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#15 研修合宿は強化合宿?

「おはよー!いやー、久しぶりだねぇ!」


「朝から元気だね。ま、確かに違うクラスだからね。僕も会えて嬉しいよ。」


 今日は遂にあの日が来た。そう、研修合宿だ。とはいっても、この学校って全寮制だから研修合宿の意味はない筈だろうけど、何をするんだろうか…。ちなみに今、バスの中にいます。俺は結構酔いやすいタイプで、座席は先生達に決められていたので、正直不満だ。まぁ、前なだけましだな。一学年二台だし。


「あー、もう少し静かにしてくれないか?俺、酔いやすいんだが。特に西ノ宮と新島。」


「あー、ごめんね。ちょっと興奮しちゃって。」


「そうそう。でもちょっとくらい良くない?暇だし。」


「ん、確かにバスん中で楽しむのも良いよな。根津は執筆して…」


「ちょ、静かにして下さい!今良いネタが浮かんだんですから。投稿するんですよ、これ。」


「あれ、投稿してるんだ。凄っ。」


「いや、そんな大した事じゃないですよ。サイトに趣味で投稿してるだけなので。でも凄く楽しいんですよ。」


「へぇ〜。俺、今度読もっかなー。」


確かに、皆各々に楽しんでいるが、ツッコミ所満載だ。万作は俺程じゃないけど酔うくせに漫画を読んでいるし、渡部は鳥類の歴史について調べてノートにメモしているようだ。野口兄弟や山瀬はしりとりをしている。野口兄弟がマニアックな言葉ばかり言うので、山瀬は困惑しながらだが。夜月は平常運転に見えて六法を読んでいる。詩じゃないけど普通に凄い。お、道の駅に着いたな。…ん、一号車から女子二人組が降りたな。と思ったら、いきなり謎の行動を始めた。一人がもう一人をぐりぐりと踏んでいる。双方楽しそうだが、虐めている側は若干疲れ気味だ。


「ほら、これが気持ちいんでしょ?でもそろそろ疲れてくるわ。」


「はぁはぁ…もっと踏んで下さぁい!まだ刺激が足りないですよぉ…。」


「うんわ、キモっ。」


それには同感するけど、この人にも正直引く。第一、外だぞ。


「あの二人がSMコンビなのかい…?」


「うん。踏んでるのが清龍桜花さんで、踏まれてるのが蘇理霰さんだよー。二人共家柄は良いのに、中身があれだからねー…。」


確かに、残念だな。


 そうこうしている間に道の駅を出て、いつの間にか目的地に到着したらしい。…あれ、此処って宿舎じゃないか?森の中ではあるけれど、普通に考えて目的地じゃないよな…?


「西ノ宮、例年もいきなり此処に着くのか?」


「いや、去年とかのスケジュール見たけど、最初は自然公園だよ。学年毎にバラバラの筈だし、三年生は日帰りだし。」


やっぱり、今年は特殊なのか…。


「皆さん、お疲れ様です。例年とは違い行程は全て宿舎で行います。」


「あの、質問です。この学校って全寮制じゃないですか。いきなり宿舎に来て、何をするのですか?それに、全学年合同って…。」


一人の男子生徒が質問を投げかけた。全生徒が同じ事を思っていたんじゃないでしょうか。


「あぁ、それですね…教員も知らない状態で此処に来ていて、知っているのは校長と副校長だけです。校長のご意向ですから。」


「校長のご意向って、どんなやつかはっきり教えて下さいよ、副校長!」


そーだそーだと賛成の声が挙がる。俺もそれは気になる。…夜月だけは気にもとめていない様子だ。強いな。


「静粛に、静粛に願います。…えー…今回の研修合宿は、皆さんの戦闘力を上げる為のものです。生徒だけでなく、教員も対象です。つまり!今回の合宿は、只の合宿ではなく、戦闘力の強化合宿です!」


「えぇぇぇぇ⁉」


有り得ない。本っ当にこの学校、有り得ない。なんで合宿と思ったら、そういう事か。…まぁ、俺とかは戦闘経験者だから、何となく察しはしたけれども。


「そ…それで、主に何を鍛えるんですか。」


「無論、スキルがメインです。プリズムソードもですが。」


ですよねぇぇぇぇ!…あ、行程表が配られた。…うわっ、意外とみっちりある。明日の班対抗バトルって何だよ。とりあえず、今日は四時までソードの訓練、その後は七時までスキルの訓練、食事や入浴を挟んだ九時からの一時間は自由にトレーニング。いや、自由にってどういう事だよ。


 一旦解散し、部屋に荷物を置きに行ってから昼食だ。


「その…なんか、面倒な事になったな。」


「うん…。でもさ、暇時間とかもあるじゃん。その時にはっちゃけようよ。」


「「「「さーんせーい!」」」」


「あ、そういえば班対抗バトルってあるじゃないですか。あれがちょっと心配で…。」


「あー、大丈夫だよ。この班には晴人君がいるし、ガンガン攻めてもらえば。という事で、晴人君に任せるよー」


「あ、 いいですね。」


ちょ、待て。責任重大すぎないか⁉


「まーまー、そう不安がるなって。俺、ある程度だけどしっかり護ってやるから。」


「あ、そうですね。では二人共お願いします。」


まぁ…護ってもらえるならいいかな。頑張ろう、うん。




 プリズムソードの方はやっぱり得意不得意が分かれるらしい。テストをしてみたら、俺は学年で上から11番目とのこと。だから大和先輩と競えたのかもな。ちなみに、ソードの学年一位は同じクラスの岡本で、二位のも同じクラス、三位はB組の立花蜜柑という女子生徒だ。一位と二位はかなりの差があったが、岡本は中学から剣道部って言っていたし、そりゃそうなるよな。…よし、スキルの方もどちらも使いこなせるようにならないと。

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