#4 個性的なクラスメイト
朝礼で衝撃の事実を知り、教室に戻ってくる。西ノ宮が校長とか副校長の家系って事は既に知られているらしく…
「西ノ宮、あの事知ってたのかよ⁉」
「ちょ、掴むのやめて。僕や姉さん達も、爺さ…前の校長が行方不明になった事しか知らなかったよ?」
「先生、本当ですか?」
「本当ですよ、離してあげて下さい!」
「…先生も言ってるし、信じるとするか。」
当然こうなる。
「はい、まずは自己紹介からしましょう。タブレットに書かれているスキルも含めて、出席番号順にお願いします。…とその前に、先生がやってみます。」
始業式の日。最初だからと自己紹介する事になった。先生の例は…。
「願寺史頼、日本史教師です。スキルは『歴史を見る』との事です。20代前半ですが、子供に間違えられる事も多いです…。趣味は歴史の本を読む事です。学生時代は茶道部で、今も茶道部の顧問やってます。是非来てねー。では、始めてください。」
おぉー!と歓声があがった。いや、最後宣伝ですか。いよいよ僕達の自己紹介だ…面子的にツッコミがいるかもな。
「雨宮灰だ。中学時代は学級委員を務めていた。スキルは『超記憶』。趣味等は特に無い。以後宜しく」
な、なんか…高圧的だな。でも色々引っ張ってくれそう。それにしても、キラキラネーム…。
「荒木律っす!堅苦しいのは苦手なんすよ。スキルは『予知』っす!」
え、ギャルなのか⁉でもスキルは強そう。
「荒深法子です。法には興味があるので、法学部進学を考えています。スキルは『カモフラージュ』です。」
法学部か…あれ、じゃあなんでここ来たんだ?
「家迫菜智、スキルは『爆破』です。スキルはこれですが仲良くして頂けると嬉しいです。」
クールそうな人だな。…いや、そういう人ほど謎が多かったりしそうだけど。
「磯野文哉。汚いのは凄く気になるんで、趣味は掃除です。スキルは『物体の引きつけ』です。」
なんか、クセが強いっていうか…ねぇ?
「遠藤奈子です。中学では吹奏楽部で、テューバを吹いてました。スキルは『触手』です。」
今丁寧に話してるけど、男勝りなんだよなぁ。てか『触手』って何だ。
「王魅耶、日本人と中国人のハーフアル!好物は餃子アルよ!趣味はカンフーアル。『拳の巨大化』がスキルアル!」
ハーフもいるのか…いや、珍しくはない気もするけど。
「岡本凛。幼稚園入る前から剣道やっていて、中学も剣道部所属でした。スキルは『剣使い』です。」
うわぁ、格好良いな。…女子だけど。
「俺は小倉翔です。…中学の時、吹奏楽部でクラリネットやってました。スキルは『音波使い』です…。」
あ、昨日の…小倉ってめっちゃ塩対応だけど勘が鋭いのかもな。
「甘駄かりん、甘い物は全般大好きでーす!スキルは『甘味による身体強化』らしいです!」
何それ、甘党が発狂するやつじゃん。
「スカーレット・キャドバリーよ。両親は共にイギリス人だから、日本語はあまり自信ないわ。スキルは『吸血での身体強化』…ふふ、今度吸わせてね。」
さらっと最後とんでもない事言ってなかったか⁉…いや、量にもよるけど。
「木葉七海、こんな名前だけど男です。オイラのスキルは『温度消去』、好きな食べ物はバナナです。」
え、『オイラ』なんて一人称の人初めてなんだけど。『温度消去』って…温度系の攻撃が効かないとかかな?いや、どうだろうか…。
「椎名万作です。谷黒とは幼馴染です。スキルは『創造』で…趣味は漫画、中学での部も漫研…です、はい。」
おい、カンペ!…カンペあるのにたじたじってあたり、流石コミュ症だな。っと、次は俺の番…。
「谷黒晴人です。中学時代は特に部活も委員会もやっていません。好きな飲み物は緑茶です。スキルは…」
あれ、言おうとしてるのになんで…?緊張か?いや、でもなんでこんな急に…。渡部は察しているみたいだけど、そわそわしている。
「ちょっとー、早く話…」
「『“気”使い』。僕後ろの席だから見えたんだ。」
西ノ宮ナイス!ただ、本当はもう一つ書いてあったんだよなー。…あれ、二つ持ちって全校に一人じゃなかったか?
「んじゃ続き…西ノ宮銅、生徒会に入ろうと考えています。僕の立場については多分皆知ってますよね。スキルは『電気使い』。」
さっきはありがたかったけど、自分のとなるとまた見下した感じに戻るんだな。
「オレは野口敦也、元演劇部です。B組に弟がいます。スキルは『嘘つき』なので、ちょっと気をつけて下さいね。」
あ、朝会った人だ。そういえば、服装は全然違うなぁ。…いや、演技上手いなら気をつけるって難しくないか?
「ひ…日笠アスヒ、スキルは『影使い』ですっ…。僕は肌が弱いので、正直便利なスキルだと思ってます…。」
あれ、男子だよな?女子に見える…。
「堀内宗、スキルは『ガス使い』です。迷惑かけるかもしれませんが、宜しくお願いします。」
いっ、イケメン…。モテそうだな、この人。
「柳沢朱音、スキルは『宝石使い』ですわ。一番好きな宝石はルビーですわ。昨日は休んでしまってすみませんでした。」
なんか、宝石のアクセで凄いギラギラしてる…というか、自由とはいえ学校なんだし、こんなに宝石着けていいのか?
「渡部小鳥だよ〜。鳥を愛でるのが趣味です。スキルは『読心』だから、何かあったらお節介焼きま〜す。」
心を読むのかぁ…。昨日はまだ装置はなかったけど、なんか分かるな。
一通り終わったけど、次は何をするんだろうか。
「はい、自己紹介終わりましたね。では次は…委員会や係を決めましょう。それから時間割表を配布して、解散とします。」
短っ!委員会…は入りたくないなぁ。どうしようか…。
甘蜜です。模試前日の投稿です。
ハロウィンのは進行具合的に無理でしたが、新作出しました。今回はパっと見設定を載せているだけにも思えますが、ちゃんと伏線用意していますので、割と重要な回となっております。
次回はまた肩書きが増えます。やったね!