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#11 男女比がおかしい班

 普通じゃない高校生活にも慣れ始めて、研修合宿の話が出た。いや、全寮制だからあまり変わらなくない?でもやるとの事。今は学年集会中だ。


「…という事です。合宿の目的は、当日発表します。」


何だそれ、はよ言え!


「それでは、今から配るプリントを見て、同じ班の人達と自己紹介をして下さい。」


班、もう決まってるのか。プリントを受け取り、目を通す。えーと、俺の班は…6班だ。同じクラスでは西ノ宮、B組では中曽・新島・根津という人が一緒だ。それぞれ『Fe』、『Ni』、『Zn』とある。西ノ宮の考察に沿うと、鉄とニッケルと亜鉛だろうか。大体五人ずつらしく、A組B組…と交互に組まれているが…男女比がおかしいと思う。そもそも男子が多いが、雨宮とか可哀想。男一人だからな。


「お、晴人君同じ班だね。やぁ、君達だよね、同じ班なの。」


「あぁ、そうだぜ。俺は(なか)()(てつ)、スキルは『硬化』だ。」


「あたし、新島華(にいじまはな)()。スキルは『発火』よ!」


「…あ、私は根津(ねづ)(あい)()です、スキルは『創作』です。書いたものが具現化するらしいです、一度試してみました。」


凄い、三人共個性的だ。


「『創作』って例えばどういう使い道をするの?ちょっと気になるな。」


「例えば小腹が空いた時にメモ帳にその絵とか文を書くと、それが実際に手に入る、とかです。」


「まぁ、根津はれっきとしたオタクだから、初めて使った時は推しキャラのグッズを描いたんだって。」


便利そう…だけどこいつもオタクか!そろそろ俺達も自己紹介しなきゃな。


「僕は西ノ宮銅。スキルは『電気使い』だよ。」


「西ノみ…あ、副校長の息子か?」


「凄い凄い、あたし達って運いいのね!」


「そんな褒めても何も出ないよ?それに、この子の方が凄いんだから。」


「子って言うなし、ハードル上げんなよ…。」


うん、西ノ宮はいつも通りだ。それにしても、やっぱり西ノ宮 

は有名なんだなぁ。…あ、俺の場合スキルは片方だけ言えばいいか。二つ目の方はメモにでも書くか。


「えっと…俺は谷黒晴人、スキルは『“気”使い』だ。…根津、メモ一枚くれないか?」


「あ、いいですよ。何に使うんです?」


俺は、書こうと決めていた事をすらすらと書いた。二つ目のスキル・『結界』持ちだという事だ。


「この事は出来れば他人に伝えないでくれ。…これ、見てくれないか。」


「なぁに、勿体ぶって…ん⁉」


「お、お前…。」


三人は俺と紙を交互に見た。そりゃまぁ、目の前に二つのスキルを持つ人がいるんだからな。そう、口では伝えられないけど、紙に書いて伝えることは出来るのだ。正直面倒臭い。


「…おう、言わないでおくぜ。」


「事情があるのなら仕方ないですよね!」


これでとりあえずは一安心っと。…それにしても、他の班も大分個性的な人が集まったな。渡部や柳沢の班は四人だけど、その班雄一の男子生徒はノートを持ってぶつぶつ言っている。首元をよく見ると、『Kr』とある。


「…あれ、晴人君どうしたの?」


「いや…今って自己紹介する時間だろ?俺達はもう終えたんだが、この時間に音読してるから気になって…。」


「あぁ、B組出席番号18番の夜月咲(よるつきさく)()君だよ。夜月君、夜月くーん?…ちょ、聞いてる⁉」


「夜月さん?」


「あ、そいつ多分聞いてると思うよ。」


うわっ!…答えてくれたのは、一人の女子生徒だ。首元には『Sr』の文字があり、頼もしい感じだ。


雷音(らいおん)、いきなりすぎるぞ。…あ、こいつは雷音(レッド)っていって、B組の学級委員なんだぜ。」


へぇ、学級委員なのか…凄いなぁ。キラキラネームなのはさておき。


「名前、あまり好きじゃないんだけどね。柳沢さん達と同じ班なの。谷黒に西ノ宮、だっけ。一応聞いてるよ。」


「宜しくね。…それで、夜月君は?」


「そうだ、私のスキルって『読心』だけどさ、夜月君の読めないんだー。」


「あぁ、そりゃそうでしょうね。あいつのスキル、『無意識』だし。何も考えずに行動してるんでしょうね。それと、こう見えても滅茶苦茶頭良いらしいの。資料見たけど、偏差値はオール70以上、中でも国語は75。作文コンクールでは最優秀賞を何度も取ってるの。」


何それ、普通に凄い。なんでこの学校入ったんだ。あと、人の資料を勝手に見るのは良くない。


「…あ、どうも。」


今気づいたのかよ!


「…いや、さっきから会話聞いてた。こっちに集中してただけ。『Kr』はクリプトン、『Sr』はストロンチウム。資料は勝手に見るな。」


「ね?」


西ノ宮と同じ考察をしていたのか、流石だ。雷音、やっぱりバレているし謝れ。


「あ、谷黒君達だ、終わったんだね。」


「やっほー、荒深さん!」


あ、1班だ。…雨宮と雷音は目を合わせた途端、目付きを変えた。え、何だ?


「出席番号の関係で会わなくて済むと思っていたら、間違いだったんだな。」


「こっちこそ会いたくなかったよ、(グレー)。ほんっと、あんた性格悪いね。」


「ハッ、それはお前もだろう、(レッド)。…ほら、名前の通り顔が赤いぞ。」


「馬鹿にすんなよ!あんたが貧相なんだってば!クソなのは性格だけじゃなかったわね。」


「それはお前もだろう。全く、変な所だけ似ていて不快だ。」


え、喧嘩始まったんだが。早口なので、止めるタイミングがよく分からない。


「ちょっ、二人共喧嘩はやめて下さい!…どうしたんです、急に。」


「「嫌いな奴に会ったから喧嘩した」」


「あー、はいはい。あ、この二人、従兄弟同士なんだって。」


「「あぁ。」」


えぇ、マジかよ!…あれ、従兄弟同士ってここまで仲悪いっけ、普通?でも、その割には息ぴったりだな。


「…B組って、他にどんな奴がいるんだ?」


「あぁ…SMの女子二人組とか、自称“性格悪い男”とかだぜ。」


「…中々個性的だな、そっちも。こっちもだけどな。」


「あはは…。」


班員はまだマシとして、この学年個性的すぎないか⁉…研修合宿、不安だな。

甘蜜です、年明けちゃったんですねぇ。

今回は、投稿したつもりでしていなかった11話です。ルビって大事なんですねぇ…忘れかける事があるんですね、実は。今回はB組キャラも何人か初登場しましたが、15話辺りでまた登場します。次回は、今回出たキャラも以前出たキャラも新キャラも出ます。3・4話を振り返って頂けると分かりやすいかと思います。では、また次回!


研修合宿編って、二話分じゃ終わらないと思います。

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