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#10 謎の武器

 小倉の件が落ち着いて、俺や西ノ宮、山瀬の体調も回復した。また、いくつか変化があった。まず一つ目。


「えー…昨日の事件もあり、スキルによって戦闘に全く参加出来ない人もいるとの事なので、今から皆さんに一つ武器を配ります。」


そうして配られたのは持ち手っぽい黒色の何か。日本刀の持ち手っぽいが、‎‎‎刃がない上ボタンが一つある。何だ、これ。


「これは『プリズムソード』といいます。ボタンが一つありますよね?其処を押すと光の刀が出てきます。人によって色は違いますよ。」


パクリかよ!…あれ、しっかり刀っぽい形だ。俺がイメージしたのは棒状だ。ちなみに、俺のは青色だ。


 チャイムが鳴り、授業が終わった。さっきのは七時間目で、今は放課後である。


「ねーねー、皆の何色だった?私は水色だよー!」


「俺は青だったな。」


「僕のは青緑だよ。」


「私は紫だったぞ。」


「俺は黄緑だ。」


「俺は藤色だよ。」


「わ、カラフルだねぇ。」


「…あの、ちょっと良いかな?小倉君、そろそろ晴人君から離れたら?」


「小倉ー、そろそろ重いんだけど。」


「断る。何となく、こっちの方が落ち着く。」


これが二つ目の変化だ。小倉が何故か俺に引っ付いてくる。正直面倒臭いけど、他の人とも普通に接するようになったのはありがたい。


「それにしても、昨日の事聞いたけど、二つ目のスキル見たんだって?」


「あぁ。私は教室から一緒に行動してたからな。B組の奴も一人いたが。」


「…あの、一つ聞くよ?やっぱり、渡部さん知ってた?」


「あぁ。ついでに言うと、この間の休日に金先輩に呼ばれたのも、この話の為だったんだ。俺は当事者、渡部も知っていたからな。」


「そうそう、クラスメイト三人に知られるまで伝える事が出来ないんだよね。もう解除されたみたいだけど。」


「制限つくくらいだし、相当強いスキルなのか。動けなくなったぞ、俺。」


「晴人、倒れたもんね。」


本当、それは恥ずかしいからやめてくれ。


「あ、谷やん達だー!」


「聞いたぞー!すげぇなー、オイラ尊敬するわー。」


た、谷…やん?多分俺の事だな。それにしても、ハードル高いな。木葉と甘駄の二人だ。


「あ、武器の色何色ー?私紫だよー!」


「お、私と同じだな。」


「え、そうなのー?」


「すまん、さっきの会話聞こえてたんだー。あ、オイラのは黄色だぞー!」


黄色…バナナ好きって言っていたし、なんかしっくりくるな。


「あ、さっきいろんな人に聞いてみたけど、目の色と同じって人が多いらしいぞー。オイラとか椎名は例外として。」


「へぇ…確かにな。」


すげぇな、こいつの観察力。…そういえば、入学初日からこいつに対してずっと疑問に思っている事がある。


「…そういえば、お前なんでそんな軽装なんだ?今の時期それじゃ流石に寒いと思うぞ。」


「オイラ、スキルのせいで体感温度とかそもそもないんだー。だから、テキトーにこんな服装って訳。これならオールシーズン大丈夫そうだしな。」


適当っておい。…まぁ、温度感じないんじゃな。


「…実験とかで、感じなくとも火傷するなんて事なければいいんだが…。」


「それは大丈夫じゃね?なんか変だなーって思ったら対処するぜ!」


「ななくんはちょっとガサツなんだよねぇ…。」


はは…この歳だと普通は男女だ仲良くってあまりないと思うけど、この二人はあまり気にしなさそうだな。…いや、俺も言えないか。


「ねーねー、これ言っちゃうけど…正直、あの二人が仲良くなるとは思わなかったよー。」


 そう言って甘駄が指差したのは、家迫と敦也だ。



「確かに。敦也君は優男って感じだし、家迫さんはクールな感じだよね。」


俺達や家迫達みたいに、もうすでにいくつかグループが出来ている。まだ話した事はないが、雨宮や荒木達出席番号の早い者同士だったり、岡本や王やキャドバリーの女子グループだったり。…勿論、何処にも属していない人もいる。例えば、日笠や堀内、柳沢だ。堀内と柳沢は所謂中間みたいな感じで、いろんな人と話している。日笠は一人でいる事が多い。強いて言うなら、堀内とは仲が良さそうだ。


「…晴人、さっきからどうしたの?考え事?」


「あ…いや、なんでもない。生徒会室、覗きに行く。」


「え、今?というか大丈夫なの?」


「大丈夫だ、最初行った時なんかいきなりだったからな。西ノ宮の権力もあるけど。」


「ほぇ〜…。あ、でも糖分補給したいから私はいいや!」


「オイラもー!…じゃあなー。」


糖分補給って…糖尿病になっても知らないぞ?


「それじゃ、行こうか。」




「あ、来たのね。皆、昨日はお疲れ様。」


「本当、昨日はお騒がせしてすみません。あのままだったら俺はどうなっていたんだか…。」


「大丈夫、もう終わった事よ。二つ目については、皆知っているのね?」


「はい。谷黒が持ち主なんですよね?」


「えぇ。制限が解除されたおかげでこうして普通に話せるし、新しく情報も分かったの。」


 金先輩は、二つ目のスキルについて詳しく説明した。新しい情報についても、だ。強力なスキルなので反動も大きく、使いすぎると倒れてしまうとのことだ。また、制限は完全に解除された訳じゃないらしく、相変わらずスキルの事を知らない相手に口では伝えられないらしい。


「…という訳だから、なるべくは一つ目の方だけを使うようにね。武器もあるし、大丈夫よ。二つ目の方は、いざという時の為に取っておくことね。」


「はい…。」


確かに、実際あの時倒れたからな。スキルの使い方にも慣れなきゃ。

甘蜜です。引越しして環境が変わりました。

さて、今回は新たにワードが追加されましたね。本編では伏せましたが、何となく想像した方も多いと思います。そう、イメージは有名なアレです。

次回はB組メンバーも何人か出す予定でございます。その先の展開ももう考えてはいるので、先輩キャラもぼちぼち作っております。大分個性的ですがね。では、次回も是非閲覧して下さいませ。

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