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ハリネズミとコツメカワウソ

「なんだトラ。ま~たリーハちゃん泣かせてんのかぁ?」


 片手にちっちゃな棒つきキャンディーを持ったハリネズミ。


「ギャー!? 人間がいるよー!!」


 両手で魚のぬいぐるみを持ち、私を見て絶叫するコツメカワウソ。


「人聞きの悪いこと言うにゃよ、エギーユ。ゾフルうるさいにゃ」


 そんな二匹に悪態をつきながらも親しげに話しかけるにゃんこ。


「お久し振りです。エギーユ様、ゾフル様」


 丁寧にお辞儀をしている女神ちゃん。


 なにこれ? カオス?

 エギーユと呼ばれているのがハリネズミで、絶叫しているコツメカワウソがゾフルという名前らしい。

 にゃんこの名前はトラちゃんか……。メモメモ。


「んで? こっちの人間のお嬢ちゃんが今回呼ばれた原因ってとこか? な~にやらかしちゃったんだ? お嬢ちゃん」


 ハリネズミがニヤニヤしながら私に話しかけてきた。――――が、誰に話しかけているのか解らなかった。

 お嬢ちゃん? お嬢ちゃんって……。私か!?


「……ないわぁ」

「うん? どうした? 怖がらなくってもいいんだぜ? 俺は優しいおとこぉうわぁ!?」

「よ~しよしよしよしよし、いい子だね~」


 ハリネズミを両手で包み込むようにしてもにゅもにゅする。

 鳥肌たたせてくれたお礼だよ。受け取れ。


 34過ぎた女にお嬢ちゃんはない。

 いや、平気な人もいるんだろうけど……。

 私は無理。なんか心苦しい。


「あの、ハルさん。もうそのくらいで……」


 心ゆくまでもにゅもにゅしていると、女神ちゃんから待ったがかかった。

 女神ちゃんにお願いされては仕方ない……。と手を離すとハリネズミが物凄い早さで私の元から逃げ出した。小動物の逃げる時の速さって半端ないよね。


「おい! トラ! なんなんだよそいつ!」


 ビクビクするハリネズミにトラちゃんは同情の眼差しをむける。コツメカワウソは女神ちゃんの後ろからそっとこちらをうかがっていた。


 女神ちゃんの後ろに避難するとは……。よく分かってるじゃないか。

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