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我に残りし性春の奔走(マジ下ネタ嫌いな方はマジ絶対にマジ読まないでください)

作者: オルタ

 女の子――ガチャピンみたいな顔したソープ嬢を、東京は大崎の路上で後背位で突きまくっている夢を見た。

 あともう少し、あと10回くらい腰を振っていれば俺は焦燥から解放されるところだったのに、携帯のアラームで、夢の畜生から現実の畜生に呼び戻された。ちくしょう。汗だくの活きの良いねーちゃんの上にいたハズなのに、気が付けばてめえの汗で湿ったベッドの上にいた。ちくしょう。



 今日は蒸し暑い日だった。仕事中、取引先のねーちゃん(ねーちゃんなんだよ! なあ、君もねーちゃんに見えるだろ!? だんだんそう見えてきたろ? そう見えてんだよオラ!)から缶コーヒーの差し入れを頂く。

 彼らの善意を踏みにじるようなコトをこれから記す。本当に申し訳ない。

 けど、よりにもよってジョージアだった。ジョージアだったんだよ。残虐で名高い軍隊を包括する国家イスラエルに実質的に資金援助しているコカ・コーラ社と繋がっている会社のコーヒーだった。

 缶コーヒーって甘すぎて頭ダルくなって、ときめいてもいないのに心臓のペースがイカれる。体にも良いモンには思えない。でも、だからなんだってんだ? 俺様が缶コーヒー一本ボイコットしたら、中東で毎日死にかけている人達が救われるとでも? なんだってんだ?



 夜、俺に好意を抱いていたらしい娘をフッた。申し訳ない。本当に申し訳ない。とにかく申し訳ない。

 でも、俺は彼女にときめかなかったし、多分10年は付き合わないと彼女に情なんて沸かないだろうし、でも俺がハゲあがりそうになるまで下手に出れば、上っ面は幸せなカップルを演じられる、そういうワケわけんねー自信はあった。知るかボケ。

 半年前に知り合ったRちゃんの顔を不意に思い出した。鼻梁が張ってる美人だった。色白のニコ・ロビン的な。今でも覚えている。マジでホレてたけど彼氏持ちだった。寝取ろうとしたけど駄目だった。今度コンビニ行った時は、ブレスケア、ヘパリーゼと一緒に、甲斐性も忘れず買っておこう。

 それはさておき、俺がフった娘が


「オルタさんって、きっと誰も愛せない人なんだと思いますよ」と恨み節を言い捨て、俺から遠ざかっていった。


 一理あるかもしれない。いや、大体あってる。それは適格な――ああ、ハイ、御明察です。ええ。


 クソみたいな男が夜の街にいた。クソみたいな男は「でもまあ、今までのデート代は全額俺が持ったんだし、なんとか許してちょ」と思った。

 オルタは掛け値なしのクソだった。一山いくらのチンピラが、入れ込んでたハズの情婦をぶっ殺す話ぐらいには、ありがちなクソだった。



 スクリプトミキサー――つい先日、ツイッター内で結成された文芸サークルのメンバーは若さに満ち溢れている。瑞々しい。彼らから滴り、飛沫を上げるキラキラをドットのインクにして、エリクチュールとして具現化させているような――とにかく、彼らの一語一句が眩しく、とても美しく思えた。全てが明るい。みんな若いのにあれだけ書けるのだから、本当に大したもんだ。

 俺は賃金を発泡酒に、発泡酒を小便に置換する不毛の錬金術師になりながら、彼らの歓談をちょこちょこと見ている。本当に彼らをリスペクトしている。彼らに限らず、どうして俺の周りにはこうも聡明で素晴らしい人達が集まるのか――あ、単に俺がアホなだけか。これにて俺の世界における全ての因果律が、解明された。


 不意に、自身のタナトスをマテリアライズさせて、自殺用の拳銃でもでっち上げられたらな、と思った。でもそんなことできたって、きっと俺は自分のドタマにこめかみトンネルを開通したり、眉間にスプラッタマウンテンを設立したりはしないんだと思う。

 不意に、俺の友達の先輩が「あの女のアソコ、トイレットペーパーの芯だべや~! ガバガバだったびゃ~!」と逆ギレしていたのを何故か思い出した。彼は今、どこで何をしているのだろう。友人の先輩に数秒ほど想いを馳せた。まあ死んじゃいねーだろ。


 檻の中にでも居るような気分だった。

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― 新着の感想 ―
[良い点]  当方からすればオルタ様も充分才能お有りですよ。  今後とも頑張ってください。
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