煙草を吸わない愛煙家、異世界で生活①
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煙草を吸わない愛煙家、異世界で生活①
用意してもらった部屋でリラックスをしていた俺は窓を開け女神様から頂いた袋から巻物を取り出し火をつけ吸い込んでいる最中であった。
「すぅ〜〜〜....はぁ〜〜〜」
大きく深呼吸するように吸い込み肺に溜めそして吐き出す。最上級の味と濃さに喰らいつつ異世界の景色を堪能している。
「いや〜異世界で吸うコレは格別やな。マジで女神様に感謝」
女神様から頂いた袋から1日3つのアイテムが召喚できる事を俺はこれからログインボーナスと呼ぼうと心に密かに誓ったのだった。
全てを吸いきった俺はこれからどうしようかと考えていた。異世界にきてまだ1日、分からない事だらけのこの状況で街に出掛けるというのもどうなのかと考えていた。知らない世界で知らない王国、気持ちよくなっているこの状況勘ぐらないとも言いきれない。
ぐぅ〜〜
「何か、お腹空いできたなぁ」
起きてから何も口にしていなかった俺は大きく腹を鳴らした。しかし、それを解決する方法は無いかと思ったいた矢先扉の方から気配を感じる。
コンコンッ
「はーい!」
ノックの音を聞き返事をする。すると扉が開き1人の女性が部屋に入ってきた。
「はじめまして使徒様。これからこの国にいる間身の回りのお世話をさせて頂くデリリル・レティと申します。よろしくお願い致します。」
どこか紫ががった様な黒髪ショートカットの女性。身長は俺くらいか少し低い位だろうか?戦う為に動きやすく作られたメイドぽっい服を纏い膝まづいて挨拶してくれた。
「俺は北下 定よろしくです。」
挨拶を済ませるとデリリルは部屋の中をクンクンと嗅ぎ不思議そうにしていた。
「使徒様、この雑草の様な不思議な匂いは何でしょうか?こちらの不備ならスグに別のお部屋をご用意させますが」
「いや、これは俺の所為だから気にしないで下さい。」
「そうですか、畏まりました。」
デリリルは素直に答え何事も無かったかのようにさっきまでと同じ姿勢に戻った。
「デリリルさん、俺お腹空いたんですけど どうにかなりまさんかね?」
「でしたらご用意も可能です。街に出掛けるのでしたら案内も出来ますがどうなさいますか?」
「そんな、至れり尽くせりでいいんすかね」
「使徒様ですので。」
使徒というのは凄いんだなと改めて実感する。逆に知らない土地でここまでされると怪しいったらありゃしない。勘ぐってるのもあるだろうが少し怖い。
「如何なさいますか?」
デリリルが尋ねてくる。と、その時だった。
ギィィギャアァァァーキューーン!!!
機械のような生き物の声が王国全土に鳴り響く。部屋の窓は震え部屋が建物ごと揺れる。
「な、なになに!?」
俺はそのタダならぬ気配と現状に慌てふためいていた。何かが近付いて来ている。
「使徒様!ここを急ぎ離れましょう!どうやら魔竜:クリスタル・ドラゴンがこの王国に向かってきているようです!」
「魔竜?クリスタル・ドラゴン?何なんですかそれ」
「魔を喰らう竜です。大きな魔力が集まっている所にごく稀に姿を現す厄災です。恐らくは使徒様の魔力にあてられてここに来たのでしょう。」
「マジかよ...じゃあ、俺が目当ってことですか?」
「はい、しかしそれに付随してこの王国の魔法使い達を標的になるでしょう。」
そんな会話をしていると
ドンドンドンッ!
「失礼します!使徒様!お急ぎここより避難を!」
勢いよく扉が開きアルベルトが焦り気味に俺の部屋に飛び込んできた。当然町中は大騒ぎで市民達は避難を始めているらしい。
「この国は危険です!最悪このまま滅びるでしょう」
昨日にこの世界にやってきて今日来たばかりの国がどうやら滅びるらしい。いや、そんな事が見過ごせるだろうか?しかもそれが俺の所為かもしれないという。こらはほっとく訳には行かない。
「いや、アルベルトさん!これは、ほっとけないんで俺行きますよ!」
そう言うと俺は勢いよく窓をバンッと開けアルベルトと デリリルの静止を振り切り空に向かって飛んで行くのだった。
街中は騒然としている。正に阿鼻叫喚の嵐でこの世の終わりを見ているようだった。俺はそんな様子を見つつ大きな魔力と気配の方に向けて飛んでいく。
「アレやんな多分。デカすぎやろ流石に...」
前方に見える青白く光る決勝のような竜。鉱石では無く肌そのものがクリスタルの様に光りを放っている。
ギィィギャアァァァーキューーン!!!
大きさは山ほどあるだろうか。その竜が生み出す影が大きさを物語る。俺はその竜に向い飛んでいく。近付けば近付く程その恐ろしさと禍々しさが伝わってくる。綺麗に見えていたものが嘘のようにどす黒く凶暴に見える、その鳴き声は大気を震わせ空を突き破る勢いだ。
「まだ、異世界来て2日目にこれはちょっと予想外やな」
俺は恐怖していた。何せつい最近までただのサラリーマンだったのに気付けば死んで異世界転生して今は竜と戦おうししてる。それは無理がある話しだ。でも、ほっとけないと思ったし正直負けるとと思ってないからここに来た、
「さぁ、どこまでやれるか試してみよか」
俺が1人でそう呟くくと同時に竜の周りに大きな電撃の塊が5つ6つと形成されていき、次の瞬間その電撃は俺を通り過ぎ背後の王国に向け放たれるのであった。