前世ブラック企業勤めだった聖女ですが、スキルが「お茶汲み」と判明し勇者パーティから追放。実は茶柱に超絶幸運バフが付いてる事が判明。いまさら戻ってこいと言われても大魔王の嫁に永久就職するのでもう遅い。
この作品は「なろうラジオ大賞2」の参加作品です。
千文字と超短いのはルールなのですごめんなさい(><)ノ
1
私の名前はグリーン・ティー。
ティー公爵家の一人娘。
実は前世日本人の転生者なの。
前世はブラック企業勤めのOLだったんだけど、あまりに労働が過酷すぎて過労死しちゃって。
すると、見た目超絶美少女なショタ神が、善行ポイントで異世界に転生させてくれたの。
チートをもらって公爵家の聖女に転生させてくれたんだけど……。
2
「グリーン嬢、君は今日限りでクビだ。勇者パーティを出てってくれ」
がびーん。
レベル10で誰でも貰えるユニークスキルが『お茶汲み』と判明した途端、勇者パーティをクビになってしまった私。
これがチート?
ていうか、何故に聖女のスキルが『お茶汲み』?
……心当たりある。
実は私、前世のOL時代にお茶汲みを極めていたんです。
3徹で死にそうな同僚が、私の淹れたお茶を飲むと頑張れるって言ってた。
もしかして回復力でもあったのかな。
私も自分にお茶淹れて飲んでおけば良かったな。
戦闘中に悠長にお茶を淹れる訳にもいかず、このスキルにどんな効果があるかも分からないまま、私は勇者パーティをクビになってしまったのでした。
3
どうにか冒険者ギルドに再就職できた。
酒場でやけ酒を呷っていた私を拾ってくれた、イケオジのギルマスに感謝。
こうなったら前世で身につけたOLスキルで無双してやんよ。
まずは新人の仕事、お茶汲みからよ!
「グリーンちゃんの淹れてくれたお茶、超ウメー!」
当たり前よ。
「な、何か浮いてる? 何、この神々しいの。光ってる!」
それは茶柱サービス。
何本立てるのも自由自在よ。
「なんだか、魔王でも倒せそうな気がしてきた。ありがとうグリーンちゃん。行ってきます!」
暫くして、外回りの職員の間で噂が立ったの。
茶柱が立ったら1日中、幸運が続くって。
2本も3本も余裕ですよ?
お茶を飲んだ職員を鑑定したら幸運値が何と9999のカンスト。
ドロップ品が超レアばかりとギルド中が大騒ぎ。
攻撃もクリティカルが凄くってオークキングがワンパンだったらしいわ。
4
とうとう、ギルマスに呼び出されてしまった私。
何かやっちゃったかしら(すっとぼけ)
そしたらギルマスが求婚してきたの。
え、脈絡もなしに?
ええっ、お茶が美味し過ぎて??
「一生俺だけにお茶を淹れてくれ」
ですって???
私で良ければ(即オチ)
この後、噂を聞きつけた勇者が
「パーティに戻ってくれ!」
と懇願してきたけど、もう遅いから。
後にギルマスの正体がこの世の裏の支配者、大魔王だと知るのは別のお話。