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自己啓発系みたいな?

テンプレから考える、アイディア論

作者: 浦島 やい

最近ので人気なテンプレ関連エッセイをのせておきました。

情報過多の時代だから:ニコさん

なろう小説が闇鍋化してる件について????:私に明日はないのですさん

俺はオリジナリティのあるテンプレが読みたいんだよォ!:熊ノ翁さん

※タイトル変更しました

こんにちは。浦島です。

若輩者てすが、よろしゅうたのんます(*'▽')


では、早速本題に入りたいと思いますが……

まずは創作物の構成要素から考えてみたいと思います。


題して「小説、漫画、アニメ、映画、ドラマも、全ては哲学だった!?」


です。

ちなみに、皆さん物語ってどうやって作りますか? 正解ってありますか? 筆が勝手にって人もいれば、そんなのわかったら苦労しない……って人もいるでしょうか。

私が思うに、物語は3つの要素からできてます。


1つは思想。1つはシナリオもしくは脚本。1つは表現。


思想とは、作者の最も伝えたい考えです。

また、思想を伝える方法として古来より主流であったのが哲学でした。思想をもって真理を探求するのが哲学であり、主に社会批判なんかに用いられていますね!

そして、哲学が思想と直結しているのに対して、物語は思想を「語り」に載せた物でしょう。


要するに、思想をベースとして、表し方を変えたのが両者の違いだと言えると思います。


ですが、哲学と物語のどちらが人気かと聞かれれば、当然「物語」だと答えますよね?

なぜなら、ご存じの通り哲学ってなんだか小難しいですし実感しづらいですから……


そこで我々は、「興味を持たせる為にシナリオによって思想を一般化し、表現によって意識を惹かせる」事で、大衆に向けて伝えるのです。紙や電子端末、劇場なんかも表現の延長でしょう。


つまり、やっていることは「シナリオや表現を駆使して思想を伝える」、ただそれだけです!


思想をありのままに書くのが哲学書であり、そこにシナリオと表現を足したものが小説であり、絵を加えたのが漫画であり、映像で表したのがアニメやドラマなわけです。


という事で、全ては哲学であり思想こそが創作の根幹だと言いましたが……ひとつ、大きな問題があります。

哲学がお堅いものである様に、シナリオや表現を駆使してまで伝えたい思想なんて、なかなか出てこないんですよ!!

いざ出そうと思っても、なかなか纏まらないし、考えるほど混乱するし、兎にも角にも苦しい作業です。


そんな風になると、思想なんて適当に放棄して「好きな展開のシナリオ」から入っちゃう人が大半を占める訳です。その結果、書き手も読み手も「底にあってなかなか見えない」思想なんて重視しなくなってくるんです。



私は「皆さんもそうなってませんか!?」と叫びたい!



やっとタイトルの内容になりますが、なろうのテンプレ批判なんて所詮はシナリオの1つのレパートリーでしかない訳で、テンプレでないレパートリーを製造するのはそんなに偉いですか?と言いたいのです。思想のない創作なんて、見方によれば同類ではないかと。


まぁ、頑張って煽り口調で言ってみましたが……「ワシは思想もあって魂込めてつくってるん…くぁwせdrftgyふじこlp」という方々も一杯いらっしゃると思うので、先に謝っておきます。


ほんと、すみません。さらに言うなら、シナリオや表現もめっちゃ大事です!!!!

シナリオや表現による感動も否定はしません。


「おいおい、あんた言ってること無茶苦茶だろ」と言いたい皆さん落ち着いてください。

タイトル通り決着はもうついているのです。


そう。知っている方もいると思いますが、実は小説から映画に至るまで名だたる作家達は常に思想とテンプレの間で苦悩し続けて来ました。

例えば、誰もが知っているジブリの宮崎駿さんや君の名の新海誠さんも、作品を通じてその答えを示しています。


それは「どれだけ思想が秀逸でも、テンプレは売れるためには必要であって、前面におしだすべきだ」という答えです。


新海誠さんの秒速5センチメートルから天気の子への変遷を追えば、そこが非常にわかりやすいのですが、彼はそれまで自信をもっていた自身の思想を隠し、「現実よりも綺麗な色彩表現」を最大の武器として持ち替えました。


つまり、笑える演出で笑って、泣ける演出で泣いて、という様な安直なつかみによって大衆は満足し、裏側にある様な、えも言えぬ感動はたいして求められてないのだ、という事です。


難しいのは、売れた大作には思想がほんの少し漂ってくる作品が多いという所で、そのバランスが名作と凡作とを分けるのかもしれません。


という事で結論ですが……


「彼らの様な名作家を越えてやる!」という気概もない我々は(偏見)、「テンプレにこそ」ある種の正解がある事を認め、使い方を模索しましょう!



―― こうして、テンプレ論争は幕を閉じるのであった。めでたしめでたし


・・・(; ・`д・´)。



って、こんなんで終わって良いわけないよねーーー!!!


当然、「テンプレの必要性なんてとうの昔にわかってるけど、その使い方だって奥が深いんだよ! 軽々しく言ってんじゃねぇ!」という意見もあるでしょう!


なので、「テンプレを駆使したアイディアの出し方」について、有用なものをご紹介したいと思います。


(刮目せよ~!!!)


劇団ひとりさんが司会をしている「魔改造の夜」という番組があるのですが、そこで太刀川英輔さんというデザインストラテジスト(デザイン×ビジネス)の方が講師として出演されてました。

その方がアイディアの出し方を9つの分類して提唱されており、凄く汎用性があるなと関心しました。

それがなにかというと……


欠失:○○を失くす

擬態:○○に似る

変量:超○○になる

増殖:○○が増える

転移:○○な場所に移動

交換:○○を替える

分離:○○が分かれる

逆転:○○ではなくなる

融合:○○と合体


です。組み合わせを考えたら実質無限にあると言っていいでしょうね!


ですが、少しイメージし辛い方もいるかもしれませんので、元ガイナックス社長の岡田斗司夫さんが紹介している、「アイディアの出し方論」を例にして、具体的な扱い方について見ていきましょう。


彼が紹介していたのは、「デスノート」の構造で中身を変換した少女漫画の作り方です。当たり前ですが、ジャンルが違うほど新規性があり良いとの事です。

デスノートでは、主人公と敵、両者のつなぎ役である父親、ヒロイン、力と代償を与える死神、名前が書かれた人をぬっころすノート、とこれらの要素で話が進んでいきます。


・まずは登場人物の性別を変える。

女性主人公と女性の敵、両者のつなぎ役である母親、男性ヒロインとなりますね。


・つぎにアイテムを変える。

電話をすると本音を話す能力をもつスマホとします。


・最後に、力には制約と対価があるという法則を変える。

本音で話させる力に対して、「電話番号が必須、相手は話した記憶を忘れる、1分1年の寿命を支払う(電話料金)、悪魔が支払いを請求してくる」などの制約と対価を用意する。


・勝つか負けるかの対立構造は、惚れるか惚れられるかで表現される。


あとは、デスノートを踏襲しつつ少女漫画という枠組みにそって話を進めればいいと言うお話でした!さらに詳しく知りたい人はぐぐってください(笑)


とまぁ、なんだかあっという間に作り込まれた少女漫画になってきましたが、注目すべきはこれは上でいう「交換」の技術しか使ってないという点です!!残り8つもあると思うと想像力が膨らんできませんか!?


以上でアイディア編は終了となります。みなさんどうでしたでしょうか?



実は殆ど自分の為に書いたけど、みなさんの創作ハードルが少しでもさがるといいなぁ……なんて……


ではでは。

テンプレ批判こそがテンプレとは、言わないお約束で!(笑)

感想、誤字報告や評価してくださる皆さま、ありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] やはりそうですよね、テンプレ批判を全体でみるとパターンとセオリーが入り混じってる感じですよね、形が似てれば全部テンプレみたいになってる。 こちらは個別に批判されてるテンプレ作品の話ですが、…
2022/07/14 10:22 退会済み
管理
[一言] わかるようなわからないような……? パターン通りとセオリー通りは全く別物と言う感じがします。テンプレはパターン通りの方だと思っていましたが、もしかして全部ひっくるめたものをテンプレって呼ぶ…
2022/07/12 10:50 退会済み
管理
[良い点]  面白くて、とても勉強になるエッセイでした。 「難しいのは、売れた大作には思想がほんの少し漂ってくる作品が多いという所で、そのバランスが名作と凡作とを分けるのかもしれません」←このご意見に…
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