一日 昼
十六夜達は屋根無し(高性能)ログハウスに戻った後、昼飯を食べ今はゆっくりしていた。
「俺は少し用があって出るが、其の後にお前等にも用があるから、ログハウス内に居ろよ」
そういった十六夜は屋根無しログハウスを出て行った。残された三人は、雑談や練習で時間を潰す事にした。
「着いたな」
ログハウスからある程度の時間をかけ、十六夜はあるところに来ていた。先日、フェルシアに言った問いの答えを聞きに、フェルシアが居るログハウスにサリネと来ていた。
「さて、いくか」
「キュ」
十六夜とサリネはたいした気負いも無く、ログハウスの玄関からフェルシアを呼んだ。
「フェルシア、居るか」
十六夜が呼ぶと、フェルシアは直ぐに出て来た。かなりの荷物を用意して。
「十六夜さん、お待たせしました。此から宜しくお願いします」
「ああ、此方こそ宜しく。フェルシア。準備は出来てるみたいだし、行くぞ」
軽い挨拶を終え、十六夜はフェルシアが用意した荷物を持ち、屋根無し高性能ログハウスに向けて帰路についた。フェルシアは十六夜に感謝し、少し遅れながらも十六夜の後を付いてった。
多少の時間を歩いていると、フェルシアがどことなく質問してきた。
「其の荷物、色々入っててけっこう重たいんですけど。重くないんですか十六夜さん」
フェルシアが控えめに質問する。
「気にするな」
対して十六夜は、気にするなの一言で終わらせた。フェルシアは十六夜から何か悟ったのか、気にしない事にした。
そんなこんなありながらも、何事もなく屋根無し(高性能)ログハウスに着いた。
「着いたぞフェルシア」
「此処がですか?」
フェルシアが不思議そうに首を傾げるが、仕方がないだろう。
なにせ着いた場所にあったのは、屋根が無いログハウスだったのだから。
「あれ、此のログハウス。どこか変な感じが」
屋根無し(高性能)ログハウスを一目見ただけで、何かに気ずくフェルシア。
流石魔力や魔法に特化した種族、ハイエルフ。全部には気ずかないとはいえ、一目見ただけで何かあると判断したフェルシアの魔力感知はハイエルフの血が濃いからか。
「此のログハウス、最初は普通に建てていったんだが、魔法やら何やらで改造した。ま、其れは後で、容静にでも訊いとけ」
とりあえず説明を放棄し、フェルシアを連れて中に入る。
「わぁ凄い」
フェルシアが漏らした感想は、外見の奇抜さによる内装のギャップか、或いは。兎に角、凄い。其れがフェルシアが出した最初の感想だった。
現在、十六夜達四人に加えフェルシアは居間にいる。ログハウスに入り、玄関を抜けると直ぐに居間に着く。居間は四人居ても尚広く造られており、居間にある机や椅子、キッチンなど家具は、魔法の原理を除けば一般にある物と殆ど変わりない。因みに屋根無しログハウス内には、居間と風呂などの日常に支障が無い物しかない。つまり、現時点で部屋は居間しか無いも同然だった。詳しい説明は後々にし、十六夜達四人とフェルシアは部屋に座り、自己紹介から始まった。
「俺は別に良いよな、始めてくれ」
十六夜が開口一番に言い、十六夜を除いた四人で自己紹介が始まった。
「先ずは僕が白陽天心、此から宜しく」
「僕は無明流星。宜しく」
「俺っちが神賀容静。宜しくっす」
三人共に変わり映えのない自己紹介を済ませ、フェルシアの番になった。
「私はフェルシアと言います、種族はハイエルフと人間のハーフです、皆さん宜しくお願いします」
四人共自己紹介を無事に済ませた後、四つの視線が十六夜に行く、天心達三人からはどうゆう事の視線、フェルシアからは此の後はという視線を受けた十六夜。
「まぁ、言いたいことは分かる。まずフェルシアとはサリネと会った時に一緒に会った奴なんだが、その場で連れてくるわけにもいかず、返答を今さっき聞いて連れて来た訳だ」
此の返答に関して天心達は、表面上で一応の納得はした。三人共に内面では、どうせ連れてくるつもりだったんだろうな、と三人共に同じ感想で一致していた。
「次だ、此の三人とフェルシア、俺で旅に出るが今日は用事がある。だから明日に出るつもりだが、今日は此の(屋根無し高性能)ログハウスで一日過ごすから、ま、それなりの仲に四人共なってくれないとな」
ニヤニヤと笑みを浮かべながら十六夜は四人に言う。
事実上、天心達三人はいきなり来たフェルシアとそれなりに話せるように、フェルシアからはいきなり男子三人と話さなくてはならない状況に双方困惑していた。その困惑具合をニヤニヤしながらしばらく見ていた十六夜だが、話しを戻した。
「まぁ、別に難しい事じゃない、普通に話せれば其れで良い。其れよりも流星、フェルシアのステータスを表示してくれ」
「分かった」
フェルシア Lv71
攻2500
防3000
速2000
魔攻9200
魔防9000
スキル・能力
魔法・基本五属性・治癒魔法・精霊魔法・部分強化
現時点のフェルシアのステータスがこれだ。
「ふむ」
フェルシアの能力は数値から見るに中々の逸材だが。
「なんでこんなにレベルが低いんだ」
十六夜の疑問は其処にあった、少なくとも此の森林にはレベルが二百越えが存在していたはず、なのにフェルシアのレベルは半分にも満たない七十一レベ。その疑問に答えたのは当人のフェルシアだった。
「それは恐らく、十六夜さんや天心さん、流星さんに容静さんが出会った魔物が大体此の森林の奥深くにいる、特殊な魔物だからです。此処の魔物は、大体Lv50位と言われていますから」
因みに、ステータスは具体的に一万を過ぎた辺りからみえなくなる。一般的に一万を越えたら上級者と言われ、千からは中級、それ以下は下級と言われている。最も、此れはあくまでも目安だが。
一万を越えたら見えなくなるのが、ステータス全般だが、レベルや称号、HPやMPは見える。それらすら見えなくなって、超越者と呼ばれるようになる。
「ふぅん。ま、まだ聞きたい事はあるが用事もある。今日は此くらいにするか。俺と白陽はそろそろ目的の場所に行くから後の事は宜しくな三人共。さてと、行くぞ白陽」
「うん」
十六夜と白陽の二人は、目的地に向けて歩き出す。此れから知る、事実を考えながら。




