2話 出会い
どれぐらい経ったのだろうか。洞窟にうずくまっていた俺は、壁に身を預けるように座りこんだ。ふと時計を見る。3時を指し示している。廃墟で探索していたのが昼過ぎだったことを考えると30分から1時間くらいか。思ったよりは短い時間ではあったがこんな訳の分からない場所に一人でいると何倍にも感じるようだ。
「俺はもう戻れないのか、ここで死んじまうのか。」
不安に押しつぶされそうだ。そんな時だ。
「??????????????」
声が聞こえた。言っていることは分からないが人の声だ。助かった。俺はそう思いその声が聞こえた方向に走った。
「????????」「?????????????」
何人かいるようだ。でも何言ってるかわからない。それでも俺にはたった一つの希望だ。そして見つけた。男が2人、女が2人いた。
「すいませーん、助けてくださーい」
俺は、彼らに近寄り助けを求めた。そして気がついた。壁にもたれかかるようにもう1人女性がいたことに。
「????????????」「???????????」「???????」
彼らが何かを言っているが分からない。だがもたれかかっている女性は苦しそうだった。咄嗟に俺は、荷物からスポーツ飲料を取出し飲ませようとする。彼女の症状を脱水症状だと思ったからだ。
「??????????????」
男性が俺の手をつかんだ。俺は、手に持ったスポーツ飲料を見せながら言う。
「早く飲ませないと死ぬかもしれない」
「??????????」
言葉が通じない。どうしようと思っていると女性の1人が男性に何か言っている。すると男性が手を放す。どうやら説得をしてくれたようだ。俺は、もたれかかっている女性に近づき飲ませる。半分ほど飲んだところで彼女が目をあけた。
「ゆっくりでいいので落ち着いて飲んでください。」
通じているか分からないが俺は声をかけた。それを聞いた彼女はゆっくりとそのまま飲み干した。
「?????????????」
彼女は、立ち上がり何か言っている。お礼のようだ。
「??????????????」「??????????」「??????????」
「?????????????????」
肥を聞きみると、男性も女性も彼女が立ち上がったことに驚いているようだ。それはさておき
「助けてください、ここから出たい、帰りたいんです。」
と俺は、彼らに言う。
「??????????????」「?????」「??????????????????」
やはり何を言っているか分からないが何か相談している。そして
「?????」
男性が俺に言っている。手の動きからみるとついてこいのようだ。どうやら助けてくれるみたいだ。
彼らが歩き出した。俺はそれに着いていく。するとさっきまで苦しそうだった女性が近づいてきて俺の手を抱えた。彼女の胸が腕に当たる。顔を見ると笑顔だった。どうすればいいか分からないが今はこの胸の感触を楽しむことにする。
階段をあがり歩き続けると前に光が見えた。俺は、洞窟から出る事が出来たのだった。