結婚初夜に「お前を愛することはない」と言われたおっさん(ガチ)だけど、絶対愛させるしめちゃくちゃ愛する。あと、やっぱりお前のケツは逃がさない
続編です。前作を読んでからだとより楽しめると思います。
『王子から婚約破棄されたおっさん(ガチ)だけど、絶対に別れない。~女と結婚したいようだが、もう遅い。お前のケツは逃がさない~』https://ncode.syosetu.com/n9315mb/
「ゲイル・ガッチメン! 結婚したからと言っていい気になるなよ! 俺がお前を愛することはない!」
王宮のとある一室。
次代の王たる第一王子とその結婚相手のために用意された夫婦の寝室にて、夜の静寂を引き裂くように王子シリアスの声が響き渡った。
「これは国と我が王家のため、そしてお前の『力』を利用するための政略結婚だ。それを勘違いするなよ!」
言葉を突き付けられた結婚相手――この国の”元”騎士団長にして現王太子妃……いや、現王配の”ゲイル・ガッチメン”は、豪奢な薔薇の刺繍が施された天蓋付きベッドにドッシリと腰掛けていた。
整えられた顎鬚。
薄っすらと透けたナイトガウンから覗く、パンパンに膨らんだ大胸筋。
一目で歴戦の猛者と確信できるほどの人生経験が刻まれた肌に、鋭い眼光。
つまり、四十路を超えた”ガチのおっさん”である。
「……シリアス。まだ、そんなことを言っているのか」
耳に妙に心地よく響く低音のバリトンボイス。
まるで聞き分けのない子供をあやすような甘さを滲ませたその口調に、シリアスは思わず背筋を震わせる。
そして中年の醸し出すねっとりとした色気と雰囲気に吞まれないよう、必死に言葉を吐き出した。
「だ、だいたい初夜を共にするのは”子を成す”ためだろう! 男同士なんだから、一緒にする必要はないじゃないか! 俺は自分の部屋に帰らせてもらう!」
そうして勢いのまま振り返り、部屋を出ようとしたところで――
――ガッチリとその肩を掴まれた。
そのままいともたやすく引き寄せられる体。
抵抗する間もなく、あっという間にベッドで仰向けになっていた。
ぎしり、とベッドのきしむ音。
そして眼前には、脂の滲んだ中年の顔。
「何を言っている。愛を深めれば、コウノトリが赤ちゃんを運んでくるだろう?」
知らないのか?と、揶揄うように耳元で囁かれる甘い声色に体が硬直する。
鼓膜を震わせるその振動が、心までをも震わせた気がした。
「なにがコウノトリだ! ふざけるな! 離せェ! おっさんと同衾はいやだあぁ!!」
「ふふ、懐かしい。一緒に寝るのなんて、いつ振りだろうな?」
絶叫するシリアスを気にも留めず、ゲイルはその太腕でガッツリと抱きしめホールドする。
「ぎゃあああ!! やめろォ! 抱きしめるな! 俺から離れろォ!!」
ジタバタと必死に手足を動かし抵抗する中、シリアスは妙な感覚を覚えていた。
なんだ。
この感覚は。
なぜだ。
俺は今、なぜ”安心”している?
――その瞬間、脳裏に蘇るのは懐かしきゲイルとの日々。
兄のように慕い、時に父親のように憧れ、共に歩んできたこれまでの軌跡。
いつも自分の一番傍で見守ってくれていた存在。
そうだ……。
この腕の温もりを、俺は覚えている……。
「すやぁ」
ゲイルは、穏やかな寝息を立てているシリアスを眺めていた。
「……抱きしめたら、すぐ寝てしまうのは変わってないな」
先ほどまであんなに嫌がっていたのに、まるで安心しきったように眠っている。
結局は、心のどこかで『ゲイルは自分の味方である』とシリアスは信頼しているのだろう。
「やれやれ、寝かしつけるのには苦労しないな」
そう呟き腕のホールドを解き、自分も仰向けになろうとして――
――ぎゅっ。
シリアスがゲイルに抱き着いていた。
「にーちゃ……。ずっと、一緒……」
寝ぼけているのだろう、むにゃむにゃと寝言を言った後は、また規則正しく寝息を立てている。
「……やっぱり、お前のケツは逃がせねぇな」
ゲイルは、もう一度シリアスをしっかりと抱きしめなおすと、そのまま互いに抱き合うように眠りにつくのであった。
翌朝、「ぎゃあああ!! な、なんで俺がおっさんとっ!? 俺の純潔を返せェーーッ!!」という絶叫が、清々しい朝の王宮に盛大に響き渡ったことは言うまでもない。
おしり
アッー!
二人のこれからの新婚生活に幸あれ!
(ちょっとギャグ要素少なすぎたかな……)
他の作品も是非。↓ギャグ・コメディ系のオススメ
『結婚初夜、「君を愛する!」と鼻息荒く迫られると それはそれで……』
『追放された役立たず、超ポジティブ思考の精神的ざまぁにて勝利する!』
※この作品はAIちゃんと共同作品となります。




