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ダンジョン発見

 只ひたすらに道を進んでいる一行は、ツヴァイにある冒険者に向けて進んでいた。道中、十六夜は天心とお嬢様二人の事を考えていたが、三人で依頼をこなしていると思い出し思考を切った。そして道中こんな物を見つけた。


「なあお前ら、これってダンジョンだよな」


 ニヤニヤし、凄くワクワクしながら皆に聞く十六夜。流星が疲れた感じで十六夜の問いに答える。


「ハァ。そうだよ十六夜」


 十六夜達一行はツヴァイに向かう道すがらに、ダンジョンを見つけだしていた。スフィアの世界にはダンジョンと迷宮の二つが存在する。

 ダンジョンは深く潜るタイプで階層があり、最深部まで行くとかなりの財宝や武具が眠っている。冒険者によると百層までは、パーティーなどの連携プレーが完成されているなら何とかいけるレベルだ。百層以降になると、二つ名持ちの有名な冒険者が何とか行けるレベルだという。

 迷宮はダンジョンと同じく階層があるが、最高十層までしかない。だが迷宮自体のレベルが上がると、一層がかなり広くなり、ダンジョンと違い迷い易くなる特徴がある。二つ名持ちによると、高レベルの迷宮はダンジョン百層以降の魔物や罠が存在し、迷い易くなる特徴と広い階層が相まってとんでもないレベルの迷宮となる。その難易度は二つ名持ちでも難しいレベルにある。


「じゃ早速行こうぜ」


 十六夜が先頭に立ちダンジョンの中に入っていく。流星達三人は呆れながらも十六夜の後をついて行った。このダンジョンに出会いがあるとも知らずに。




「へぇ、面白いな」


「結構ワクワクするっすね」


 ダンジョン内部はキラキラした鉱石から始まり、様々な物や魔物が存在していた。魔物は十六夜の蹴りか拳の一撃で終わったが。


 十六夜達はダンジョン内部に入り探索をしながら階層をありえない速度で降りて行っている。十六夜達が知る由もないが、このダンジョンはかなり深く百層を越えているが、十六夜達はデタラメな速度で既に百層手前まで来ていた。


「ねぇ、そろそろ休もうよ十六夜」


「私も疲れました」


 流星とフェルシアが揃って音を上げた。仕方がないだろう、十六夜達はダンジョン内部に入ってから休みをほとんどとらずに探索し続けているのだ。加えてダンジョン内では常に暗く、時間感覚が曖昧になる、それも疲労に加わっているのだろう。最も、容静のメニューで時間はほぼ完璧に分かるのだが、当の容静本人がはしゃぎすぎて時間すらも忘れている。


「分かった、今日は此処までするか」


 それは二人にとっては眩しいくらいに朗報だった。四人はテントを作った後に晩食をとり、後は四人それぞれの夜を過ごしていた。寝る時の警戒は魔法に任せ四人共ゆっくりと眠った。


「十六夜さん、起きてますか」


「フェルシアか、起きてるぞ」


 十六夜はだいたいの状況が理解出来ていたので、自分も朝飯を食べにテント内のテーブルに向かう。テント内は四人いても尚広く作られていて、四人で間取りを決めそれぞれの部屋も割り振って使っていた。


「お前等、今日は行けるとこまで行くからな」


「でもこのダンジョン、どの位深いんだろう」


「結構深いっすよね」


「これくらい深いのはかなり珍しいんですよ」


 ダンジョンの事を四人で考え、話しながらも準備をし始める。


「じゃいくぞ」


 十六夜の掛け声に各々の返答をする三人。テントを消し、ダンジョンの探索を再開した。


「此処で節目か」


 十六夜達が今居る場所は、でかい扉の前にいて周りを観察していた。


「多分そうだよ十六夜」


 十六夜達が居る階層は百層手前だ、この場所は節目の機能もあり、ほとんどのダンジョンが百層手前は似た感じになっている。簡素な石の部屋にでかい石の扉、言うことなくそのまんまである。


「多分この先はボスだな」


「私もそう思います」


 十六夜とフェルシアが話し、流星と容静も同意する。


「ならボスの姿を拝ませて貰いますか」


 十六夜はでかい扉を大音量を鳴らしながら蹴り破り、ボスの部屋に入っていく。流星達も十六夜に続いた。扉の奥にいたのは、オークジェネラルといい人間に近い魔物(亜人)が部屋に座っていた。


「オマエラ、スベテヨコセ」


 訳の分からない事をいいながら向かってくるオークを十六夜は、真っ正面からパンチ一発で吹き飛ばした。


「……弱いな」


 多少強い気配を感じてワクワクしながら扉を蹴り破った十六夜だったが、敵があまりにも弱過ぎて話にもならず溜め息をつきながら落胆した。


「十六夜、何かくるよ」


 流星が言うと、頭上から財宝と一緒に美少女も落ちてきた。因みに次の階層の扉も開いた。


「痛ったた」


 うなりながら、美少女が起き上がった。十六夜は開口一番。


「誰だお前」


 皆が思っていた事を美少女に聞く十六夜。冷静に見えるが内心かなりワクワクしていた。


「私は二つ名持ちのギルドマスター、メイという」


 色々ツッコミ所がある自己紹介をした美少女改めメイ。背は小学生の六年生以上中学一年以下といったところ。桃色の髪を長く伸ばし、可愛い顔をしているが、目付きは何かを見守るように柔らかい眼差しをしている。全体的に可愛い小学生の雰囲気がある。

 服装はギルド、又はそれに近い制服を着ている。


「へぇ、なんでダンジョンに、独りで来てるのか教えてくれないか、ギルドマスター様」


 敢えて様付けで呼ぶ十六夜にメイは不満そうだったが話を続けた。


「誰か知らんが質問には答えよう。私が最初に見つけ、攻略していたからだ」


 あっけらかんと答えを返すメイ。


「今度は此方からだ、お前達こそなんで此処にいる」


「偶々(たまたま)見つけて面白そうだから入った」


 今度は十六夜があっけらかんと返した。


「まあいい。取り敢えず話を進めよう」


 その間流星達三人は揃って固まっていた。メイから色々聞いた十六夜は情報を整理していた。まず、メイがダンジョンにいた理由はマスターへの依頼が来たという、本来動かないマスターが動く程の案件だったらしく、他に動ける者もいなかった事が災いしマスターが来る事になったらしい。他にも幾つかあったが割愛。其れよりも、なんで財宝と一緒に落ちてきたかを問うと、油断して罠に捕らえられた挙げ句の果てだそうだ。失態に落ち込んでいたが、直ぐにこちらにも色々聞いてきた。


「成る程、話は分かった」


「なら俺達は進むからな」


 早速次の階層に向かう十六夜達。他三人も十六夜の後を追う。


「お前達、このダンジョンの奥に行くつもりか」


「当たり前だ、こんな面白い事をほおっておけるか」


 ニヤニヤしながら言葉を返す十六夜にメイは

「なら私もついて行こう」


「いいぜ、面白そうだしな」


 メイがいきなり言い出した。十六夜は了承したが、流星、容静、フェルシアは疲れたような、呆れたような顔をそれぞれしていた。因みに、この後それぞれ自己紹介をした後テントを出して今日は休んだ。メイは個人で所有していた事もあり、問題なく休めた。

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