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ふわめで!~ふわりちゃんは今日も御曹司をふわふわ愛でる。~  作者: 秋野凛花
6「こんなの全然、ふわふわじゃない」
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第22話「わ、私のために争わないで~っ!!!!」

「大切な友達……か」


 すると柚葵さんは、私の言った言葉を繰り返す。どこか含みがあったような言い方な気がして、私は首を傾げた。……。


 ……ハッ、も、もしかして、ゆいくんのお家はお金持ちだから、私みたいな一般人が関わっちゃいけないのかな!? 私はそういうの気にしないけど、気にする人はいるかもしれないし……!! 私はこれからもゆいくんと仲良くしたいけど……え、ええっと、何かゆいくんと関わるメリットとか出した方がいいかな……!?


「そ、その、私、面白いです!!!!」

「えっ、どうしたの急に」


 というかさっき、自分で面白いこと喋れないとか言ってなかった? と柚葵さんに笑われてしまう。ハッ、そ、そういうえばさっきそんなこと言った!!


 アプローチ失敗……と落ち込んでいると、よく分からないけど、と柚葵さんは前置きした後。


「ふわりちゃんはそのままで十分素敵だよ。惟斗と、これからも仲良くしてあげてほしいな」

「ゆ、柚葵さんっ……!!!!」

「まあにしても、確かにふわりちゃんは面白いけどね」

「が、がーん……」


 私そんなに面白いのかな!? いや、さっき自分で自分のこと面白いって言ったばっかなんだけど……!!

 ……でも、やっぱり客観的な意見の方が信憑性が高い……よね。うーん……。


「とりあえず、事情は分かった。大学近くであまり惟斗に近寄らないようにするね」

「は、はい。ありがとうございます……ん? 私がお礼を言うのは正しいのかな……」

「あははっ、ふわりちゃんって本当に面白いね」


 私が首を傾げると、また柚葵さんに笑われてしまう。うう……そんなに面白いかな……。まあ、馬鹿にされているわけではないってことは分かってるから、別にいいんだけど……。


 そんなことを考えながらアップルジュースを飲んでいると……ピンポーン、とどこからか音が響いた。気づいて顔を上げると、柚葵さんも顔を上げている。そして扉に向かって鍵を開けると同時、夫さんと顔を合わせていた。俺が行くよ、という言葉に柚葵さんは頷き、部屋の中に戻って来る。

 部屋の扉が開いたと同時、甘~い香りが漂って来たので……私の口の中は涎ですぐに満たされてしまった。


「いい香りがしますね……!!」

「そうだね。うちの夫のスイーツは本当に絶品だから……どーんと期待しちゃいなさい!!」


 私の感想に、柚葵さんが誇らしげに胸を張る。私は笑って、はいっ、と頷いた。

 一体どんなスイーツが来るのかなぁ、とワクワクドキドキ妄想を膨らませていると。


「──ふわり!!!!」

「ふぇっ!?」


 聞き覚えのある大きな声で名前を呼ばれ、私は思わず大きく肩を揺らしてしまう。それと同時、部屋の中に飛び込んでくる一つの影があった。


「ゆっ、ゆいくん!?」

「ふわり……良かった。やっぱり、柚葵さんのところだったのか……」


 そう、入ってきたのはゆいくん。額から大粒の汗を流し、私の顔を見るとホッとしたように床に座り込んでしまった。え、えっと……。


「アップルジュース、飲む……?」

「ふわり、絶対第一声それじゃない」

「ご、ごめんなさい……?」

「飲むけどさ……」

「飲むんかい!!」


 訳も分からず謝る横で、柚葵さんが面白そうにツッコミを入れる。そんな柚葵さんを、ゆいくんがギロッと睨んだ。


「柚葵さん……!! そもそも、全部あんたのせいでしょ!?」

「え、私何かした?」

「……ふわりの友達が、柚葵さんの車に乗せられたふわりを見て、誘拐だと思って俺に伝えに来てくれたんですよ……!! ……ほんと、柚葵さんは誤解されやすい行動ばっかするんだから……」


 え? 誘拐? 友達? ……ちょっと嫌な予感がしてスマホを開いてみる。


 ……するとそこに並ぶのは、綺羅ちゃんと日恋ちゃんからのメッセージ、メッセージ、メッセージ、不在着信、不在着信、メッセージ、不在着信……。

 ……み、見なかったことにしよっと!!


「ふわり、待って、スマホしまうな。宝船ほうせんさんと笑原えはらさんにちゃんと連絡入れて。……じゃないと俺が殺される……」

「ひぇっ、わ、分かりました……」


 スマホをしまおうとした瞬間、ゆいくんが詰め寄られる。その圧に押され、私は二人──二人の名前は、宝船ほうせん綺羅きら笑原えはら日恋にこというのです──に連絡を入れた。あのお姉さんはゆいくんの従姉弟さんで、知り合いだから、ちゃんと自分の意思で付いていっただけです!! 何も危ないことはないです!! あとゆいくんとも合流しました。ゆいくんに伝えてくれてありがとう……といったことを。

 すぐ二人からの既読が付いたけど、絶対怒られるのでスマホは閉じた。あ、後でゆっくり見ま……見たくないけど、見ます……!!!!


 青ざめる私に構わず、ゆいくんはソファに座ってアップルジュースを飲んでいる。あ、それ私が使ってたコップなんだけど……まあいっか……。


「で……何がどうして、ふわりが柚葵さんと……?」


 アップルジュースを飲んだら落ち着いたのか、ゆいくんが私たちの顔を見比べてそう尋ねてくる。私と柚葵さんは思わず顔を見合わせた。


「どうして……と言われても……」

「ふわりちゃんとお話ししたいな~って思って」

「なんで……」


 柚葵さんのその言い分に、ゆいくんが少し不機嫌そうに眉をひそめている。どうしたんだろう、と思っていると、柚葵さんが再び私の背後に回った。そして両肩を掴まれると。


「おやおや~? ふわりちゃんはあんたのものじゃないでしょ~?」

「ッ……」

「え、え? えっと、え?」


 何故か二人が私を挟んでバチバチしてる!? こ、これは、〝あの台詞〟を言うべきタイミングなんじゃ……!?



「わ、私のために争わないで~っ!!!!」

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