008 1章03 「成長と自己鍛錬」
オウトの教育が始まった。
初めは話かけるだけだ。
しかし内容がアウトだった。
ひたすら、
「お前は復讐の道具だ。私に逆らうのは許さん。強くなれ・・・」
などと繰り返すのだ。
あとこれは短冊に書いてあった計画だが、文字は教えないらしい。
そうすることで街に出たとき自分の優位に事を運べるとゆう考えらしかった。
俺の方はスキル「隠密」が欲しかったので、その下位「隠れる」を発動・育成しようと動かし掴めるようになった手で布の布団を引っ張り、顔を隠して息を潜めたりしていた。
俺がハイハイ出来るようになるとオウトの教育は本格化してきた。
重りを乗せるのは当たり前、食事に微妙に毒を混ぜだ離乳食を与えられた。
普通の赤ん坊なら危険だったが、「超強奪」で上げたステータスと耐毒性で乗り切った。
歩けるようになると内容は更に厳しくなった。
トレーニングの他にも草むしりや細々とした仕事が与えられた。
そして時には無理難題を押し付けられた。
出来なければ叩かれたり殴られたり蹴られたりした。
こうして恐怖を刷り込んでいくらしい。
あと食事の毒の量が増えた。
味も旨くなかったが「悪食」スキルで乗り切った。
そんな生活をしていた訳だが5歳くらいで教わる事が無くなった。
まぁ、こんな山中の森の中で学べるものなんてそんなものである。
ありがたいのは「早熟」スキルのおかげで体が9歳くらいだとゆう事だ。
そんな時だ。
そいつらが現れたのは。
「畑が荒らされた?」
オウトが不機嫌な声を出した。
「はい。今朝、畑に行きましたら沢山の動物の足跡と共に畑が荒らされ芋が根こそぎ無くなっていました。グラスとアインの話では、サル系の生き物で数は30以上だそうです」
オウトはしばらく考え込んだ後、1本のナイフを出した。
「こいつでそいつらを殺して来い。1匹残らずだ。蓄えた食糧があったら持って来い。行け」
そう言われ俺はナイフを片手に家を出た。
「少々計画が狂ったが、頃合いか。役立たずどもに森を出る準備をさせるか」
その言葉をスキル「聞き耳」が捉えた。
「なら、こちらも繰り上げるか」
俺は森の中を疾走した。
畑を荒らした犯人はエンパヴと呼ばれるサル型の生き物だ。
魔石を持っていないため魔物ではないが、畑を荒らすため害獣認定されている。
俺は風下から「隠密」を使いながら奴らに近づき魔法「気絶」「睡眠」を使い木から落とし、魔力のクッションで受け止めた。
そして「超強奪」タイムである。
殺した後は奴らの住処の木に登った。
食糧は木の虚に芋や木の実が入っていたがだいぶ少なかった。
取りあえず「空間収納」に入れ下を見ると、狼の様な生き物がいた。
「超強奪」タイム再開である。