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何か変だよ異世界短編集

チート禁止令が出ました~チート転生者の皆さん自力で頑張りましょう~

作者: 友親 太一

 ワシは神である。

 それも神を纏めあげる最高神である、エッヘン!

 現在は部下に仕事を任せて隠居をしてるがな。


 最近はサーフィンにハマって先週はずっとバカンスしてサーフィンしてた。

 なんていうのか? そう、波との一体感が最高でな!


 さぁて、部下にバカンスのお土産(地獄印の温泉まんじゅう)を届けるかな。

 ついでに部下の仕事振りを見るか。

 さて、


「これ、いいよね。」


 おっ、何か話してるな。

 どれ少し盗み聞きしてみるか、ウシシシ!


「チート転生おもしろくね?」


 ん? ちーと? なんだそれは?


「だなよね、地球の死人は再利用出来るし、あいつら超ウケるし(笑)」


 ん? 死人の再利用じゃと?


「まったくだよ、ちょっと俺ら神の力貸して異世界に送ったら、『チートきたーwww』 だと(笑)」


 なっ! 神の力を貸す!? 異世界に送る!? それは規則で禁止されてるだろ!!


「この前の奴は最高だったぜ、ちょと知識を強化したら地球の自動車を異世界で作って王になってやんの(笑)」

「まじかて(笑) 、ぜってー文化ぐちゃぐちゃになるやん(笑) 」


 なっ! あ・い・つ・ら!


「でも最高神にバレたらヤバくね? ぜってぇキレるぜ、あのジジイ? 」

「大丈夫、大丈夫。あのジジイだって今はバカンスしてんだぜ? 俺らに仕事押し付けてな。俺らにもこれくらいの楽しみはないと(笑) 」

「ちげーね、地球のクズ共の魂が再利用出来るならエコロジーだしな(笑) 」


 ……ブチッ!


 そうかワシがジジイか! チートってのはそんなに楽しいのか!! ワシをそんなにキレさしたいか!!!

 

 ドカッッ!


「「!? 」」


「お前たちー!覚悟は出来てるかー! 」


「最高神様!? 」

「なっ! いっ! 何時からこちらに!? バカンスは終わられたので!? 」

「あー 、『チート転生面白くね?』ってとこからだな!! ワシがバカンス行ってる間に随分楽しそうにしてたな!? 」

「「げっ! !」」

「覚悟しろよー! 貴様らー!! 」

「「すっ、すいませんでしたー!! 」」



 まったくアホ共め。

 さて、とりあえずチートとやらを無効化しておくか。

 次は魂の回収を…………げっ!異世界に完全に定着してる。

 仕方ない、魂はそのままにするか。


 *************************


 ~とある身体能力強化チートの勇者の場合~


 俺は勇者だ。

 神様に生まれながらに常人の百倍の身体能力を貰った。

 この力を使って魔王軍相手に無双しまくってた。

 今まさに魔王との最終決戦の真っ最中、なのに…………


「なっ!? 剣が重くて持てない!? それに鎧も重くて動けない!?どうなってる!? 」

「…………なんか分からんがチャーンス! 」


 まずい!

 …………よりによって魔王に、とどめを刺すって時に!


「今までの怨み、たっぷり返してやろう!」


 あー、こんな事なら魔法覚えとくんだった。

 こんな事ならチート身体能力に頼るんじゃなかった。


「シネーー!! 」

「うがーーー!!」


 ~とある魔法チートの魔術師の場合~


 私は魔術師。

 神様に生まれながらに全ての魔法を使える力を貰った。

 しかも無限の魔力まである。

 私は冒険者になって仲間と一緒に世界中の宝石を集めてた。

 今まさに世界一のダイヤモンドを守るオーガと戦ってるのに…………


「おい、早く魔法打てよ! このままじゃ殺られる! 」

「それが…………魔法が打てないの!?」

「はぁっ!? おいちょっとっ!!・・・・・」


 ドカッッ!!


 !!!


 そんな! パーティーの守りの要で戦士の私の彼氏が殺られた…………!


「ガウガーーー!」


 まずい!逃げないと!


 はぁっ、はぁっ!私の脚が遅すぎる!

 普段から飛翔魔法で移動してたから…………

 こんな事なら体を鍛えてあれば。

 こんな事ならチート魔法に頼らなければ。


 ドカッ!


 ~とある知能強化チートの王の場合~


 オレは王だ。

 神に知識強化されてこの世界に転生した。

 生まれた時から地球の知識は全てあった。政治、科学、前世のオレが知らない事も全部だ。

 なのに先日……


「王! 王! このドアを開けてください! 王が居なければこの国は破産してしまいます! 」


 くそっ!…… 先日いきなり全ての知識を失った。おかげでこの国は破産寸前。

 そらそうだ、地球の車やら飛行機を作って輸出して儲けてたんだからな。

 しかも、オレは誰かに真似できないように、誰にも教えず書面にも残してない。

 こんな小さな国、オレの知識無しならすぐに終わるわな。


「王! 王! 開けてください!」


 ちくしょー!こんな事なら少しは自分でも勉強しとくんだった。

 こんな事ならチート知識なんか要らなかったのに!


「王! 王! 」


 ……どうすればいいんだよ!


 *************************


 まったく、あのアホな部下共は録な事せんな。


 うぁ!?この世界、魔王軍壊滅寸前で軍事バランスメチャクチャ!

 こっちは貴重な鉱石一ヶ所に集中してる!

 げっ!魔法文明の世界に飛行機なんざ要らんだろが!


 この分だとサーフィンは当分出来んな。

 これ全部元に戻すのに幾ら時間がいるんじゃ!?


 人間は努力して始めて力を得るものだ。

 それを神が力を与えたら人間は努力を忘れ衰退してしまう。


 チートは完全禁止じゃ。チート転生者共、自力で頑張るんじゃぞ!



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― 新着の感想 ―
[一言] 最高神のタイミングのよさにワロタ、一番生き残れる確率の高かった知識チートのやつは完全に自業自得ですね。科学は一人だけじゃ維持できないから普通は自分だけで作らず学校作ったりたりして助手を増やし…
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