闇堕ち勇者は魔王とともに復讐を望む

　魔王ルシフェル率いる魔王軍の侵攻により、ヴィルトリア王国は危機に瀕していた。

　王国騎士団の中で急速に頭角を現したアルド＝ヴェインは、騎士の常識を超越した剣技と魔法の実力を示して魔王を討つ勇者として認められ、単身で魔王の待つ魔窟に潜る。

　しかし勇者は魔王を討たんとしたその瞬間に、背後からの裏切りを受ける。

　勇者の功績を奪うことを画策した王国の大将軍は、王国の賢者マーリンに命じて勇者と魔王を暗い迷宮の底に封じ込めさせ、勇者は脱出不可能となった迷宮の闇の中で絶望を味わう。

　やがて命の危機に瀕したアルドは、魔王の誘いを受け、共に手を組んで賢者の封印を破り、地の底から這いあがり、王国に復讐することを決意する。

　神とその子である人間を憎む魔王ルシフェル。美しい少女の姿をした彼女に、アルドは復讐のパートナーという以上の感情を抱き始めるが――。