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死との決別

作者: 小田虹里

「死」とは何か。

脳が停止したとき。

心臓が動くのをやめたとき。


肉体的死は、そうだろう。


だけど僕は今、

生きることを投げ出したい。

何をしても満たされることはなく、

暗闇の中を闇雲に歩いている。


米の味がしない。

未来の展望が浮かばない。

頭が重く、痛い。

涙が理由もなく零れてくる。


僕は本当に生きているのか。

心が壊れているのに、

生きていると言えるのか。


優しくして欲しいとは言わない。

ただ、放っておいてくれ。

そう思う僕と、

誰かが手を差し伸べてくれるのを、

待っている僕がいる。


弱い、脆い、うざい。

怖い、辛い、でも……生きたい。


心の停止は、肉体的死に等しい。


だけど、違う。

等しいはイコールではない。


心の停止は、復活の可能性がある。

希望がある。


僕はそれを信じたい。

そこに縋りたい。


まだ見えない世界の果てに、

僕でも生きられるような場所がある。

そんな希望を捨てられない。

なぜなら、僕はまだ生きてるからだ。


「死」とは何か。

戻ることができない場合のこと。

僕はまだ、生きている。 


僕は、生きている。

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