第二話 現状把握
「本当なら一曲アリアに歌って欲しいところだが、本題に入ろうか」
バスラが笑いながらそういうのだが、アリアが睨んでいることに気付きマジメに本題に戻った。
「ここは間違いなくラストランド。そして、多分ログインしているプレイヤー全員がこの世界に来てるだろう。日本サーバー以外のプレイヤーも」
「マスター、何で日本だけじゃなくて全サーバーって分かるんですか?」
「アサシンギルドだ。アルタイン。暗殺者は日本サーバーで何人いるか知っているかい?」
「日本だと数十万人のプレイヤーがいる……地雷職であることを考えると、2、3千人ぐらい?」
「残念。百人だ。ついでにいうと、君が百人目」
「そ、そんなに少ないのか……」
「まあ、吟遊詩人よりはマシだな」
「そうですね」
涼しい顔で答えるアリア。
吟遊詩人は百人よりも少ないらしい。
「それで、何で人数が分かるんだ?」
「職業ギルド最大勢力は、その職業の人数を把握することができるんです。アサシンギルドは、暗殺者ギルド最大……一つしかないですが」
職業ギルドは複数作ることが可能である。その中で、最大勢力のギルドはその職業の全体人数を見ることが出来るのだ。
「そう、それで暗殺者の人数が増えてることがわかる。そして、全サーバーの暗殺者ギルドに所属している面々が何故か、ここのアサシンギルドに入団している。そのお陰でここの人数は三倍までに膨らんだ」
「全サーバー合わせてもその人数。さすが、地雷職といわれるだけのことはありますね」
「アリア、感心する場所違うぞ」
的外れなアリアの言葉に突っ込みを入れるアルタイン。
「そして、重要なのは我々のこと。我々の経歴は今現在ここで進んでいる。この街、ラビンスは我々暗殺者が仕切っている……という設定。そして、実際その通りになった」
「では、バスラがこの街で一番偉いということになるのですか?」
「間違ってはないが、大体その通りだ。そこで、悠久のアリア、君もかなりの有名人だ。この前のイベントで活躍した君は全サーバートップの成績を受けたからな」
ギルドの団長がそのままの地位になる。
それは、他のギルドもそうなるだろう。そして、有名なパーティや戦団もそれなりの地位になり、知名度があるのだろう。
アリアはバスラの話を聞いてため息をついた。
「可愛い顔にため息を似合わないぞ。大丈夫、君には我々がついている。今現在も情報を集めている。何かあったら連絡をしよう。メール機能は何故か使えるようだからな……」
設定を変えるといったオプションは開かないものの、それ以外の操作はできている。
フレンド一覧を見ることも出来るし、そこからメールを送ることもできる。
変に中途半端な感じを受けるが、便利なので文句は誰も言わないだろう。
「アルタイン。君に一つ指令を渡そう」
「了解しました。マスター。何なりと申し付けてください」
「アリアの警備を任した。それが君の任務だ」
《アサシンギルドからのクエスト-悠久のアリアの護衛-》
《受けますか? 受けませんか?》
いつも通りのテロップが表示される。そこも妙にゲームっぽい。
「任せてください」
「あの、私の意見は?」
「では、頼んだぞ」
《クエストを受けました。このクエストの期限は未定で、護衛者の同意がある場合他のクエストを受けることが可能です》
「私の意見は?」
アリアを無視して進む二人を前にアリアは首を傾げるのだった。




