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人類アンチ種族神  作者: 緑茶
人類アンチ種族神V
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人類アンチ種族神Ⅴ《ターニングポイント①》

この作品はフィクションです。実在の人物や団体などとは一切関係ありません。

大荻山おおぎやま剛三郎ごうざぶろうとベルガン・サーチが死闘を繰り広げていたころ、埼玉に避難したR連隊研究室では

偵察ドローンが撮影したリアルタイムの映像が、中央にある大型モニターに投影されていた。


それを、R連隊のUFB研究室の室長、変人研究者篠原しのはら涼音すずねはドローンを通して興味深く観察していた。


同席するのはR連隊隊長、足立あだち昭介しょうすけ仲原なかばらかおり三佐、そして防衛大臣の大仲おおなか晴彦はるひこである。



同席した彼らは饒舌に解析する篠原に驚愕していた。


篠原は足立に向かって様々な情報を語っていく


「あは!みてぇ!あの戦車ー!あれは既存のデータにはないですねぇ。あ!でもハッチの形状や装甲の傾向から、タラメアの戦車ですねぇーうわー。かっこいいですねぇ。無駄に大きくて重量があるあたり痺れますぅ」


大仲はこの一言でも血の気が引く


「ばかな!何で他国の戦車が東京の地下にあるんだ!」


篠原は大仲を視界の外でとらえながら、淡々と大仲に説明する。


「大臣。そんなの、あのシェルターにいる大荻山がタラメアとつながっていて、両者の信頼の証として売買されたのでしょう。自衛隊のデータベースにない車両なので、おそらく噂の24シリーズでしょう。車両上部に副砲を備えたオプション兵器が付いています。拡張性の高い戦車型新兵器。YA-24?みたいな名前じゃないですか?だとすれば、後ろにいる装甲車はYA-24とリンク可能な新兵器。装甲車タイプなのでDD-24ということです」


大仲は信じられないという面持ちで一言。


「YA-24、DD-24、大きな声では言えないが防衛相の情報機関が最近入手した呼称。なぜ・・・それを?」


篠原の意識は映像に戻り、大仲の質問は聞こえていない。すぐに足立への語り掛けに戻る。


「足立たいちょぉー!見てくださぁい!この副砲、UFBの行動を先読みして発砲してますぅ。このセンサーとしてドローンを飛ばして立体的に演算してるんですよぉ。なかなかの予測性能なのでぇ、I社製のCPU(P200)、メモリは1024GBといったところでしょうかぁ」


足立への言葉に大仲が反応してしまう。


「数秒の映像からスペックまで?いや、あってるのか?いや、分かったところで役に立つのか?」


篠原が面倒臭そうに答える


「大臣。あのですね。この子のCPUとメモリが分かれば、性能限界が分かります。性能限界が分かれば、それを超えてやれば異常を起こせます」


元自衛官の大仲大臣だったが、それでも飲み込めていない様子。

しぶしぶ篠原は解説する。


「大臣。えっと。この子はメモリは多く積んでいますが、CPUとのバランスは良くないです。多くのメモリを活かすためにはI社製よりもN社製のCPUが向いています。政治的にI社を選ばざるを得ないのでしょう。ここが弱点で、意図的に再計算を強要すれば折角のメモリも活かしきれずに頭脳が追いつかないのです」


見かねた足立が補足する。


「戦術としては陣形を連続的に変えたり、敵の知らない兵器や作戦を織り交ぜることで簡単に性能限界に達します。そうなれば処理速度が落ちて命中精度や照準速度が壊滅的に落ちます。対ドローン用の兵器でこの弱点は致命的。と篠原は言っております」



「なるほど!」


大仲と仲原三佐が同時に声を上げ、気まずい空気が流れる。


そんなことには興味がないのか、刻々と変化する大荻山と神の兵との戦闘に篠原の解説は止まらない。


「このUFBの特攻隊長くんは、別人?いや、サーチちゃんとの連携や行動の癖をみていると同一?身体能力が全然違ってるじゃない!うっはー!パワーよりも速度、柔軟性を上げてきたかんじぃ!面白ーい!」


今度は足立が即座に反応する


「能力が変わってる?どういうことだ?」


篠原は足立に体を寄せて説明する


「えっとですねぇ~。今まではぁパワーがあるもののぉ筋肉が硬いのでぇ一瞬だけ力をタメるような動きでしたぁ。でもぉ、いまのこの子はぁほらぁ移動もしなやかでぇ、加速力や機動力が1.5倍くらいになってますぅ」


「1.5倍、ただでさえ速いのに……」


足立の反応をみて篠原はさらに続ける。


「あは!サーチちゃん!きれいですねー!あの白いのがこの前、特攻隊長君を助けた防御膜ですねー!頑丈そうですが、一度消してしまうと再展開に時間がかかりますねぇ50秒位ですかぁ。あとぉ、あの防御膜はぁ長時間展開出来ないようですねぇ」


ここぞとばかりに仲原三佐が切り込んでいく


「いや、あの白いやつは上空で展開してから、一度も切れてないじゃないか!」


「・・・・」


「答えろ。私は一応三佐だぞ!」


「はいはい。よく見てください。確かに、展開していますが明らかに強弱あります。格闘技のガードと同じでダメージを受ける寸前に硬化して、安全なときは力が抜けています。ほら、彼をかばって後ろから直撃されたとき、貫通してますよね。あれは意識が彼に向いていてシールドが不完全だった証拠でしょう」


そういうと、すぐに足立の方に振り向いて話しと口調を戻す。


「それでぇ、あの防御膜ですがぁサーチちゃんの反応からぁ、ある程度の光、音、電波は通すみたいですぅ。あとぉ、映像から煙も一部貫通してますぅ。なのでぇ、あれは先に可燃性のガス系をぶつけてぇ引火させれば内部で大爆発。余裕で対応できそうですぅー」


足立の声が漏れる。


「すごい。リアルタイムで映像をみながら、ここまでわかるのか・・・?この子には一体どれだけの情報が見えているんだ・・・」


同じく大仲も言葉も出なかった。


戦いが凄惨な結果でおわり、一瞬の沈黙をやぶり一人の官僚がやってきた。


「大仲大臣!!緊急事態です!」

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