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煙草を吸わない愛煙家、空を行く①

煙草を吸わない愛煙家、空を行く①






王国を飛び立ち空を行く事にした俺達はあれから家にいる「鐘」の人達に状況説明するべくお菓子を食べながら談笑した。皆最初は驚き戸惑っていたが全員で空を旅すると聞きわかりやすくハシャいでいた。結局行く宛ても無いのでその日は一旦眠りに着き次の日に改めて話し合う事にしたのだ。


~次の日~


「ジョウ、でははじめましょう。」


「おっけ〜い」


改めて話し合いの場を設けた俺達は空の見えるようになった庭でレジャーシートを引いて全員で座っていた。時計回りに巻物を回しながら今この景色を拝んでいる。


「見ての通り今は結構高めの空の上に俺達は居るんだけど、、」


「はい、これはジョウの魔法で浮いているのですよね?」


「凄い!流石ジョウ様!」


リリルカは昨日から大はしゃぎだ。明るい時は雲の海が広がり夜になれば星の海が視界を一面に彩る。昨日の夜も実は皆んなで星を見ながらチルしたのだ。


「こんな魔法見たことも聞いた事もありません。流石はジョウ様です」


「古代魔法と神代魔法使えるのが正直エグいよな笑もっと色んな事試さんとな!」


「それはそうと。」


デリリルがそう切り込む。


「これからどういたしましょう?」


「うん、そやんな」


今日の話し合いは俺達が何処に行くのかを決めるために設けた。だが俺はこの世界の事を俺は全く知らない、その為「鐘」の皆んなに意見を貰うべく全員に集まってもらったのだ。


「正直、俺はこの世界の事を知らへんからみんなに聞きたかってんな」


「そうですね。ですがこの移動方法なら一緒に雲と漂ったままでも良いかもしれませんよ?買い出しもジョウが作ってくれた扉があればいつでも街に行くことも出来ますし。」


「確かにそうなんよな〜」


「あの」


1人が手を挙げる。この人は7番隊隊長のアミュルさんだ。いつもはあまり発言しないが今日はチルしているのもあり饒舌になっているのかもしれない。


「どうしたんですか、アミュルさん?」


「私、実は憧れというか夢がありまして、、」


「夢?ですか?気になる!何なんですか?その夢というのは?」


「あれだよね!アミュル!空に浮かぶ大陸!」


「うん、リリルカ。ジョウ様私は空にあると言われている幻の大陸”スカイドラグーン”に行くのが子供の頃からの夢でした。」


「え!空に浮かぶ大陸があるんですか!」


「はい、伝説のドラゴンの背中に広がると言われる御伽話に出てくるような存在しているかも分からない大陸ですが、、」


「めちゃおもろそうやん!」


「私の先祖はそのスカイドラグーンに行ったことがあると小さい頃から両親に聞かされ育ちました。ですがこの世界で空を飛ぶ術は存在しません。どの様にして私の先祖がその地に行ったのかは分かりませんが、この今の状況。私は運命だと感じました。なのでどうかスカイドラグーンに、、」


「行きましょ!!絶対行きたい!見てみたい!」


「ですが、ジョウ」


「ん?」


「そのスカイドラグーンが何処に存在しているかわかりません。」


「え?当てはないんですか?アミュルさん」


「は、はい。実は何の記録も情報も何もなくて、、」


「まぁ、でもそっちの方が冒険ぽくて楽しそうやん!笑気ままに行こうぜ!」


「確かにそうですが、、」


「???」


皆んなの反応があまり良くないのを感じる。やはり有耶無耶に放浪するのは悪手なのだろうか。


「ジョウ、実は。」


デリリルが神妙な面持ちで俺に声をかける。


「空というのは所謂”龍”の領域なんです。この前ジョウが倒した魔竜も本来は空に生息している生物なんです。このまま空を漂うという事はその支配者達と相見える可能性もあるという事。しかもスカイドラグーンという大陸は龍達の住まう場所とも言われています、別名龍の巣。」


「龍の巣、、、」


この世界には支配者という名の超生物が存在するらしい。これは魔物だったり魔族だったりはたまた人だったり。そして空の支配者が龍という事らしい。それと龍と竜の違いは人に危害を意思を持って襲うか襲わないかだけらしくちゃんとした違いは無いらしい。因みにドラゴンとは()達の完全上位存在であり生物ではなく現象や概念に近いものらしい。スカイドラグーンの場合大陸という事だ。


「なるほどな〜。でも認識阻害とかあるし何とかなるとは思うんやけど、、」


「そうですね、この魔法は凄いです。家に居た人間が浮いた事に気付かないなんて普通あり得ません。しかし、獣に近い彼らは、」


「本能で分かるかもって?」


「はい」


「なるほどな〜」


確かにリスクだ。しかしそれは今に始まった事では無い気がする。結局王国に居続けるのもリスクだっただろうし異世界人の俺からしたらこの世界の全てが未知で危険だ。つまり何処に行こうが関係ないのだ。


「まぁ、それならやっぱりこのまま放流しよ!ほんで空の大陸が見つかればそれで良いし!どうせ行く宛も無いんやし!」


「ジョウがそう言うなら仕方ありません。空の旅と行きましょう。」


「は〜い!!大賛成!!」


「ジョウ様!ありがとうございます!」


「じゃ、いざ行かん!!”スカイドラグーン”!」


俺達は今日初めて目的地を決め旅に出る。しかもそれは晴れ渡る空と雲に覆われた最高の景色だ。正に魔法であり正に異世界な冒険である。ここから新たな生活がまた始まる。


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