金の王冠
聖女ましろは、今夜の配信を始めて真っ先におねだりをした。
「ましろね、あと405pでAクラスになれるの。今夜までに皆にお願いできないかな? 」
彼女は事務所に所属せずVチューバ―になり1カ月。
清楚な雰囲気を全身を白で包み、見た目に相反した可愛らしい声に話し方。
毎夜の配信のお陰か、徐々にファンを獲得していった。
ぐん>『俺らのましろちゃんの頼みなら』>500Pスタンプ
「ぐんのお陰で配信始めてすぐにAクラスになっちゃった。ありがと。ぐん大好き」
聖女ましろは、あからさまに語尾にハートマークを付け甘えた声を出す。
れい>『ぐんさんだけじゃないよ!わたしも』>1000Pスタンプ
「やったー、れいちゃんもいつも聞きに来てくれるだけで感謝なのにいつも投げてくれて」
彼らに続いてましろへのスタンプは少しずつ増えていく。
「どうしよう。Aクラス決まってもう充分なのに。そうだ、1カ月記念だからSクラスに……って、流石に無理だよね。ここからのポイントも高いし、ましろはお歌も上手に歌えないし、楽器も出来ないから」
ましろの声はまるで泣き出しそうに聞こえた。
まっこんとー>『よし、俺だって。ちょっとしか手伝えないけど、ましろのために』>3000Pスタンプ
「え、え、まっこんとー。そんなに良いの?きゃ~~~」
涙声だったましろの声は、コロリといつもの様子に戻る。
彼女の元気そうな声を聞いたファンは、まっこんとーを皮切りにもっと増えていった。
「やった、やった。これでSクラス確定だね。皆のお陰だ」
『おめでとう』『さすが、ましろ』『これからも毎日聞きに来るから』
ましろのファンたちは彼女のSクラス到達にお祝いを述べた。
そんな中、こっそりと彼女の配信部屋から出て行く人物。
それは、ましろがデビュー当日初めて来たリスナーだった。




