会議
なんか知らんがハリーと女神ちゃんによる会議が始まった。
「まず、必ず必要となるスキルだが……。何が思い付く?」
ハリーの問に答える女神ちゃんは、いつの間にか黒淵の眼鏡をかけている。
女神ちゃんそれ伊達? 似合ってるけど。
「そうですわね、やはり敵の居場所が分かる『索敵』。そして『索敵』でも回避出来なかった場合のための『逃走』は必要かと。あと思い付くのは回復系と耐性系のスキルでしょうか。……エギーユ様のお考えを伺っても?」
「……俺は『鑑定』を推す」
「『鑑定』!? し、しかしそれではポイントが足りませんわ。『索敵』『逃走』は各3千ポイントですが『鑑定』は5千ポイントします……」
困惑気味の女神ちゃんにハリネズミがニヤリと嗤う。
「それは最大レベル10を手にした場合だろ?」
「ま、まさか! レベルをあえて下げるとおっしゃるの!?」
「そうだ、『索敵』をレベル2に落とす! 『索敵』はレベルの上がりやすいスキルのうえレベルが上がる事によるメリットは索敵範囲の拡大のみ! 敵を感知するだけならレベル2であろうとも問題ねぇ!」
「確かに! 盲点でしたわ!」
「……」
何か楽しそうなので私はゾフル君から貰ったクッキーを齧りながら見守る事にした。
「ハル~。このアーモンドがのってるクッキーも美味しいよぉ、一個あげるねぇ」
ありがと、お菓子を食べる係君。
「ねぇトラちゃん」
「お茶のお代わりかにゃ?」
違う。
違うからポットを持ってこっちにこんでいい。
「いやそうじゃなくて。あの二人放置してていいの?」
「あの中には入れないのにゃ」
確かに。
「……で」
「?」
「お茶のお代わりは本当に要らないのかにゃ?」
トラちゃんもしかしてお茶係気に入ってんの?
【後書き】
次話でスキル決定します!
あとちょっとで転生…。
スキルを決めるのがこんなに大変だとは思いませんでした…。