3話 はじめまして、異世界
俺は、遂に洞窟から出た。そこには見たことのない景色が待っていた。多くの人がいる。周りには店や屋台が並んでいる。ここまではいい、だが店には武器や盾が並べられている。別の店に目を向ける。干し肉などの食べ物だ。また別の店に目を向ける。鎧が並べられまるで防具屋だ。
「ここは一体どこなんだ」
俺は呟く。すると俺を外まで案内してくれた彼らがまたついてこいと手でしている。隣にいる女性にも手を引かれついていくことにする。
俺が連れてこられたのは教会だった。中に入るとシスターがいた。連れてきてくれた男性がシスターに何か言っている。するとシスターは頷き俺の方にくる。そしてシスターに手をつかまれ連れていかれる。抵抗しながら彼らをみると手で早くいけといっている。仕方なくついていくと前に大きな像があった。
見た目は女性のため、女神だろう。シスターは俺を目の女神像の前につれていき手を合わせる。見ていると俺にも同じ事をさせたいようだ。俺もシスターと同じように手を合わせる。すると女神像が光り始めた。
「神の祝福を授けましょう」
そんな声が聞こえた気がした。
気が付くと光は収まっていた。
「聞こえますか?分かりますか?」
隣から声が聞こえる。俺は聞こえると答える。
「神の祝福が与えられたようで良かったです。」
シスターが言っている。さっきまで分からなかった言葉が分かる。俺は驚きを隠せなかった。
「改めまして私はミル、この教会でシスターをしているものです。」
「初めまして、俺は時野零二です。サラリーマンです。零二と呼んでもらえると幸いです。」
「サラリーマン?」
サラリーマンが通じなかった。
俺はミルさんと話し始めた。彼女の話をまとめると
・ここはユグドラシルという名の異世界
・今いるのは王国のダンジョン前の教会
・神の祝福で言葉が通じるようになった
・行く当てがないなら冒険者になるといい
という事だ。帰り方が分からないどころか異世界だった