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流浪の剣士と隻脚の奴隷  作者: しろたけ
7/24

現実

激しい頭痛で目が覚めると、そこは見知らぬ部屋だった。

(なんだここ?夢か?そのわりには頭が痛む・・・)


俺は、もう一度ベッドに横になって頭痛が治まるのを待った。頭痛が取れれば夢からも覚めるだろうと考え、しばらく横になる。そうしているうちに

(ガチャッ)ドアが急に開いた。


『ヤヒロ?大丈夫?』


首だけ声のする方に向けて、うっすら瞼を開けた。

どこかの民族衣装っぽい服を着た、見知らぬ女が俺に向かって言ってるようだったが、

全く身に覚えがない。

っていうかヤヒロって誰だよ・・・・


『ちょっと聞いてる?まだ具合悪い?』


そういうとその女はこっちに近づいて、ベッドの端に腰を降ろした。よく見ると黒くて綺麗な髪、整った顔立ちをしてるが、ちょっと眠そうな目をしている美人さんが、左手を俺の額にのせ「うーん、熱は下がったみたいねぇ」と呟いている。

「起きれたら顔洗ってきなさい」と言った後、部屋を出て行った。


なんだ夢か・・・と思ったのだが、催してしまった。夢でションベン行きたくなるってどうなんだ?やっぱ現実では漏らすんだろうか、と考えながらとりあえず体を起こし、辺りを見回す。


(うーん、なんだこれ、夢にしてはリアルすぎるな)


とりあえず部屋を出てみる。ドアがあり、右手には階段がある。

(便所は下か?)と思い1回に降りてみると


途中、リビングで

身長は2mありそうな猫耳をつけたガタイのいいおっさんがソファーに座っていた。ボ○・サップか?

その隣に眼鏡をかけた耳の長い金髪ロン毛のお兄さん。まるでエルフだ。


(あっやっぱ夢だわ)

そう思っていたら、エルフっぽいお兄さんが俺に気付いて

「やっおはよー、大丈夫?」と声をかけられた。

ボ○サップからも「熱は下がったか?」と聞かれた。


誰だよ・・・と思いながらも「あぁ」と思わず声を出した。

アレ?声が違う?夢だからか?

と思いながら便所に入った。

(いやまて、なんでここが便所ってわかったんだ?)


そのまま用を済ませて、柄杓で桶の水をすくい手を洗った。

(なんでこれで手を洗うってのもわかるんだ?)

夢の中なのに一層疑問が積もる。気づいたら、あの頭痛もない。


ふと、目線を上げた先に鏡があった。


(誰だコレ!?)


その鏡には、眠そうな目はしているが、鼻筋は通っているそこそこの美形が映っている。


ちょっとつねってみた。(いってぇ・・・)いやいや、この夢リアルすぎだろ・・・・

しばらく鏡を見ながら、便所を出て部屋に戻ることにした。

その途中、ゆったりした口調で


「あらヤヒロ、熱は下がったのかい?おはよぉ。無理したらダメだよ?」


しわがれてるがとても優しく、包まれるような声に呼ばれた。そこには一人の老婆が立っていた。

母親が年を取ったらこうなったんだろうか、と考えてしまう。


その老婆が

「おや?急にヤヒロから魔力を感じるねぇ、ちょっとこっちに来て座りなさい。」

俺はその言葉に素直に従い、老婆の部屋であろうソファに座った。俺の隣には老婆も座っている。

老婆はスッと俺の両手を取り、目をつぶりながら、何か唱え始めた。


その瞬間俺の手と胸が光始め、体中の皮膚の表面がピリピリし始めた。と共に胸が熱くなる感覚に襲われた。


(えっちょっなんだこれ)そう思ってると、老婆がおどろいた表情で俺を見て言った


「おまえさん、ヤヒロじゃないねぇ」

読んで下さりありがとうございます

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