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元アラサー女子はスライムとして生きて行く(仮)   作者: おんじゃく
第一章 (スライムと少年)

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4 魔石

 暫くの間、樹の上からゴブリンの死体を見下ろしていた。


 悲しい訳ではない。後悔もしてない。死体を見て吐き気を催す事もない。

 けれど、レベルが上がった事を嬉しいとも思わなかった。


 ため息が出た。物凄く疲れた。


 『索敵』を行う。

 周辺に赤い点はない。大丈夫だと判断した私は木を伝って下に降りた。

 ゴブリンを間近で見るためと、≪ヤマ≫を採集する為だ。


 先ずは≪ヤマ≫を採集する。

 これでポーションを作りたい。『自動回復:小』のスキルはあるが持っていて困る事は無いだろうし『錬金術』の練習にもなると思ったからだ。

 『収納』に適当に放り込んである程度たまった所で今度はゴブリンに近付く。

 『索敵』で既に死んでいるのは分かっているがやはり躊躇してしまう。2メートル程距離を開けた所から再度『鑑定』を行う。



≪ゴブリンの魔石≫

 魔力量241



(ん? ゴブリンの死体じゃないの?)


 もう少し近付く。

 濃い血の匂いに思わず足を止めた。

 けど今さら目を背けてどうする、このゴブリンを殺したのは紛れもなくこの私だ。しっかりしろと心の中で自分を叱咤し更に近付く。


 ゴブリンに近付いてよく見ると、潰れた頭の隙間から石の様な物が見えた。

 恐る恐る触手のような手を伸ばして取り出そうとする――が、思ったよりも奥にありなかなか取り出せない。

 強く引っ張る。取れない。もう少し強く引っ張る。

 するとブチッと音がして血が飛び散り触手にベットリと付着した。


「……」


 出来るだけ死体に触れないようにしていたのに今のでどうでもよくなった。

 諦めた私は思いきってゴブリンの上に飛び乗った。

 傷口の深い、上から引っ張った方が上手く取り出せそうだったからなのだが……。


「う゛ぇ……。生暖かい」


 ちょっと遠い目をしてしまった。

 へこみそうになる心を奮い立たせて渾身の力を込めて石を引っ張ると、ブチブチと鳥肌が立つような音をたててゴブリンの体から外れた。


 石は黒い水晶だった。

 濃い緑色が透けて見え、なかなかに綺麗だ。


 月明かりに透かしてもっとよく観察しようと思ったその時、ゴブリンの死体がズルリと動いた。

 悲鳴を呑み込みダッシュで草むらに隠れ恐る恐る覗いて見ると、驚くべき現象が起きていた。


 ゴブリンの死体がズブズブと音をたてながら黒い靄のように溶けて消えたのだ。


 唖然としていると、ふとリーハちゃん達との会話を思い出した。

 モンスターは一定の魔力が溜まると『発生』すると言っていた、では逆にいうと魔力が無くなれば『消滅』するという事になるのではないだろうか。


 手元の魔石を見る。

 魔石の鑑定結果は≪魔力量241≫。

 もしかしたら魔石はこの世界のエネルギー源のひとつなのかもしれない。小説なんかでは人が魔石を利用したアイテムを使用したりしている事もある。


 ではモンスターにとって魔石とは何か?


 簡単だ、なんとなくだが気付いてもいた。

 だからこそ死体に乗っかってでも手に入れたのだ。


 そう、魔石はモンスターの


「……ご飯ゲット」


 食料だ。

【後書き】

次話は『料理』です!

ちょっとシリアス脱出ですね。

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