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待ち合わせ場所

作者: 君がバッシュの靴紐を結んでいるところを想像するとエモい

入試の練習で小説書き始めました。初心者ですのでお手柔らかに。

 あなたとの待ち合わせ場所のあの木は桜の花が満開になった。でも、あなたはもうここにはいない。それでも私はあなたとの約束を忘れられずにいる。

 ある夏の日のことだった。あの日、私は彼に会いにいつもの場所へ行った。待ち合わせの桜の木に着くとそこにはもう彼が待っているようで「遅れてごめんなさい。」と彼に駆け寄った。すると「全然気にしなくてもいいよ。君の顔が見たくて僕が早くきちゃっただけだからね。」と彼は私に優しく微笑みかけてくれた。私はそんな笑顔の素敵な彼が大好きだった。いつも私の方が先に来るのに今日は何かあったのかな。っと考えるのも束の間、彼がポツリポツリと話し始めた。「実は今日話があるんだ...。...僕戦争に行くことになったんだ...。僕もお国のために働けるよ。」彼は口ではそう言ったけれどとても切なげな目をしていた。「どうして...ハルヒコさんが戦争に行かなければならないの。」と私が泣き出すと、彼は私を強く抱きしめて言った。「絶対に、絶対に帰ってくるから。ユキエさんの元に帰ってくるから泣かないで?この桜の木が花でいっぱいになっている頃にまた会おう。それで僕と結婚しよう。」もちろん彼が言ったことが口約束に過ぎないことも、いつ帰ってこれるかわからないことも頭ではわかっていた。それでもその時の私は彼の言葉にすがるしかなかった。「絶対、絶対帰って来てくださいね..私ここで待ってるから...」

 彼が戦争に行ってから私は毎日いつもの時間に桜の木の下で彼を待った。彼と約束を交わした日にはまだ緑色の葉でいっぱいだった桜の木も色を変え始めた。そしてだんだんと葉が落ちていった。木の葉が落ちるたび私の心は切なくなった。木の葉が最後の一枚になった時。一本の電報が入った。私は桜の木の下で泣き崩れた。「帰ってくるって言ったじゃん...」桜の木はもう一枚の葉も残っていなかった。それでも私は木の下で。

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