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#7 始まった授業

 いよいよ今日から授業開始だ。今は三時間目の日本史の授業中で、この後は化学だ。この学校は化学が強いって聞くけど、他の教科は普通の授業だ。今受けている日本史は少し簡単に感じる。ちなみに、俺はカタカナ表記の物を覚えるのは苦手で、世界史とか生物は苦手だ。


「…ではここ分かりますか、谷黒君?」


うわっ、当てられた!考え事してたからだろうな…。


「えっと…打製石器です。」


「正解です。授業に集中するように。」


あっはい、すみません…。


 その後は真面目に授業を受け、三時間目が終わった。


「晴人くーん、初回からあれはまずいんじゃなーい?」


「その言い方やめろ。…まぁ、考え事しててぼーっとな。」


「うん、晴人君意識それてたよね。ま、そんな私も心読んでたから言えないけど。」


それって俺の心読まれてたって事か⁉…いや、読まれても全然平気な内容だったけれども。


「あ、そろそろ授業始まるよ。俺、もう戻るね。」


   キーンコーンカーンコーン


チャイムが鳴った。化学の先生も入って来たようだ。…あ、男の先生なのか。首元も服で覆われているので、装置は見えない。


「初めまして、ですね。 A組の皆さんの化学の担当の、伊城元です。皆さんとは初対面なので、今日は自己紹介だけにしましょう。」


この授業でも自己紹介をする事に。皆次々と自己紹介を済ませていった。


「椎名万作です。漫画とかが好きなので、漫画研究会に入るつもりです。」


 万作が終わった。次は俺か…。


「谷黒晴人です。好きな飲み物は緑茶、部活は入るかどうか検討中です。」


…あれ、先生の目付きが一瞬変わったような…気のせいか。何事もなかったかのように、西ノ宮達の自己紹介が進められた。西ノ宮とかにも特に何もなかったし、あれは何だったんだろうな。


「私の授業は結構ハイペースで進むと思いますが、しっかり付いてきて下さいね。では、授業を終わります。この後、理系係の二人は前に来て下さい。」


 面倒だけど、授業が終わったので西ノ宮と教卓の所に行った。

「君達が理系係ですか。谷黒君と西ノ宮君、でしたね?宜しくお願いします。」


「「お願いします。」」


「さて、早速ですが…この荷物、運ぶの手伝ってくれますか?」


「「はい!」」


荷物を運ぶ事に。それにしてもこれ、本当に重い!


「晴人君、辛そうだね。そんなひょろひょろだからだよ。」


「ひょろくはねぇよ。これでも筋肉付いてんだぞ。」


「はは、仲が宜しいんですね。」


確かに俺は細身らしいし、今疲れている。でもひょろくはないと思う。


 理科室に着き、荷物を置く。


「ありがとうございます。…そういえば、二人はスキル、もう使いました?」


「いえ、僕は使っていません。」


「俺は一回だけ試した事が…。」


「え、いつの間に⁉」


そうだ、実際にスキルを使った事は、俺と渡部と金先輩しか知らないのか。


「使ってみてどうでした?」


「はい、使う事自体は簡単そうでしたが、使いこなすのは難しそうでした。」


「成程ね…。先生のスキルはどんなものなんですか?」


「内緒ですよ。君達のスキルを聞きたい訳でもないので、お互い様です。」


まぁ、俺も二つ目についてはまだよくわからないしな。


「…あ、そういえば二人って、確か理科の成績はクラス1・2位なんでしたっけ。今後変わるかもしれませんが、僅差だったそうです。期待していますよ。では。」


行っちゃったな…。いきなり期待って言われても、正直困る。


「…お昼、食べに行こうか。」


「あぁ、そうだな。」




 渡部達が席を取っておいてくれたらしいので、其処に座って食べる事に。ちなみに、俺は大体かき玉うどんを食べる。卵料理は好きだ。


「…晴人君、野菜食べないの?」


「いや、俺野菜嫌いだからさ。」


「えー、美味しいのに。」


「うん、卵と麺だけってバランス悪いよ。」


そういう渡部は野菜ちゃんぽんを食べている。余談だが、万作はカレー好きだ。西ノ宮はロコモコ丼を食べている。いや、お前は言えないだろ。野菜殆どないんだし。


「それにしても、晴人君スキル試してたんだね。教えてくれてもよかったのにー。」


「晴人の心理が分からないよ…。あ、俺もちょっと試してみたんだ。イラスト用にペン作ったんだ。」


万作、幼馴染だしその言い方はないだろ…。というか、試してたのか。用途は自己満だけど。でも、そのペンは高いやつだった。すげぇな、そのスキル。


「…そういえば、クラス分けテストの返ってきたじゃん。晴人も西ノ宮も凄いよ。この学校、理科得意な人多いのに。」


「いやぁ、それほどでも〜。」


西ノ宮、満更でもないような顔するな。


「…でもね、僕も思うんだ。晴人君は本当に凄い。自分で言うのもアレだけど、確かに僕は副校長の息子だし、不自由はないよ。だけど、晴人君は僕にないものを持っている気がするんだ。」


「褒めても何も出ないぞ?」


「え、晴人にあって西ノ宮にないもの…?そんなのあったっけ?」


おい、一言余計だ。


「…うん、あるよ。答えなら知ってるし、私もそう思う。…まぁ、それが何かはまだ言えないけどね。」


「え、どういう事?」


「あー、何でもない。気にしないで。」


俺は渡部と目を合わせた。スキルの事をちらっと言ったらしい。制限かからなくてよかったー。


「…あ、もうこんな時間だ!食べ終わったし、戻ろうよ。」


「そうだな。」


あと三時間、とりあえず寝ないで頑張ろう。そして、地道に調べていこう。

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