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除霊の代金は体で支払ってもらうので気にしないでください  作者: 釧路太郎
離島編

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第一話 鵜崎真白と離島の子供

 真白先生は長時間船に乗っていた影響なのだろうか、少しだけ脚元がふらついていて体も少しだけゆっくりと揺れていたのだった。

 私にはあまり時間の感覚は無いのだけれど、真白先生と一緒に船に乗って三日くらいは時間が過ぎているんだとは思う。真白先生もそんな事を言っていたような気もするのであとで調べてみよう。

 スマホを取り出して何かを確認している真白先生ではあるが、真白先生が望むような結果になることは無かったようだ。

「とりあえず、電話で教えてもらった場所に向かってみることにしようか」

『それもいいと思いますけど、ここで待ってた方が良くないですか。いくら地図があるからと言って知らない場所をさまようのってあんまりいい事じゃないと思いますよ』

「そうかもしれないけどさ、ここで待ってても何も変わらないと思うんだよな。船の上からもここに降り立ってからもずっと電話はしてるんだけどさ、話し中で出てもらえないんだよな。もしかしたら、今日俺がここに来るのって忘れられたりしてないよな?」

『どうでしょうね。真白先生を迎えに来る人がいないってのも気になりますけど、それよりもあそこにある島が私は気になりますよ」

 真白先生は意図的にあの島から意図的に目を逸らしていたのかわからないが、私が島に向かって指を刺した後の真白先生の表情はっ少し困惑しているようにも見えていた。

 他の島と比べても一回りか二回りほど小さい島なのだが、島のいたるところに鳥居がある事と、その島にある船着き場に立って私達の事をじっと見ている女性の存在が気になってしまっていた。


「すいません。お待たせしちゃいました。鵜崎真白先生ですよね?」

「はい、私がこちらに呼ばれてやってきました鵜崎真白です」

『私は真白先生の助手です。どうせあなたには何も聞こえていないと思うんですけど、挨拶は基本ですからね。私の声が聞こえていないとしても、私は最低限の礼儀だけは守るように心に誓ってるんですよ』

 当然のように私の声がこの子に届くことは無かったのだが、どうもこの子の目があこがれの人に出会った乙女みたいで気に入らない。何となくだが、私はこの子があまり好きではないような気もしていた。好き嫌いは良くないのだけどね。

「申し遅れましたが、僕は藤島忍と言います。じいちゃんがちょっと腰を痛めてしまったので代理でお迎えにやってきました。ただ、僕は車の運転が出来ないので歩いて家まで行くことになるんですけど、鵜崎先生はお疲れだったりしますか?」

「移動は船に乗っていただけなんで疲れてるかと聞かれるとそうでもないんだけど、ちょっとまだ揺れているような気がしているんでちょっと歩くのは時間がかかっちゃうかも」

「僕も似たような経験があるからわかりますけど、太陽が沈む前に家に入った方が良いので少しだけ急いでもらってもいいですか?」

 忍ちゃんは真白先生の荷物をいくつか手に持つと、私たちから逃げているのかなと思うくらいのスピードで先へと進んでいっていた。この場所がそんなに悪い場所とも思えないのだ。そもそも、この島に来てから一度も幽霊の姿を見ていないというのは変に思えた。人間が極端に少ない場所というものは島に限らずあるのだけれど、どんな場所だったとしても幽霊さんが一人や二人。少なくとも私の前にやってくるはずなのだ。

 だが、この島にはそもそも生命反応が弱すぎるのだ。その辺に生えている草からは生命力を感じることも出来るのだが、幽霊の姿も人間の姿も私には見当たらないのであった。港なので小さな魚や岸壁に貝が張り付いていたり小さなカニが顔をのぞかせていたりもしていた。

「それにしても、あの子は足が速いな。俺の荷物を持ってくれているっていうのに、ほぼ手ぶらになった俺よりも速いじゃないか」

『本当ですよね。真白先生だって足が遅い方じゃなかったと思いますし』

「それとさ、あの子は誰もいないこの港から早く帰りたいって思ってるように見えるんだよな」

『そうですね。あんなに急いでいく必要もないと思いますし、それに私の存在には気付いていないみたいです。まあ、気付かないのが普通なんですけどね。このカニみたいに私を警戒しているのって、普通の人じゃありえない事でもありますからね。ちょっと気になったんですけど、このカニを餌にしたら何か釣れたりするのかな?』

「カニを餌にして釣りをするってのはテレビで見た事があるかもしれないな。結構高い魚が釣れたりするんだよな。ここからじゃその姿を見ることも出来ないけどさ、そう言うのって夢があるよな」

 ここで休憩がてら周りを確認してみたところ、ここには本当に何もない海に浮かぶ小さな島であった。小さい島だとしても幽霊さんが一人や二人いるはずなのです。もしも、この島に幽霊さんがいないとしたらあらかじめ何らかの方法でこの島が守られているのかもしれない。

 何からこの島を守り続けて来たい強い戦いも同時に消滅してまい合うという事なのだ。

私がどんな風になるのか試してみたいという気持ちもあるのだけれど、今の季節はまだまだ外も寒いので大変そうだなと他人事のように思っていた。

「すいません。ちょっと急ぎ過ぎちゃいました。鵜崎先生はここまでくる間は何ともなかったですか?」

「少し船酔いしたかなってくらいだけどそこまで酷くないかな。船に乗るのは慣れてないからだと思うけどね」

「へえ、鵜崎先生って話で聞いていたよりも強いんですね。ちょっと嬉しいかも」

 真白先生の持っていた荷物を抱えるようにしてやってきたこの子は両手を自分の膝辺りに置いて深呼吸をしていたのだった。

 私も真白先生もその様子を見守ってはいたのだけれど、この子は特別動じることも無く真白先生と一緒にいられることを楽しんでいるように見え居ていた。

「テレビに出てる人と一緒にいられるなんてちょっとした自慢ですよね。僕は今まで有名人と話をしたことも無かったんです。こうして鵜崎先生とお話出来るのって、なんか嬉しいですよ」

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