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元アラサー女子はスライムとして生きて行く(仮)   作者: おんじゃく
第一章 (スライムと少年)

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6 魔石の価値

 ギャーギャーという鳥(?)の声で目が覚めた。

 鳥の声で目覚めるなんてなんて優雅な朝……。なわけない。

 出来る事なら声の主の元まで行って、もうちょい可愛く鳴けんのかと説教してやりたい位だ。

 勿論、そんな事をすれば「あら、美味しそうな水まんじゅう」と喰われるのは確実なのでそんな事はしないが。


 目を擦りながら枕にしていた魚のぬいぐるみを『収納』に仕舞う。

 『索敵』をかけてみたら近く――と言っても10メートル以上先だが――に赤い点が2つあり、『鑑定』するとピエルというモンスターとヤートというモンスターが戦闘中らしい事がわかった。

 朝っぱらからご苦労様です。


 ふわぁ……。とあくびをしながらぼんやりと思う。

 もしかしたら昨日のゴブリンが毒状態だったのは、このヤートというモンスターにやられたからかもしれない。

 『鑑定』によるとヤートは毒のスキルを持っている。毒にやられてフラフラのゴブリンなんて誰が見ても格好の餌だ、なのに『索敵』にはゴブリンを追いかけてくる敵はいなかった。


 ヤートとゴブリンが戦い、ゴブリンが勝利したが、ゴブリンは毒を受けてしまった……。といった所だろうか?

 まぁ、毒性のある植物をあのゴブリンが食べてしまった可能性も十分あるけど。


 『収納』からゴブリンの魔石を取り出す。


「う~ん」


 今日の朝食はゴブリンの魔石を食べようと思っている。

 見た目は綺麗だし食料だという事も分かってはいるがやはり勇気がいる。


「でもいつかは試さなきゃ駄目だし……」


 数秒間魔石を見つめる。


 パクッ


 硬いし、口に放り込むには大き過ぎるので噛みついたのだが、予想に反して魔石は「パキッ」っと軽い音を立てて呆気なく砕けた。最初から歯で噛める飴みたいな感じだ。

 口に入ってしまったので仕方なくそのままポリポリと魔石を噛み砕く。

 そしてゴクンと飲み下し、「う~ん」と唸った。


「……美味しい」


 そう、美味しい。

 いや、もうはっきり言おう、めっちゃくちゃ旨い!

 味は無いんだけど、こう、なんて言うか満足感が半端ない。

 好物をお腹一杯食べた時のあの感じ。一口食べただけで満足してしまったのは魔力量のせいだろうか?

 手元に残った魔石を『鑑定』してみると魔力量が15減っていた。



 ≪ゴブリンの魔石≫

  魔力量226



「魔石いいかも……」


 だって普通の食材と違って腐らない、一口でお腹も一杯になる、ピンポン玉サイズで約16食分とか凄すぎ。サイズ的にも『収納』に入れていても邪魔になる事もない。

 何より悔しいが旨い。これ程優れた非常食が他にあるだろうか。


「……ゴブリンって美味しいな」


 いろんな意味で。

 この瞬間、私の中でゴブリンは敵ではなく食材となった。



 魔石の魅力(あじ)に取り憑かれてしまった私は、早速次の魔石を手に入れる方法を考える事にした。

 いや、実際問題として魔石はある程度の数を常にストックして置きたい。いつ何が起きるか分からない状況での食料の確保は最重要事項だろう。

 決して美味しかったからもっと食べたいなんて子供っぽい理由ではない。

 一日一食は魔石が食べたいなぁ~なんて思ってもいない。いや、本当に。食料大事。


 だが魔石(ごはん)を手に入れる為にはモンスターを狩らなければならない。

 幸運にも昨夜ゴブリンを倒したお陰でレベルは上がっている。HP一桁なんて自分とはオサラバしているはずだ。

 少しは丈夫になっているだろうと成長した自分を『鑑定』してみた。



【名前】横山 ハル

【種族】スライム

【年齢】1

【レベル】4

【HP】18/18

【スキル】

『索敵(level2)』『逃走(level5)』

『鑑定(level10:最大値)』

『収納(level2)』『錬金術(level1)』

【モンスタースキル】

『擬態(level1)』『自動回復:小』

【特殊スキル】

『ノーダメージ0/1』



「……」


 うん、まぁ概ね予想通り。

 ええ、期待なんかしてませんでしたとも。

 所詮私がしたのは死にかけのゴブリンに石を落として当てただけですからね、分かってましたとも。ああそうですか。


 でもレベルは倒したゴブリンより上なのにHPはそのゴブリンの半分以下ってどうなの!? もうちょっとHP上がっても良いんじゃないかな!?


「スライムってどんだけ弱いのさ」


 ちょっと近付いた明るい未来が遠のくのを感じた。こんなんでどうやって元気なゴブリンを倒せと? まぁ、元気があろうがなかろうが罠に嵌めるしか無いんだけどさ。

 落とし穴が一番簡単に出来そうだが、罠を回避されたその先にあるのは私のスライム生の終焉である。

 しかもかなりのバッドエンドが予想される。

 私が弱いのも悪いがゴブリンちょっと強すぎじゃないか!?


「ん?」


 ちょいまった、ゴブリンが強い?

 確かに昨日のゴブリンはレベル4の私より強い。それは揺るぎない事実だ。

 でも、他のゴブリンはどうなんだろう。例えばレベル1のゴブリンとか。

 もしかしたら私にも倒せるゴブリンがいるかもしれない。

 それにゴブリンに拘る必要もない。

 レベル1のゴブリンより弱いモンスターだっているかもしれない。


「『索敵』」


 どうか私より弱いモンスターがいますように!

 そう願いながら『索敵』を発動させた。

【後書き】

暫くは食べ物(?)の話の予定です。

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