5日目(2)
5日目
城下町では、様々な物が売っていた。木製の神像や、食べ物、調味料。普段の生活に必要なものは大抵なんでもある。
歩いていると、如何にもという感じ怪しげな一本道があった。
「ナナくんはルーストと一緒にここにいて」
と、言うとミリフは小銃を片手に一本道に侵入した。
(あっ、バナナで転んだ)
~数分後~
えへへ‥‥というような感じでミリフは帰ってきた。恐らく気のせいだったのだろう。
「じゃあ、行こうか」
「う、うん」
「昼飯はどうするっすか?」
「ガルクスを呼んでみんなで食べに行こうか」
俺は、この世界の硬貨は、銀貨100円、大銀貨1000円と勝手に置き換えているが、あくまでも置き換えてるだけでパンを銀貨1~3枚で買えるわけではない。
確実と言うほどでもないが、この国の平均時給は6銀貨が良いところだろう。物価は日本とはあまり変わらないが、やはり調味料等は高かった。何だよ5g4金貨って…安いやつは安いからいいけどね、ウニとか貝とかね。
それと、魚を刺身にして食べることは無さそうだ。
なぜこんなことわかるって?残念ながらこっちで醤油を見たことが無いんだよね。
俺は今、高級料理店(元の世界風に言うと三ツ星レストラン)そこにお昼ご飯を食べに来ていたんだ、俺はラーメン的な気軽に食べれるものって思ってたんだ。てかどんだけ給料もらえるんだよ。
「ナナは何にするんだ?」
俺は紙に書かれたメニューを見る。
「大金貨13枚‥‥‥‥ひぇっ ‥‥‥‥‥‥金貨9枚‥‥‥‥え?えっとガルクスさんちょっと高すぎませんか?」
「ガキがそんなこと気にすんじゃねえよ腹一杯食って食い散らかせ大金貨1000枚程度なら払えるからよ」
俺はメニューの中で量がそれなりにありそうで値段も控えめなものを選ぶ。
「これでいいです」
それはサンドイッチのような物だった。パンに肉と野菜を挟んでいる。
感想は旨いの一言だ。
【宿】
俺とミリフ以外は何処かに行ってしまった。
【ねえ、ナナくん】
「なんですか?」
【キミ、生前何処にいたの?】
【え?‥‥‥‥日本語?どう言うことだよ?】
俺は、ミリフの言葉に動揺を隠せずにいた。
【私は貴方と同じ様に神に騙されてこの世界にきたの】
【‥‥‥‥‥‥同じ‥‥‥‥なのか?】
【ええ、貴方も渡されなかった?中途半端な能力】
【いや?何も渡されてはないけど‥‥‥‥】
【本当に?神に能力を渡すとか言われてなかった?】
俺は最後に神に会ったときの事を思い出す。
【そういえば何かそんな能力いらねぇって断った気がする‥‥】
【まあいいわ、私達、神の子の現状を教えるわ】
神の子達は、神同士の争いに付き合わされている。だがその争いは、ほぼ遊びのようなものらしい。
神の子達は一人一人称号のような能力を与えられる。(○○を○○する者)能力はその称号によって条件や効力が変わる。ミリフの場合は生命体を魅了する者。だが生命体を魅了するだけでなく、その生命力を吸い取ることが出来る。 そして神の子達は国によって能力を渡した神が違う。
「神の子って呼び名は、神の子供じゃなくて神になることができる子供なのよ。神になるためには自分以外の神の子を殺さないとなれないの。そして少なくともこの戦いは8回は行われてるの。大体一つの国にたいして5.6人いるから今回は6ヵ国相手ね」
「どうして国に分けるんですか?」
「神様ってその地域に何らかの御利益を与えてくれるでしょ?その御利益を国に与えられるの」
「つまり戦の神だと戦争に勝てるとかですか?」
「ええ、それが町じゃなく国レベルの規模になったものよ。
あと、いくら神様とはいえ元人間だから自分を育ててくれた国とかを優先したいでしょ?」
俺はそうですねと言い話を止めて魔法の練習に取り組んだ。