1日 夜 解散
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「二人共、何してるの。さっき凄い光っていたけれど」
火鈴と涙はさっきの現象について、十六夜と日影に対して質問したが答えたのは、天心だった。
「さっきの光は日影のスキルを使った事で生じた影響みたいな物だよ」
その答えに不満は有るものの、ひとまず火鈴と涙は納得し質問を重ねた。
「なら用事は済んだのかしら」
「まだなら私達は待っていますね」
「その事について話がある」
以外にも話を持ち掛けたのは十六夜だった。
「お前等これから王国に帰るんだろ、ならこいつら連れてってくれないか」
「え、何言ってるの」
いきなりの提案に火鈴は呆れ、涙はパニック状態で硬直していた。だが、当人の天心と日影は至って平常だった。二人共に十六夜の突飛な言動、行動には今まで付き合って居たからだろう。
「何って、至極単純だろ。天心と日影を王国に連れていけって事だ」
「何でなのか、理由を聞いても」
「お前に話す理由は無いが、言うならそっちの方が都合がいいってだけだ」
聞く人が聞けばはぐらかした様に聞こえるだろうが、今の火鈴と涙には理由を聞く正統性もましてや権利も無い、つまり二人はこの理由で納得する他なかった。
「分かったわ、二人は一緒に連れていく。それでいいのよね」
「ああ」
当然だが、何も王国に力を与える為に二人を送る訳じゃない。火鈴と涙の二人、つまり王国に行くと言ったのは他でもない、天心と日影の意志だ。
少し時間を遡る。日影が共同体の詳細を話し、能力を発動する頃合い・・・
「十六夜、僕から提案があるんだけど」
天心は十六夜に対してある事話す事にした。
「提案、天心からとは珍しいな」
「うん、そうなんだけど今回はね。それで提案何だけど、僕と日影の二人をワンモアつまり、火鈴さんと涙さんについて行っていいって事何だけど」
「俺は、どうせなら王国から出たかったけどな」
天心の意外な提案と日影の考えを知った十六夜は、簡潔に答えを出した。
「別にいいぞ。天心ならそんな心配も殆ど必要ないだろうし、加えて日影もついて行くんならな。二人で一緒に行動してもしなくても、どっちでもいいぜ」
最初から好きにさせると決めていた事もあり、簡単に返答した。最後の言葉にはからかいも含まれ笑いながら言ったが。
「分かった。それなら僕と日影は火鈴さん達について行くって、流星と容静、それとフェルシアさんにも伝えておいて」
「ああ、聞きたいんだが何のために王国に、あいつ等について行く事にした。あいつ等が心配になったとかじゃないんだろ」
天心の提案と伝言を受けた十六夜は、天心に何でついて行くのか質問した。理由は、分からない事も無いが。
「うん。心配だからとかじゃ無い。一つは、何となくそうすべきと感じたから何だけど、後一つは、十六夜が考えている事と一緒だよ」
「ふぅん。なら、日影もいいか」
天心の答えが分かった十六夜は、日影に確認を取る。それと同時にこんな事を考えていた。何となく、そうすべきと感じたからか。
「俺もいいよ、そんなに執着もないしな」
「なら、天心と日影はあいつ等について行くって事でいいのか」
「うん」
「ああ」
そして、時間が元に戻る。
「天心さんと日影さんは、いいんですか」
涙からの質問に迷いなく返答した天心と日影。それを見た火鈴と涙は二人も覚悟を決めた。
「覚悟の確認はもういいのか、なら此処で解散って所か」
二人共に覚悟の再確認はよく、火鈴から言ってきた。
「それじゃあ、話し合いは終わりね。そろそろ夜も明けてくる頃合い、私達はこれで失礼するわ」
「其れでは十六夜さん、失礼しますね」
「ああ、お前等も一応気をつけろよ」
火鈴と涙の二人は、お嬢様の様に優雅な礼をして後ろに下がった。さすが、元お嬢様なだけはあると、少しだけ十六夜は感心した。
「僕からも、また会うまで元気で」
「じゃあな十六夜。心配は要らないぞ、白陽と俺の二人だからな」
天心と日影は苦労人。だが、逆に言えば真面目とも言う。そんな二人に少しの心配だけして、返事を返した。
「ああ、一応容静がホットラインは繋いであるからな。何かやるにしても程々にしろよ、ヤハハ」
笑いながら。
「「お前が言うな」」
天心と日影のダブル突っ込みで、話し合いは幕を閉じた。火鈴と涙の二人は、天心と日影の二人を連れて、来たときと同じく歩いて帰って行った。
「さて、俺も戻るか。ヤハハ」
少し考えながら四人の後を見ていた十六夜だったが、思い出した様に帰路についた。これから面白くなりそうだと、笑いながら。




