表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/108

謝罪

「ハルさん、お待たせしました」


 女神ちゃんがアニマルズを引き連れてやって来た、どうやら話し合いが終わったらしい。


「結論から申し上げます。……ハルさんにはイシュハンメルにスライムとして転生して頂きます。何故ならそれが世界の摂理だからです」


 そこまで一気に言うと女神ちゃんはぎゅっと手を握りしめた。


「申し訳ありません。全ては私、リーハローゼスの過失」


 そして深く頭を下げた。

 顔は見えないけど体がほんのわずかだが震えていた。


「ここからは俺様が説明するにゃ」


 そう言うとトラちゃんが一歩前に出てくる。

 初めて見る真面目な顔だ。


「俺様からも謝罪するにゃ。ハルの魂が世界と解離しちまったのは俺様のミスだにゃ」


「……本当にスライムしかないの?」

「ないにゃ。ハルの魂は初期化されちまったのにゃ。これはイシュハンメルの主神である俺様にも変えられないのにゃ」


 じっとトラちゃんを見つめたけど、トラちゃんは私から目をそらさなかった。

 これは本当にどうしようもないみたいだな、と分かった。


 勿論、嫌だ。

 出来る事なら人間に、せめてもう少し強そうなモンスターが良かった。


 でも、ずっと頭を下げたままの女の子に、こちらを真っ直ぐに見つめてくるにゃんこ、そんな二人を心配そうに見ているハリネズミとコツメカワウソ。

 それらを見てもまだ『絶対、嫌だ! 責任を取れ!』と言えるほど私は子供ではないし『気にしないでいいよ』と言えるほど大人でもない。


 だから、仕方ないから、私はため息混じりに頷いた。


「じゃあ了承してくれる……」

「条件がある!」


 女神ちゃん表紙の雑誌をにゃんこの眼前に突きつける。


「ま、まぁ当然の権利だにゃ」


 よし、ここからが本番ですよ。


「まぁ立ち話もなんだからみんな座って。女神ちゃんも、もう謝罪はいいからこっち来て。あ、お茶とお茶菓子追加して貰ってもいい?」

「え、あ、はい」


 慌てて駆け寄ってくる女神ちゃん。


「え、お菓子?」


 コツメカワウソが瞳をキラキラさせながら身を乗り出す。


「そうだよ~お菓子あるよ~」


 といいながら笑顔でおいでおいでと手招きをする。

 是非とも私の隣に座ってください。


 まだなでなでしてないの君だけなんだよね。

【後書き】

シリアスは苦手です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ