二話 始まりと終わり
ここは小さな村だがいいところだ。
ここを出る時何人か見送ってくれる人たちもいた
この村を抜けると森に出る。
結構この森は大きく、抜けるのに少し時間がかかった
道中にも魔物はいたがそこまで強くなく簡単に倒せた
「ふうやっと森を抜けたぁ〜。
えっと地図地図、ここがビーグの森で北東の方向にロークルの町っと。
じゃロークルの町に行くか。
ん、スライム?確かここらへんには出ないは…ず…」
「ウ゛ァ゙ァァ」
スライムが唸り声とともに泡が出るかのように膨張して巨大になった。
「キングスライム!?」
スライムの進化系と呼ばれている魔物で魔王の側近クラスって言われている。
確かにここらへんはキングスライムは生息ならできるけどいくらなんでもおかしすぎる。
魔王軍は遠すぎるし王都からも遠い。
頑張って攻撃しようとしても避けられる。
とても苦しい。
体力も底を突いた。
「はは、いくらなんでも死ぬの早すぎだろ」
スライムが近寄り俺を食おうとする。
俺の体が大きな影で隠れた。
たびに出る数日前、じいちゃんになぜ魔王討伐を頼むのか聞いてみた
「魔王討伐を願う理由か。
お前さんに好きなことを色んな所でしてもらいたくてのう。
でも拾った恩が、とかいうじゃろう。
だから人の役に立ってもらいたくてのう。
あ、でも土産の小話は頼むぞ。」
自分は拾って育てるだけでなく自分のことも考えてくれてありがたかった。
「約束破っちゃうな」
終わると思ったその時、何かが光ってこちらに近づいてくる
「フレイム」
キングスライムが炎とともに燃える
あれは魔法というものだろうか
キングスライムの影はもうない
手を差し伸べたその男は炎のような赤い髪にだらんとたれた紺色のフード黒のズボン
とても暗い格好なのにどこか懐かしさがある。
「お前、何でついてくるんだ!鬱陶しい。」
「助けてくれてありがとうございます。
自分も魔法が教わりたいのです。」
「はぁ!?何で急に。助けてもらったやつの態度でもないし。
俺はお前の身分も名前も知らない。
やなこった。」
「名前はソード。この近くの村の村長の孫です。
これで身分も名前もわかったでしょう。
お願いします。
今のままじゃ到底魔王なんか倒せっこないし。」
「へぇ、魔王を討伐しようと思ってんのか。
そんな強さと幼さでねぇ。
…おもしれぇ、いいだろう。その身にびっちり叩き込んでやる。
俺の名はアーティング、師匠と呼べ」
連れて行ってくれそうだ
あともう一押し!
「さてと、ここが俺の隠れ家だ。
さてお前はどんな魔法が打ちたい?」
「どんな魔法?
うーん…師匠が使ってたやつ!」
「フレア系統か!あれはイチオシだ。
そうだな杖をやろう。
まずは最も下位のフレアからだ。
いいか、力を杖に流して火を放つイメージで打つ!」
「はい!。」
杖の先に火が灯る。
「早いなお前!
本当はもっと掛かるもんだが一発とは。
だがまだそれはフレアじゃねえ。
それはただの火が出る魔法、料理くらいにしか使えねぇ。
もっと火は激しいイメージで。
あとフレアって唱えるとやりやすいぞ。」
「フレア!」
ボオォォとよく燃えている
「やった!いけた」
「おいおいいくらなんでも早すぎんだろうが。
こりゃ天才ってやつだな」
「そんなにですか」
師匠「あぁ十分すげぇ。俺も小さい頃は神童って呼ばれてたが一週間は必要だったんだぜ。」
その後俺は師匠のもとで半年ほど修行を積んだ。
そして今にはフレアの一つの上位互換、フレイムまで使えるようになった。
そして今日はそのお披露目会だ。