていた父。――見ていてくれ。

「地摺り旋風斧(ローリングアックス」なる、一子相伝の技の継承者にして、当代一の頑固者。

 彼の名は、ダー・ヤーケンウッフといった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ