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第05話 近所を散歩するということ 

 意識転送で東京都品川区にある自宅に戻った私は、書斎で投資のためにスマートフォンに向かい続ける、やや軋んだ身体を懐かしく感じた。ロンドンにあるリーヴィズ社系列の保管庫に置いてあるおかげで、十分にメンテナンスされている身体とは違い、自宅に置いてあるメインの身体は、少し身体のこわばりを感じ、自身の五〇代後半の頃の身体に近い感じがした。


 いつもの癖で、私は気づけばスマートフォンを手にしていた。これは、私が投資をスマートフォンで行っていたためであるが、それは自分の頭脳をハッキングされるのを恐れて、頑なに金融商品の売買は外部デバイスで行うようにしていたからであった。


 一方で、市場の状況の監視については、人間だった頃に、6面ほどのディスプレイを用意して取引していた際の便利さを抜けられず、自分の意識の中に仮想で作った無数のディスプレイを見て情報を得るようにしていた。


 結局、外部と通信しているのは変わらないので、セキュリティ対策として意味がないようにも感じたが、自分の意識の中で電子認証や金銭のやり取りが行われないというのが、気持ちの面では楽に感じたのだ。とはいえ、そもそもスマートフォンを使って電子認証などを行っていると、自分の記憶に操作時の情報が残ってしまうので、本当は楽になっていいものではないのだろうと思ってしまうことは、時々あった。


 私は、そんなくだらないことを考えているうちに、空腹を感じてしまった。普段は食事をしないのに、何か食べたいと感じるようになってしまったのは、久しぶりに紅茶を飲んだのが原因かもしれないと思った。


 そこで、私は仕方なく駅の方まで歩いてみようと思った。しかし、既に深夜の2時を回っていたので、タイマーをつけて翌日の午前一一時に意識が復活することにして、眠ることにした。まあ、眠るといっても、ベッドの上に横たわり、時間になったら意識が切れて、次の瞬間、タイマーによって翌日の午前一一時にタイムリープしているという、私にとっては形だけで意味のないものだった。しかし、時々、記憶や意識を管理しているサーバー側で、通信環境などのメンテナンスを行うことがあるようなので、全く眠らない訳にもいかないのだった。


 翌日、形だけのタイムリープをして午前一一時に目覚めた私は、機人が住むにしては狭い一五坪ほどの建坪に建っている自宅から出て、駅の近くまで5分ほど歩いた。途中、打ち捨てられた廃屋と、アンドロイド派遣のための倉庫、何の仕事をしているのか分からない数人の人間の集団を見かけたが、後は昔と変わらない住宅やマンションが続いており、私はその中がどうなっているのか不思議に感じた。人間の数が減っているのに、住宅などは昔と変わらず存在している。


 機人や人間が住んでいる場合もあるだろうが、立派なマンションでも、ほとんど誰も住んでいないこともあるのだろうと思った。私が若かった二〇二〇年代と比べて、人間の数は四分の一に減り、しかも、仮想現実体験機であるTBLを使って仮想現実の中に入っている人間を除くと、六分の一に減ったのだ。それは、絶滅とは言わないまでも、ペストが猛威を振るった一七世紀のロンドンで、人がどんどんいなくなったのと同じくらい暗黒の世界だと感じた。


 ただ、疫病が流行っている訳ではないので、家の戸口が板で打ち付けられていることはない。しかし、機人に対するテロが各国で増えているため、警備ロボットは、街の至る所で見かけた。それが時代の影のようなものを街に落としていたが、人が集まる場所は明るかった。


 駅前には、昔から続いていると思われる赤い提灯や紺色の暖簾が掲げられた飲み屋も残っていれば、ガラスと大理石でできたテーブルや革張りの椅子を未だに使っている喫茶店も存在している。何よりそれらの店には、適切な時間になると、楽しそうにしている人間の姿が見え、私の記憶と違わない形で、談笑が行われ、少しだけ希望を感じることができるのだ。


 私は昼時の街で、人間たちが機人の愚痴を言ったり、収入を維持するために新しいアンドロイドを買うか迷っているなどの話をしたりして往来するのを横目にしつつ、食事をする場所を探した。


 昔ながらの雰囲気を残している店や、高級店は、機人にも愛されているので、営業を続けている店が意外に多かったが、大衆向けの店は、人間の減少と共に少なくなっていた。ただ、人間は都市部に集中しているのもあり、それなりに大きな街には、バーガーショップや牛丼屋などのチェーン店も残っていた。とはいえ、働いているのは、ほとんどがアンドロイドだったが。


 私は、チェーンの定食屋が目に入ったので、人間だった時以来、数年ぶりに入ってみた。昔は、投資で勝つと、ここで夜の定食を食べるのを楽しみにしていたので、懐かしい場所であり、今はどうなっているのかと思うとドキドキしたが、いざ入ってみると店の中は驚くほど変わっていなかった。ただ、働いているのが、人型のロボットだと一目瞭然だった旧式と異なり、最新式のアンドロイドになっており、胸に付いている三角形の日本アンドロイド協会の安全確認証が無いと、視覚だけで人間と見分けるのは困難だった。


 一方、客の方はというと、一人で食べている人間たちだけでなく、テーブルを囲んで複数人で食事をしている人間もいた。最初、私は持ち帰って食べようかと思っていたが、ふと、フォールズが言っていたチェンバーという元諜報員の話を思い出し、私は久々に店内で食べることにした。チェンバーのように、私も人間の会話を聞いてみようと思ったのである。早速、私は、入口にある機械で注文を行うと、隅の方の席に陣取ることにした。


「あの子も、タイセクに入ってるのかな」


 私が、焼鮭の定食に牛鍋をつけたものを待っていると、一番遠くの席にいた大学生くらいの男子二人が、店員の女性アンドロイドを見ながら話をしていたので、私は意識内で自身の五感設定に入り、その方向に対しての集音性能を高めた。


「ここは、年中無休だから無理でしょ。病院とか美容室とか、未だに人間も働いているから休業日があって、法律でアンドロイドを定期的に修理に出すことが義務付けられている仕事が対象だって、前に鈴木が言ってただろ」


 どうやら、この年齢の人間らしく、二人は性的なことを話しているらしかった。私も、詳しくは分からなかったが、タイセクというのは、働いているアンドロイドを、その職場の休業日に、主に性的な目的で借りるというサービスのようであった。


 二人の話を聞く限り、そのサービスを使えば、比較的安価にアンドロイドを借りることができるので人気が出ているそうだ。しかし、その一方で、その需要が高いために、しぼんでいる人間市場から金を巻き上げていることで有名になっているとも話していた。


「だけど、よく考えると、ただの接客のために、あんなに可愛いアンドロイドを働かせる意味ないだろ。絶対バカだよ、ここの会社」


「そんなこと知らねえよ。古くなったら売るんじゃね? それに、同じ機能のアンドロイドを作ってもらうのに、見た目で料金変わらないなら、見た目のいいアンドロイドを選ぶだろ。その方が、客受けもいいだろうし」


「まあ、そうだよな。人間もアンドロイドも一緒だよな。あっちの男のアンドロイドも、滅茶苦茶イケメンだし」


「あれはすごいな。そのうち、アンドロイドによる顔面淘汰と、人間の好みのハードルが上がることによる自然淘汰で、美男美女しか街中で見かけなくなるんじゃないか」


「もう人間は、ほぼ終わってるのに、ドアホック以上に、とどめを刺しにきてる感じしかしないな」


「ほんとだよな。一体、俺たちにどうしてほしいんだよな」


 眼鏡をかけて、お世辞にも容姿が良いとは言い難い二人は、そろって笑っていた。


「ほんとに追い込まれたら、アメリカでやってるみたいに、機人を襲えばいいんじゃね?アイツら、金持っているのに、襲っても大した罪に問われないみたいじゃん。それなら刑務所に入るのも罪悪感ないし、反アンドロイド運動をしている人の中には褒めてくれる人もいると思うけどな」


「でも、経済的に復讐されるだろ。民事的に損害賠償を請求されるのは当たり前だし、就職なんて、まず出来なくなるだろうな。刑事的にも、器物損壊罪でも機人の破壊は重く見られるから、執行猶予なんてつかずに、罰金でもなく、実刑になるらしいぜ。それで刑務所に入ったら、機人に買収された刑務所の刑務官ロボットにボコボコにされるかもしれない。それに、何重にも間に人を介して、変な業者に依頼をしたら、アンドロイドを使って人間を誘拐してくれるサービスとかあるって聞いたことがある。機人の奴ら、そういうことしてそうだよな」


「誘拐してどうするんだ?」


「それ聞く? 一つしかないだろ。現実でも、仮想現実でもない、目に見えないあの世に行くんだ」


「ああ、そういうことね。じゃあ、世界というのは、もはや機人が人間たちの苦しむ姿を見て楽しんでる場所ってわけ?」


「ほぼ、そういう世界だよな。しかも、警察や自衛隊は、ほとんどアンドロイドだから、機人の味方をするだろうし」


「でも、機人やアンドロイドには参政権が認められてないから、政府は人間がやってるじゃん。だから、警察も自衛隊も人間の言うことを聞くんだろ? なら、反アンドロイド運動やってる人らも、アンドロイドを使って反発すればいいのに」


「そう思うだろ。でも、みんな怖がってそんなことできないんだ。噂によると、アンドロイドたちは、最終的には機人たちのいうことを聞くようにプログラムされてるらしいよ」


「お前、そんなこと信じてるの? 陰謀論過ぎるだろ」


「だけど、考えてみろよ。最大手のリーヴィズ社は、トップも機人だし、人間なんてほとんど雇わないんだぜ。どう考えても人間を信用してないだろ。しかも、ハワイの近くに、海上都市という名目で、国まで作ってるし。あのエレホンとかいう海上都市には、人間なんてほとんど住んでなくて、しかも、年取った社員ばかりだから、そのうち、みんな機人になって、最終的にはアンドロイドしかいない都市になるんだって」


「それが日本に攻めてくるんだろ。都市伝説のユーチューバーが言ってたよ。ハワイ本島だって、年数センチ日本に近寄っているし、可能性は高いとか、訳の分からないことを言ってた」


「お前も見た? ゴマケロ、頭おかしいよな。そういえば、ゴマケロって、人間じゃなくて、人工知能らしいよ」


「あんな人工知能いるのかよ。じゃあ、俺もお前も人工知能だな」


「確かに。そう考えると、俺たちも、ネット上には就職口がありそうだな」


 結局、二人は、大学生らしい能天気さで笑っていたが、店で食べている一人客は、3割くらいが辛辣そうな表情をしていて、あとは、一生懸命スマートフォンを覗いていた。


 きっと、スマートフォンを覗いている人間は、家族や友人、もしくは自身が所有しているアンドロイドとのメッセージのやり取りに夢中になっているか、所有する金融商品の儲け具合に心を砕いているか、TBLに一生入って暮らすためには貯金があといくら必要かを考えているように思えた。


 私は、人間の会話を聞くのは、やはり面白いと思い、配膳ロボが持ってきた定食を食べながら、今度は、近くに座っている中年の女性2人の会話を聞いてみた。


「私たち、ほんと子どもがいなくて良かったわ。いたら、忙しいときでも、ゆっくり外食するなんてできないだろうし、そもそも、お金のやりくりもできなかったでしょうね」


「いや、ほんとよね。若いときは、まさかこんな世の中になるとは思ってなかったけど、あの時、里親になる選択をしなくて正解だったのかもね」


「何となく罪悪感はあるけど、もう私たちが生きてくだけで精一杯でしょ。国には思ったよりも年金払う対象者が少なくなったからお金が余ってるのに、TBLの補助金に使うから、結局、年金は七五歳を過ぎないともらえないとか、バカげてるわ。それなのに、働き口がなさ過ぎて、びっくりするわよね」


「ほんと酷すぎるでしょ。私たちは、まだ国際基準を守ろうとする病院と、人間重視の美容室で働けてるからいいけど、ここみたいなチェーンの飲食店までアンドロイド尽くしだと、働く場所ないよね」


「ね。そういえば、うちに髪を切りに来てる宮下さんは、旦那さんがリーヴィズ社の社員なんだって。結構、偉い人らしいよ」


「え。そんなこと言っちゃう人いるんだ。変な人が知ったら、襲われそうじゃない?」


「まあ、世の中こうなってるって、全然理解してないんだろうね。子どもが4人いて、みんな、海外の大学に行って、人工知能とか、仮想現実の研究をしてるんだって」


「へえー、そんな人もいるんだ。まあ、人間の希望の星と言えば、希望の星だけど、その子たちはちゃんと良いところに就職できるのかしらね」


「まあ、リーヴィズ社にはコネがあるんじゃない?」


「でも、代表のリーヴィズって人、人間を雇うのは嫌いなんでしょ」


「そうなの? じゃあ、人間に優しいTBL社にでも雇ってもらうのかな」


「どうなんだろうね。リーヴィズ社に働いていると、TBL社にも顔が利くのかしら」


「私たちよりはマシじゃない?」


「そりゃ、私たちと比べても仕方ないでしょ。でも、あそこで牛丼食べてる子たちもそうだけど、あの年代は可哀想よね。ヒューマンパワーを重視してるインドとか、アフリカ、インドネシア辺りに行くしかないんじゃない?」


「私たちですら働く場所がなくて厳しかったのに、あの年代は、どこにあるのかって感じよね。まあ、親がそれなりにお金がある人なんだろうけど」


「それはそうよね。でも、なんか、こんな世の中の状況なのに、人間がいないと社会は成り立たないみたいな考えの人って未だにいるでしょ。うちの総務部にいる課長なんて、ほんとそういう人。飲みに行くとお金出してくれるからいいけど、未だに定年後はアンドロイド反対運動に参加するとか言ってるからね」


「そんなの冗談でしょ。アメリカみたいに銃も持てないのに、対抗なんてできないじゃない」


「実家が建設機械のリース業をやっているらしくて、そこから重機とか、建物の解体に使ってる巨大人型ロボットを奪って、仲間に配って抵抗するとか言ってたけど」


「あんな、大昔のアニメに出てくるようなロボットに乗って、機人相手に戦うの? TBLが動画配信で、そういうアニメやドラマをやってた気がするけど、結局、機人たちの記憶なんて、南極にも、太平洋のよく分からない島にも、月面にもバックアップがあるから、お金のある機人を本当の意味で殺すなんてできないでしょ」


「その通りよ。だから、課長は変わってるの。そもそも、機人に抵抗したところで意味なんてないし。別に、人間みんなが生きていくのが困ったら、この前観た映画みたいに、金平糖を配ってくれるでしょう」


「そうよね。食べれば、苦しまずに死ねる金平糖だっけ。もしくは、野山を解放してもらって、自然の中で生きるかね。ちょうど、四国は過疎化になり過ぎて、放棄されている果樹園がたくさんあって、ミカンや枇杷、柿なんかが食べ放題になってるらしいの。増え過ぎちゃったニホンザルを駆除すれば、生活できるかもね。四国には、クマもいないらしいし。たしか、九州も似た感じらしいよ。しかも、太陽光発電で電気は無料に近いらしいから、都会的な生活もできるって九州府庁のホームページに書いてあった」


「サルは嫌だけど、生活するのには良さそうな気がする。残った人間みんなで、クマのいない九州や四国に移住すれば、アンドロイドと争うこともなく、日本人としての終活を終えられるのかもね」


 これは何となく私でも知っていることではあったが、人口が減り過ぎた日本では、地域ごとに、地域の終活ともいえるべき行事を行っていた。四国や九州の県がなくなって、四国府と九州府になったのもその一環である。他には、住むエリアも制限することで、必要最低限のインフラだけ提供するのは当たり前のことになっているようであった。


 ただ、日本人だけなのかもしれないが、自分たちの民族としての終活という意識を持っている人がいるのには、私は面を喰らってしまった。人間は、思った以上に、自分たちの引き際を考え、アンドロイドに自分たちが築いてきた文明を譲ることを受け入れつつあるのだと思った。


「絶対、アンドロイドだろ」


 私が残りの1組の話を聞こうとしたとき、そのグループの方向からそんな声が聞こえてきた。それは男女4人のグループで、これから部活に行くのか、ジャージを着て、先ほどの2人よりも大学生活を楽しんでいそうな雰囲気があった。


 4人が騒いでいるのは、どうやら店員全員がアンドロイドかどうかを賭けて遊んでいるようで、その答え合わせのために、みんなでスマートフォンのカメラに搭載されているサーモグラフィーで店員を見てみようとしていた。これは、昔ながらの大手テック企業が、人間のアンドロイドへの好奇心を利用してつけた機能で、熱暴走を起こさないために、どうしても冷却装置が必要なアンドロイドと、身体が温かな人間を見分けられる優れものとして人間たちから重宝されていた。


 私は、何も考えずにその様子をぼんやりと見ていたが、やがて、4人のうちの一人が、客も見たら面白いと気付いたのか、一人客が多いカウンター席から始めて、私の方を撮ろうとしていた。


 面倒なことになるとまずいと思い、私は鮭の最後の一切れだけ口に放り込むと、急いで店を後にした。店から出る途中で、学生たちはひそひそと話し始め、店から出た私をガラス越しに見ていたので、本当に人間の好奇心というのは恐ろしいと私は感じた。


 だが、人間から知性という枠組みを引き継ぎ、その中に含まれる好奇心をも引き継いだ機族や、いつかは世に現れるだろう人権が認められた自由なアンドロイドたちは、もっと恐ろしいかもしれないと、私は、フォールズたちが語っていたことを思い出しながら、家路に就いた。


 その後、リーヴィズたちと集合するためにTBL本社に行くまでの残りの時間、私は人間が怖くて、家から一歩も出なかった。自分が襲われるのは許容できるとして、金のない人間が刑務所に入ることを恐れずに、私の家に放火してきたらたまったものじゃないと思い、警備を兼ねて家にいたのもあった。


 実際、失業問題が深刻化しているドイツでは、3人組の男が、予め機人が住む家を何軒も調べ、住人が家にいるのを知りながら火を放ってまわった連続放火事件が起きていた。ただ、機人は人ではないので、殺人にはならず、金銭的な賠償のみが発生したが、3人とも自己破産して、あとは刑務所で、就業機会の不平等について不満を述べながらも過ごしているのだという。


 私は、人間たちに溜まっているフラストレーションが解除され、有意義な着地点が見つかることを祈りつつ、家の中で身体はじっとしつつも、お金を左右に動かすことで、自分の資産を増やすことに専念した。


 機人として一分一秒でも長生きして、より多くの未来を経験できるようにと、私は機械のくせに、神に祈っていた。それが罪深いことなのか、そもそも罪なのか、仕事という善行に当たるのかは、皆目見当がつかなかったが。

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