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002 序章02 「神々の裁判」



気が付くと俺は白い空間に立っていた。


目の前にはスチールデスクと骸骨が背広を着て椅子に座っていた。


「二階堂前 征一さん。貴方は死にました」


「ですね」


「・・・・・」


「・・・・・」


「え?!」


「何を驚いているんですか?」


骸骨が表情筋も無いのに驚いた顔をする。


ここが真っ白な空間だから平気だが、薄暗かったらこっちが驚く。


「いや、若い人は大抵うろたえたりするんですけどねぇ」


骸骨のしゃべり方は事務的な感じからひょうきんなものになっている。


だが俺は気を緩めることは出来なかった。


「すみません骸骨さん」


「あっ私、祟部たたりべと申します」


名前を紹介されたので頭を下げる。


それが礼節を重んじる日本人魂。


「ご丁寧にありがとうございます。それでですね祟部さん。実は少しお尋ねしたいことがあるのですが・・・」


そう言って祟部さんの目を見つめる。


当然穴しかない。


「・・・何でしょう?」


再び声色が事務的なものに戻る。


因みに今の心境は死んじゃったし背水の陣で自分の疑問や違和感を解消しよう、である。


「なぜ私は死んだ…いえ、殺されなければならなかったのでしょうか?」


祟部さんは無言のままだ。


ならば疑問に思ったことを言ってしまおう。


「今日は奇跡的な事の連続でした。奇跡的に隕石が家に落下し私の寝室とリビングを貫きましたが奇跡的にトイレに行っていて助かりました」


「車で出勤しようとして途中で止めて自転車を使いました。車には隕石の破片で穴が開いていたのでエンジンを掛けていたら死んでいました」


「近くのコンビニに入ったら死んでいました」


「十字路で信号を待っていたら死んでいました」


「コンビニで食事をしていたら死んでいました」


「植木鉢に当たったら死んでいました」


「看板に当たったら死んでいました」


「犬に噛まれたら死んでいました」


「カラスに貫かれたら死んでいました」


「駐輪場の手前に停めていたら死んでいました」


「コンビニの弁当を昼に食べたら死んでいました」


「地震の時トイレに入ってなければ死んでいました」


「会社に不審者が現れた時、消火器が無ければまた消火器がばれれば死んでいました」


「事故にあっても銃に撃たれても結局は死んでいたでしょう」


「でも言いたいのはそうゆう事じゃありません」


「なぜ、死をことごとく回避できたのか?」


「私の体に纏わりついた濁った緑色の靄はなんだったのか?」


「最後に聞こえた声は何だったのか?」


「この3つです」


言い切って祟部さんの様子を窺う。


さっぱり解らなかった。



しばらくして、


「ちょっと待ってて下さい。上に話してきます。欲しいものがあれば想像すると出てきますのでくつろいでいてください」


そう言って姿を消した。



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