第7話
店を出た後、リリィと露店を見回ったり、街の案内などを行い、今いる街がどのような場所なのか、どれぐらいの規模の街であるか、天界と地上界の違いなどを話しながら街を回り、その日は終了した。
翌日、グレンとリリィは、昨日武器屋で購入した弓の使用感や不備がないかなどを確かめるため、ギルド敷地内にある訓練場へと足を運んだ。
「ここがギルドの訓練場だ。」
訓練場は運動場ほどの大きさで、左右に弓の練習ができる藁で作られた壁が設置された場所と、魔法を使用しても壊れない頑丈な作りをしている場所が設けられていた。
「リリィ、弓を使ったことはあるか?」
「ないわ、始めてよ」
「なら基礎から教えるぞ」
弓の基本的な構えや注意事項などを説明した。グレンも弓の経験は浅く最低限の知識しかないが、ハンターになるときに覚えた弓の知識をリリィに教えた。
「俺が知ってる事はこれぐらいだ。後は練習と本番で上達するしかないな」
「ありがとう 試しに今うってみてもいいかしら」
「あぁ そのための練習場だからな」
リリィは弓用の練習場所へ行き、数十メートル先の的へ向かって構えた。
「・・・」
リリィは集中し、しばらく静止した後、矢を放った。
矢は的へとまっすぐ飛んでいき、的の中央よりややそれた位置に命中した。
「っ!当たった!」
「さすが【命中強化:大】初弾で命中するか・・・」
その後もリリィは撃った矢を回収しては再び定位置に戻っては撃ちを繰り返し練習した。命中精度はかなり高く、10回に1回ほど的に当たらないことがある程度だった。
通常では弓を始めたての者はその日のうちに1発的に当たれば筋のある方であるため、リリィは【命中強化:大】のスキルがあるといえどやはり弓の才能があることは明らかだった。
『もう明日には狩りに連れて行ってもよさそうだな』
そう思いながらグレンはリリィと共に練習場を後にした。