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001 序章01 「当たり前に残酷な神々の遊び」



現在23:45 


俺、二階堂前にかいどうぜん 征一せいいいちは仮住まいとなるビジネスホテルの一室に到着した。


今日は散々な一日だった。


まずDVDを見ていたら00:00を廻ってしまい、そろそろ寝るかと思ったら。



隕石が落ちて来た・・・



びびった。


超ビビった。


36歳のおっさんが超とか使って申し訳ないけど超ビビった。


その時家には60歳代の両親も居た訳だが、2人ともびっくりしていた。


昔聞いた家に雹の塊が降って来た人もこんな気持ちだったのだろうか?



そこからも大変だった。


パトカーは来るし、消防車も来る。


あげく隕石だとわかったら大学教授やTV局の人までやって来てインタビューされて一睡も出来なかった。


因みに隕石は、屋根を突き破り俺の寝室の布団を貫通しリビングを破砕して地面に落下していた。


つまり俺は、行儀よく眠っていてもリビングでDVDを見続けていても隕石に殺されていた。


その時たまたまトイレに行っていて助かったのだ。



だが、これだけでは終わらなかった。


警察にTV局・大学の人間からようやく解放された時には、そろそろ出勤の時間だった。


俺は両親にコンビニで適当に買って会社に行く旨を伝えた。

父も会社だったし、後の事は母に任せた。


無事だった背広に着替え車を走らせようとして今日は晴れなのを思い出した。


最近晴れの日は自転車を使っていた。


ここでやめるのも何だと思い自転車に跨った。


しばらく行くとコンビニが見えた。


しかし「どうせなら会社の近くがいいか」と素通りする。


するとしばらくして、コンビニの方から大きな音が聞こえた。


疲れていたのでそのまま走り去った。


しばらくして眠気に限界が来た。


そして普段はよらないコンビニで栄養剤と朝飯と昼飯を買った。


3,000円近い出費だ。


だが、大学やTV局からそれなりの金が入ることになっており。


持っている土地の一つに家を建てる事になっている。


チラリと聞いた話だと、なんでもこの隕石レーダーに映らなかったらしく新物質の可能性があるらしい。


近いうちに引っ越しをしなくてはならない。


新しく家を建てる土地は弟にやろうと思っていたが仕方ない。


栄養剤を飲んで出発する。


すると、少し先で事故が起きていた。


十字路で車が歩道に乗り上げて壁に突っ込んでいる。


既に人が集まり電話をかけてる人もいる。


俺は道を変えた。



「着いた・・・」


思わずそう漏らした俺は悪くないだろう。


あの後も植木鉢や看板が落ちてきたり、やたらと凶暴な犬に追いかけられたり、カラスが猛スピードで突っ込んで来たり、屋根瓦が降ってきたり、バイクに轢かれそうになったり、ハトに糞落とされたり散々だった。


(てか、あの犬{狂犬病}だったんじゃね?)


なんて致死率の高い一日だ。


しかもまだ08:00前だ。


こんなのが一日続くのだろうか?


「今日は厄日だ・・・または不幸だ」


そう呟きながら会社に入った。



ハトの糞を洗い流して朝食を食っていると先輩や同僚・後輩がやって来て口々にニュースの事を言ってきた。


個人的には飯は静かに食いたいがコミュニケーションは大切だ。


ついでに運よく死ななかった事も付け加えれば羨む人間も少なくなる。


ふと社内にあるTVに目を向けるとコンビニと十字路の事故が出ていた。


コンビニの事故は80過ぎのじいさんがアクセル強く踏み過ぎて突っ込んだらしい。


十字路の事故は28歳の男性会社員が遅刻しそうでスピード緩めずにカーブしたらしい。


突然スマホが鳴った。


着信音から母である。


まだ時間があったので電話に出た。


母の話は、俺の車に穴が開いていたらしい。


隕石の破片が当たったらしく、エンジンを掛けていたら爆発していたと警察の車に詳しい人に言われたらしい。


本当に今日は厄日だ。




その後も会社に逆恨みをした奴が来てナイフを振り回したので、消火器ぶっ放して捕まえたり。


コンビニ弁当買ったけどなんか食堂の気分だったので行ってっ食ってたらTVで食おうと思っていた弁当に食中毒が見つかったり。


結構大きな地震がありトイレにいたため被害が少なかったり。


後輩に勝手に取り置きの菓子を食われたりした。


奴のスマホをへし折った。


帰りは帰りで大変だった。


まず、母からメールで家には警察が詰めるので一時的にビジネスホテルに泊まり貸家を探すこととなった。


ホテル代は大学と警察が提携しているため国が払ってくれるらしい。


部屋代だけ。


ホテルに行って名前と免許証を見せれば泊めてくれるらしい。


必要な物だけホテルに持ち込んで、あとは警察に守ってもらう。


因みに車は危険なのでガソリン抜いたうえで大学側が隕石の威力研究のために買い取ってくれるそうな。


修理も不可能らしいので願ったり叶ったりである。


そんなこんなで家に向かいホテルに向かう最中、またしても事故やら物の落下やら動物の襲撃を受けた。


更には何処から情報が漏れたのか新物質かもしれない隕石を求めて中国人マフィアっぽいのとアメリカ人とかロシア人ぽい黒服さんに追いかけられて銃乱射されたり。


互いに撃ち合って流れ弾が飛んで来たり。


俺と両親は警察に保護され、俺たちは隕石を持っていなく隕石は国と大学に売ったため自分たちには今後一切隕石に関わる権限を持たないと発表した。


それ以上は国の仕事だ。


各国の連中は即座にそいつらを切り捨てたが。


そんなわけで眠気は既に頭痛に変わっている。


(寝よう・・・)


部屋の鍵をかけベッドに近づこうとして足を滑らせた。


脳が危機を感じ取り世界がゆっくりと感じられる。


不自然な足の滑り方だったが、今はそれよりも助かる方法だ。


頭と首を守れば痛いですむ。


しかし体は動かせなかった。


濁った緑色の光が体を固定していた。


そのまま1人ジャーマンスープレックスないしパイルドライバーが決まる。


ゴキンッ!!!


と、いう音と振動ともに体の感覚が無くなっていく。


そんな中、頭に


『やったぜ!!ざまーみやがれ!!この力はみんな俺のもんだ!!!ギャハハハハハハハ!!!』


そんな耳障りな声が響いてきた。


(むかつく)


それが最後の思考だった。


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