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聖霊使いへの道  作者: 雪月葉
セントルイナ大陸編
87/132

本当の駒

 空いっぱいに映し出されたユリトエスが、ニコニコと人好きのする笑顔で見下ろしている。いや、見下ろしているように見えるだけで、実際は真正面を向いているはずだ。それでもそう感じてしまうのは、彼の姿が空高くに見えるからだろう。この戦場全域から見られるように、光の画面が設置されている。それを行っているのが、この機械で出来た卵型の人形。

『えーっと、今これを映しているのは遺跡から発掘された機械人形の一部。それをちょろっと改造して作った投影機……まあ、簡単に言うと余の周りをリアルタイムで映像として流すもの、とだけ理解してくれていいよ?』

「どういう事ですか、ユリト!」

 突然現れて訳の分からない事を説明し出す従兄に、苛立った言葉を投げつける。その様子は既に元のマイリエルそのものだ。

「マイリエル姫、どうやら意識を取り戻したようですね」

「ええ、そのようです。アランヤード様、ユクレステ様、なんとお詫びすれば良いのか……」

「まあ、気にするなとは言いません。ですが、今はあちらが優先でしょう」

 深く頭を下げるマイリエルに優しげな笑みを向けながら、アランヤードは頭上を見上げる。

「……あれは本当にユリトエス王子なのですか?」

 ユリトエスはあまり社交界の場には出て来なかった。伯父であるベリゼルスが出さなかったと言っても良いのだが、そのため彼の顔を知っているものは国外には少なく、隣国の王子であるアランヤードでさえ数える程しか顔を合わせた事が無かった。

 彼の当然の疑問に頷き、マイリエルはキッと画面を睨みつける。

「あの締まりのない顔。ふざけた口元。頭の悪そうな言葉遣い。紛うこと無く私の愚兄です」

「そ、そこまで言いますか……。でもまあ、確かにあれはユリトだよ。元気そうで安心……していい場面か、これ? って言うか、クーデターってどういう事?」

 ぶえっくしょんとくしゃみをする画面上のユリトを眺め、ユクレステは疑問に頭を傾げていた。

「とにかく、ユリト! ふざけた事を言っていないで説明しなさい! 聞いていないのですか、ユリト!」

「無駄ですよ。先ほど彼が言っていたように、こちらからの声は届いていないようです」

 首を横に振るアランヤードの言葉に、マイリエルは歯がみして気を落ち着ける。せめてユリトエスの言葉を聞き漏らすまいと耳を澄ませた。


『さて、今回余が立ち上がったのはもちろん、隣国ルイーナとの戦争の件についてです。あろう事か、ゼリアリス国国王、ベリゼルス・サン・ゼリアリスは百年の平和を壊してまでルイーナに宣戦布告を行いました。それも、不当な理由からです。ロイヤード・S・ルイーナ様を騙し、卑劣な工作員により彼を切っ掛けに戦争を誘発したのです。ああっ、なんと卑怯な事か!』

 だれが見ても分かる程に大根な演技を笑い顔でこなすユリトエス。その言い分に、マイリエルは苛立ち交じりに吐き捨てる。

「良く言いますね、あれを指示したのは貴方でしょうに」

「…………そうなんですか?」

 あの大会でユリトエスが司会を務めていたのは知っていたが、そこまで関わっているとは思ってもみなかった。ユクレステの問いに、マイリエルは頷いて答える。

「ええ、本人の口から直接聞きました。もしかしたら、あの時点で既に父の命令を受けていたのかもしれません。……相変わらず、当然のようにウソを吐く」

 まるでマイリエルの態度が分かっているかのように、画面のユリトエスは肩を竦めて頷いた。

『と、まあはここまでがベリゼルス王の策略と言ったところでしょう。中々ずる賢い手です。……ですが、余は思うのです』

 一度言葉を区切り、一呼吸入れる。そして、

手緩てぬるいんじゃないか、って』

 笑みを暗く、次の言葉を吐く。

『実はさっきの裏工作したのって余なんだけど、本当に面倒だった訳ですよ。わざわざ豚みたいな奴の命令聞かなきゃいけないし、一々まどろっこしいし……そこで余は思いましたね。どれだけ謀略張り巡らせたって、結局は暴力最強じゃね? って』

「なんだ? あいつ、なにを言おうとしてるんだ?」

 雲行きが怪しい。あのユリトエスがあんな事を言うのもだが、なによりも底知れない笑みに寒気がする。

 見ればマイリエルも同様のようで、顔を青くしていた。

『我が国ゼリアリス、そして友国アーリッシュには暴力の体現とも呼べる機械人形が揃っているのです。これは遺跡から発掘された聖具オリジナル・アイテムで、両国合わせて千体を優に超える数が保管されています。アロイ草原にいる人達は分かるんじゃないかな? 征戦車の母体となったものだね。それがなんと驚いた事に、余の命令一つでなんでもこなす戦士となるわけです』

 だからこその一人クーデターと言う訳です、と微笑むユリトエス。

『効果の程は……まあ、後ろを見てくれれば分かるかな? カメラさん、ちょっと向こうを写してー』

 だれに言っているのか、ユリトエスは指を画面外に指し示していた。それにつられるように画面が動き、映し出されたのは──

「な、なんて事を──!?」

 無惨に崩れ落ちた、ゼリアリス城の城壁だった。

『えー、見えたかな? このようにどれだけ堅牢な城門だろうと、聖具オリジナル・アイテムの前には無意味と言うことです』

 かつての荘厳な佇まいなどなかったような惨状の前で、ユリトエスは画面に写り込みながら言った。戦場のそこかしこで兵士が膝をつく光景が見られる。無理もない。国の象徴がああも無惨な姿になれば、ショックを受けるのは当然だ。

『あ、ちなみにー。ベリゼルス王は既に捕らえ済み、神剣騎士団も壊滅。余の頑強なる部隊はルイーナ国アロイ草原地方へと進行中です』

「ユリト……! アランヤード殿下!ご無礼は承知の上です。ですが、今は……!」

「皆まで言わずとも。どうやらこれを見てしまえば、呑気に静観、なんて言ってられそうにないですからね。全軍、すぐに帰還準備を! これより我々は一旦王都へ戻り、東へ救援へ向かう!!」

「感謝致します……ゼリアリス全軍に告げます! これより我々は王都ゼリアリスへ戻りユリト……いえ、逆賊ユリトエス・ルナ・ゼリアリスを討ちます! 同時に我が父ベリゼルス・サン・ゼリアリスを救出。そして、この戦の責任を取らせなければなりません」

 苦しそうに言葉を続けるマイリエル。実の父と、兄妹同然に育った者への処遇を口にした。その事に納得いかないのか。ユクレステは思わず口を挟んでしまう。

「ユリトを討つって……本気ですか?」

「無論です。あれを見れば分かるでしょう? ユリトは、今やゼリアリスの敵です。下手をすればあの機械人形は大陸中に放たれるかもしれません。ならば、その前に……」

「あいつがそんな事する訳ないだろ!?」

 諦めたような物言いにカッとなって敬語も忘れて声を荒げた。

「前にも言ったけどなぁ……いつまで恐がって目を逸らしてんだよ! あんたはユリトの一番近くにいたんだろ? ならなんで分からない! あいつは、意味もなく争いを振り撒くような奴じゃない!」

「──貴方になにが分かるのですか!?」

 カッとなったのはマイリエルも同様だ。顔を赤くし、ユクレステへ食ってかかる。

「ユリトは、父と同じなのです……使えるものは使い、ウソも悪意も平然とやってのける! あれを見れば分かるでしょう!?」

 突き出された指は空へと向き、崩れた城壁をバックにニヤニヤとした笑いでそこにいる。

『ああそうそう、余は今アーリッシュ城も手中に収めていてね。もし余に謁見したかったらそちらまでどうぞー。もちろん、相応のお出迎えはさせて貰うけどね』

 そう言い終わると唐突に画面は消え去った。

「アーリッシュまで……見たでしょう!? これ以上ユリトを野放しにすれば、この大陸は──」

「違うと思うよ」

「えっ?」

 少しの哀れみを瞳に乗せて、ディーラがマイリエルの言葉を遮った。

「あれは挑発なんかじゃないと思う。多分、あれは……」

「……来て欲しいんじゃ、ないでしょうか」

「はは、確かにユリトならばそうかもしれないな」

 ミュウ、ユゥミィが続く言葉を答え、ユクレステも同感だと頷く。

「あいつは無駄なことは言わない奴だからさ、あんな挑発じみた言葉、不自然だったと思わないか?」

「それ、は……」

 思い当たる節があるのか、マイリエルは顔を伏せた。

「……ユリトがわざわざ戦力を教えた、絶対の自信のある戦力を。それなのに来れるのならば来いと言う。……きっと、その戦力ですら突破出来る、私を待っているのでしょうね」

「ほら、やっぱり良く分かってるじゃん」

 笑って拍手を送るユクレステ。

 当然だ。今まで何年も一緒に過ごしてきたと思っているのだ。これくらいならば、いかに腑抜けた自分ですら分かる。だが、そんなマイリエルでもそこまでが限界だ。

「……ユリトは、本当に隠したいことはどこまでも隠します。()()()を隠していることが分かっても、その()()()だけは絶対に隠し通す。それが、ユリトエスと言う人間ですから」

 だから警告する。彼という人間を甘く見るな、と。

「……分かりました。私が来るのを望んでいると言うのならば、その招待に応じます。そして、彼の真意を聞き出してみせます」

 ユリトエスとてバカではない。自国内では散々バカだ間抜けだと言われている彼だが、頭の回転は速いし、悪知恵も恐ろしく働く。下手をすればマイリエルすら凌ぐ時があるほどだ。そんな彼が、本気でゼリアリスの王だと名を上げるとは思えない。

 クーデターなどと言ってはいるが、なにかのポーズであると考えるのが自然だ。

 ではなにを狙っているのか。現状ではそれが見当もつかない。ならば直接聞こう、と言うのがマイリエルの判断だ。

「それが一番ですね。もちろん、俺もお供しますよ? あいつには、色々と聞きたいことがありますからね」

 敬語を復活させたユクレステがマイリエルへ同行を申し出る。これから行く場所は、言ってしまえば敵地だ。そんな場所に嬉々として付いて行くのは、よっぽどのバカか戦闘狂くらいなものだろう。

「……よろしいのですか?」

「もちろん。俺はこれでもユリトの仲間ですからね」

 念を押す意味も込めて吐き出された言葉に間髪入れずに頷いた。なにせ、ユクレステパーティーには偶然にもバカも戦闘狂もいるのだから。





「あー、緊張したー。やっぱり慣れない事はしない方が良いよねー。あ、ノリー。良く冷えたジュース頂戴」

「はいはい、ニ百エル頂くよ」

「後で纏めて払うよ」

 ゼリアリス城の前で汗を拭っている黒髪の少年、ユリトエス。カメラマン役の少年、ノリエからアップルジュースを受け取り、ゴクゴクと喉を鳴らしている。ビンに入ったジュースを一気に飲み干し、ぷはっ、と息を吐いてようやく落ち着いた。やたらと大きな音をあげる心臓が鎮まったのを確認し、深くため息を吐いた。

「さーて、これでとうとう後戻りは出来ないね。ノリもわざわざ付き合ってくれてありがとね。まさかあんな魔改造出来るとは思わなかったよ。流石自称何でも屋、機械の改造まで出来るとは思わなかったよ」

「そんなに凄い事でもないよ。結局は三百年前から変わらない代物みたいだし、とある筋から設計図が回って来たのもあって思ったより楽だった」

「とある筋って……あ、やっぱ良いです。どうせ真っ黒なことしてるんだもんね」

「失敬な。僕は方に触れるような事はあんまりしないよ。限りなくクロに近いグレーな事なら何度かやったけど」

 ノリエの発言に顔を引きつらせ、話題を変えるために懐に入れておいた袋を取り出した。大きめの麻袋で、ギュウギュウに中身が詰まっている。気軽に投げて残したそれを危なげなくキャッチし、チラリと中身を確認する。

「……宝石?」

「うん、なんか城の宝物庫に大量にあったからパチッて来た。足りない?」

「ううん、十分。ただ、これだけの宝石はゼリアリスでは一気に換金できないからなぁ……まあ、しばらく外国に行くから別に構わないけど」

 国内で換金すれば足が付くから、と少し表情を曇らせたノリエ。だが、結局は金になるので素直に受け取っておく事にする。

 荷物の中にしまうのを確認し、ユリトエスが立ち上がった。

「さて、これで余と君は他人です。これ以上はお金なんて払えないし、ノリからの援助ももういらない。だから、これで最後」

「……そうだね」

 寂しげなユリトエスに対して無表情で頷くノリエ。そんな相手をどこか愛おしく思えてしまうくらいに、彼との付き合いは長かった。そして、同時に彼の性格を良く知っている者としては、この後のセリフも容易に想像がつく。

「金の切れ目が縁の切れ目。そう言う意味ではここで切り捨てるのが無難だしね」

 ほら見ろ。随分あっさりである。

 苦笑して歩き去ろうとするユリトエス。しかし、そこへもう一度ノリエの声が届いた。

「王子」

「うん? わっ、と」

 小さな小ビンが投げられ、慌てて掬い上げる。中身はドロリとした琥珀色の液体で、ユリトエスからすれば良く見知った代物だった。

「最初で最後のサービスだ。素直に受け取っておきなよ」

「……今さらこんなもの貰ってもなぁ。でもまあ、ノリがサービスなんて珍しいし、ありがたく頂いておきますよ」

 効能は解毒、ついでに少しの回復効果がある。迷いの森に生える薬草で作られた薬だ。ユリトエスが良く購入していたものでもある。

 なにも言わず、目も合わせず、他人とすれ違うように二人の少年は別々の方向へと歩き出した。



 ゼリアリス城のある一室。窓もない、完全な四角く切り取られた世界。この城の主であるベリゼルスは一人そこに閉じ込められていた。

「やっほー伯父上、元気してたかなー?」

「ユリトっ、貴様ぁ!」

 吠えるがそれ以上の行動は縛られているために出来ないでいる。彼の後ろには卵のような形の機械人形が並び、銃口をベリゼルスに向けている。もちろん非殺傷のスタンガンではあるが、その威力の程はボロボロなベリゼルスを見れば分かるだろう。

「おやおや、大人しくしていればその子達はなにもしないって教えたじゃないですか。わざわざ電気体に流してビクンビクンですか。あれ? 伯父上って実はMがつく人?」

「このっ――!」

 彼の屈辱に満ちた顔を見ているだけで胸がスッとするのは、やはり彼の事が大嫌いだからなのだろう。これだけでクーデターを起こした価値がある。

「ユリトっ! 貴様、オレをどうする気だ! こんななにもない場所に閉じ込めおって!」

「なにもない、ねぇ……まあ、良いや」

 なにかを言いかけたユリトエスだが、すぐに頭を振った。ここでつまらない問答をしていては、アーリッシュに帰るのが遅れてしまう。マイリエルの進行速度を考えて、すぐにでもここを発つべきなのだ。

「えっと、なんでしたっけ? あなたをどうするか? 別にどうするつもりもありませんよ」

「なんだと!」

 クツクツと笑いを噛み殺しながらベリゼルスを視界に収める。

「ただまあ、あなたの野望とやらを挫く正義の味方を演じたかった、とかで如何いかがですか? 秘匿大陸へ攻め込むつもりだった伯父上を止めるって言う、余の正義心が疼いたー、とか。そんな感じで」

「ふざけるな! 貴様、許さんぞ……オレがどれだけあの場所を夢見て来たか……」

 鬼のような形相となったベリゼルスを見下しながら、ユリトエスは胸の内を吐き出していく。

「ええ知っていますよ。知っているからこそ、今この時に止めたんです」

「なに?」

「あなたが娘を利用し、国を利用し、そして余の父を利用してまで手にしようとしていたあなたの野望。それをこの目前で奪い取る。それが、あなたに対する復讐ですからね」

 ベリゼルスの秘匿大陸に対する妄執はユリトエスが生まれる前から始まっていた。手段が手段でなければ尊敬する程に。それほどまでに一途に秘匿大陸を目指していた。だからこそ、許せない。全ての人の幸せを踏みにじってそこへ到達しようとする、彼の心を許す事は出来ない。そんな汚れた心で、あの地を踏んで欲しくはない。

 冷めた目でベリゼルスを見下ろし、これ以上の問答は必要ないと背を向ける。

「ま、待て! 貴様っ、この、オレを出し抜いたつもりか! たった一度、この時だけで……!」

「んー? ああ、そっか」

 クルリと向き直り、ユリトエスは顔いっぱいに笑みを張りつけた。

「もしかして伯父上、余が伯父上の後を追っているとでも勘違いしてませんでしたか?」

「勘違い、だと……?」

「ええ」

 楽しげに笑うユリトエスの態度を訝しみ、同時に気付いてはいけないと警報を鳴らす。気付けば、きっと立ち直れないと。

 しかしユリトエスは容赦なく告げる。

「後を追ってる? なにを勘違いしてるのさ。あんたは余から一周遅れて歩いているに過ぎないんだよ、ばーか」

「……えっ」

「秘匿大陸への行き方も、資格も、鍵も扉も、一体だれがあんたに教えたと思ってるのかな? 精霊の力が必要だって事を教え、いつまでも動かないあんたが使えないから余自らが集めなきゃいけなくなった時は笑ったよ。ホント、使えない王様もいたもんだなってさ」

「な、あ、え……?」

 混乱しているベリゼルスを無視し、溜まった物を吐き出す様に、次々と感情が言葉となって出て来る。

 気分が良い。上から目線で散々こき使われた鬱憤が晴れて行く。

「あんたの背中を見ている? 冗談じゃない、あんたは背中を見られている幻覚を見た、つまらない駒に過ぎないんだよ」

 あの魔物使いとは違って。

 心の呟きが苦笑となって現れる。結果的に精霊の力を回収する事は出来たが、それら全てがユリトエスの想像の外を行っていた。ひた向きに信じ続け、秘匿大陸へ向かうその姿。ベリゼルスと同じ目的なはずなのに、まったく違った美しさにユリトエスは惹かれていた。もしかしたら、彼といれば遠くない未来に扉を開けるのではないかと思った程だ。

 そんな事、あり得てはいけないのに。

「ベリゼルス・サン・ゼリアリス。あんたは手の平の上で踊りもしないくせに偉そうで、そんなあんたを見ていると笑っちゃうくらいに――」


 ――滑稽でしたよ。



 ユリトエスが出て行き、影がゼリアリスを飛び発った時、とある一室には一人の男が残された。その男は一気に年老いたようにうな垂れ、ただ呆然と床を見つめていた。

これからしばらくシリアスが続くかもしれません。ほのぼの話は何点か考えているのですが、兎にも角にもまずはこの章を終えなければ話になりませんからね。もうしばらくお付き合いお願いします。

ここから先はユリトのターンです!

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