国王の相手は兵士!?
国王はエリスの顔を見るにその椅子から即座に立ち上がり、エリスに向かって顔を
=3=にしながら両手を広げながらものすごいスピードで走ってきた。
それはもう
「エリスちゃ~~~ん、会いたかったよ~~!」
と言いながら。
だがエリスはいたって冷静で、0.5センチ、触れるか触れないかの所でスルリと、きれいにかわしていた。
だが・・・だがだ。エリスの後ろには俺がいたのだ。
エリスが国王を避けたことにより、国王は今俺の目の前にいる!
まずい・・・このままじゃ男同士でキスをして・・してしま・・
「う訳ねーだろ!!うおおおぉぉぉぉ!!」
俺は叫びながら渾身の一撃を思いっきり放った。
「グハッ!」
国王は勢いよく壁にぶつかり、天井にぶつかり、床にぶつかり、そしてまた天井にぶつかったりと、部屋中をバウンドしている。 もう数回色々な所にぶつかったが、国王のスピードは全く落ちない。
やっぱすげーな俺って・・・ そう思っていると後ろからコンコンとノックが聞こえた。
国王は今飛んでいるな・・・
ん?字が違って・・ないか。
てな訳で国王は返事ができないだろう。
てことで俺が
「入れ」 という。
「ちょっ・・何勝手に言ってるんですか!」
少し怒ったエリスの声が聞こえなくもないが今はスルーっと。
「失礼します。」
扉を開けた瞬間、入ってきた兵士と飛んでいた国王がぶつかった。
ちゅっ♡
ん? 今何か聞こえたような・・・
ぶつかった兵士と国王の方を恐る恐る見てみると、
想像した通り 兵士と国王がキスをしていたのだ。
国王は・・・気絶しているな。 殴ったからなのか、キスしたショックからかは定かではない。
一方、兵士はと・・・
「おぅえええぇえぇぇぇ・・・・・」
気絶している国王の顔面に盛大にゲ○をぶちまけていた。
何コレ?爆笑なんですけど・・・。
俺は腹を押さえながら笑いだす声を一生懸命堪えていた。
エリスはというと、
「ぅわ・・・。お父様、クサい・・。 後で一生近づかないように言っておかなくてはな・・。」
何と、娘の反抗期きました! いやー娘に嫌われるとか何と言うか・・ドンマイ!
ん?俺のせいだって?
最初を振り返ってみよう。
国王がエリスを見て、ものすごいスピードでエリスに抱きつこうとした。
うん。元凶は国王がエリスに抱きつこうとしたせいだ。
だから、俺は悪くない。
すると今まで喋らなかった、自称国王の妻が、
「この部屋誰かさんのせいで汚れてしまったので、別の部屋に行って話をしましょうか。」
と、あの現場を見ても顔色一つ変えずにそう言ってきた。
「はい。」
と俺は呟く。
先頭に、自称国王の妻、俺、エリスという順番にあの汚い部屋を出て歩き出す。