四話 激闘!
夜
再び森の中、タバリブスの森 別名 始まりの森
この森から悪と善の因子が(以下略
勇者「いや、あのですね、夜はちょっとやめにしません?夜は魔物狂暴化してますし。今日は新月で暗いですし、、、。」
治癒師「ん?なんか言った?」
聞こえていない、わけではない。この女、弱音をすべてフィルターにかけている。そんな勇者には都合の悪すぎる耳を作ってしまったのはその勇者本人なのだが。
治癒師「さ、いましたよ。スライム。」
勇者「これは、、、。」
明らかにスライムではない。だがスライムである。夜のスライムは、ほかの魔物に食べられぬよう合体する。そしてほかの、熊や狼のような獣型の魔物に擬態するのだ。しかし、このスライムたちが擬態したのはそんな獣たちではなく、ウサギ型であった。
勇者「ぷっw 擬態がウサギとか馬鹿すぎるだろ。こんな小動物に擬態とか意味ねー。」
治癒師「ならちゃっちゃと倒してしまってください。早くしないと私があなたを殺しますよ。」
怖い。普通に殺すとか。道徳はどうなっているのか。どっちにしろ死ぬ。
勇者「前回は後ろから不意打ちだったけどよ、もうお前なんて怖くねーぜ!お前、酸吐き出せないもんな。サンドバックだあ。」
擬態中は酸を吐き出す器官を隠す。擬態を精巧にしようとしているようだが、よく見ると普通にスライムなので、デメリットしかない。なんとも残念な生き物なのである。
勇者が切りかかったその瞬間、そのウサギ型のスライムは素早く勇者の懐に入り込み、体当たりをした。
勇者「ぐぇ?」
HP1→HP0 勇者死亡
何をされたのか勇者はわからないまま、夜営教会に転送された。教会もコンビニではないので24時間対応しているわけではない。しかし、神官は朝型の教会から移動してきているので、結局、ブラックなのである。
神官「ふにゃ、、、あえ?あ!勇者様。」
寝ていたようだ。すぐさま復活の呪文を唱える。
神官「ほにゃらら(以下略!」
勇者は復活した。そして、勇者は自分の死骸をみて仰天した。
腹が青く腫れていたのだ。つまり、奴の体当たりには威力が相当あるということだ。
勇者は思い出す。治癒師が語っていたあの話を。
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治癒師「かなり前の魔王はスライムだったんですよ!とても大きなスライムでした。魔王城を満たしてしまうほどに!それが戦うときになると、腕を何本も持っているタコのようなフォルムになるんです。ぎゅっと凝縮した体は、魔鋼より数段も固く、切れそうになった時は軟体化して、、、とにかく、魔法や剣、どちらにも強いオールラウンダーでした!」
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治癒師は勇者通でありながら魔王通でもあったのだ。
勇者(凝縮とか、ユニークモンスターとか、、、俺には無理だろ、、、。もう帰ろうか、、、。あいつももう俺のことあきらめて帰ってるだろ、、、。それかあのスライムに追いかけられているかのどちらかだな。まあどっちも俺には関係ないし、、、。)
そして勇者は自分の家とは違う方向に、走り出した。
次回「治癒師の意思は固い」
中途半端で申し訳なす