3話
(今日は、スライムを使って身体の魔力を制御できるようにしよう)
俺は、魔力でスライムを動かす。
「う、うおおおおお!」
スライムは触手のように蠢きながら少しずつ上に上がっていっている。
「うわっ!き、気持ち悪い」
~一時間後~
どうやらこの方法は俺の身体に合っていたらしく全身の30分の20は制御できるようになった。
七日目
今日は御神体の輸送当日だ。
俺は、ユナを探す。キッチン、洗面台、何処にもユナの姿は見当たらない。
(まさか、拐われたのか?)
俺は後ろから足音が立っていることに気付かなかった。
「ん?ナナちゃんはやいねー持っていくのはお昼過ぎからだよ」
「え?そうなんですか?」
俺は驚きつつ返事をした。
「お昼にここに来てね」
ユナは寝ぼけ眼を擦りながら言った。
「わかりました」
俺は畑の水やりや畑の水やり.....畑の水やりのみをしていると、いつの間にかにお昼になっていた。
《孤児院 ユナの部屋》
俺は、畑から孤児院に入りユナの部屋の前に行きコンコンとドアをノックした。すると中から声が聞こえてくる。
「入ってきていいよー」
「おじゃまします」
「邪魔するなら消すよ?」
「入ります!」
「いらっしゃいナナちゃん、お茶でも飲む?」
「それよりも俺はどこからどこを通ってどこにいけばいいんですか?」
「あー、それはねー・・・・・まあ、お茶でも飲んで待ってて」
ユナは、そう言うと部屋の奥に行き、何かの箱から紙を取り出した。
「えーっとねぇ「ずぞぞぞぞ」まずアリアス山脈の麓を「ずぞぞぞ」を通って「ずぞっ」そこからアリアス街道を「ずずっ「ツッコミ待ちなの?」違いますよ」道なりに進んで「美味しい!」ありがとね。で、そこから~」
~15分後~
「~を通ると到着するんだけどわかった?一応地図には書いてるからわかるわよね」
「はい、取り敢えずは、わかりました」
「じゃあ、一時間後に行ったら多分予定通りに着くと思うから」
~一時間後~
「ナナちゃーん行ってらっしゃーい」
俺は、馬車に乗り窓から体を半分出し大きく右手を振り叫んだ。
「いってきまーーす!」
「お客さん気をつけて落ちるから」
「あっ、すみません」
俺は頭だけを窓から出す。ユナが視界から消えるまで頭を出し手を振った。
「暇だ・・・・暇すぎる」
そう、俺は今、猛烈に退屈している。退屈凌ぎにスライムを動かしていたが、魔力が無くなり、何も出来なくなっていた。
(そうだ、外の風景でも見ておこう)
窓の外には自然が広がっていた。
(本当に元いた世界とは全く違うんだな)
俺が、ぼーっと外を眺めていると高速で何かがこちらに向かって走ってきている。
「あのー、あれって何か分かりますか?」
「ん?あーあれか?」
運転手が細目でその謎の動物?を凝視する。
「あ、あれは.....ホースデビルだと!?」
(馬の悪魔?襲う方?それとも馬のまま?)
「おい!お前ら!全力で逃げろ!」
運転手が周りの商人達に声をかける。
(襲う方だな)
俺は、ホースデビルが引っ掛かるように平原に馬車の中で俺が作ったスライムを満遍なくぶちまけた。
「ちょ!お客さん!何してるんですか!」
「え?駄目なんですか!?」
「いや、駄目ってことはないだろうが.....」
~三分後~
ホースデビルは見事にスライムで滑って転け肺にスライムが詰まったようで窒息死した。
「見事ですねナナさん」
「いえいえ、運が良かっただけですよ」
運転手さんが隣の売人に話しかける。
「それにしても最近はこの様な子供でも魔法が使えるようになったんですか?」
「さあ?俺にはわからないが多分この子が特別なだけだろ」
「大体あの液体?が何かわからないしな」
「ああ、あれはですね特殊な粉と液体を水に混ぜると、できてお手軽なんですが、材料が僕しか作れない様なのです」
「そうかあの粘着力を出すにはその粉が必要なのか」
「そうで・・・・・あれ?何かが飛んできますよ?」
俺は、遠目で空を睨む。そこには灰色の鳥が飛んでいた。
「あー、あれはねー.......ん?うおおおおおおお!」
鳥を見た瞬間運転手が急に叫び始めた。
「お前ら!あれを見ろ!」
運転手の声に反応した商人たちが鳥を見ると。
「うおおおおお!」
商人たちも叫んだ。何だこいつら。
「もしかして知らねえのか?お客さん、あれはなあ、見たものを幸せにする魔力を持つストルキアつー鳥だ」
商人の一人が空を見上げ呟く。
「そろそろ停まろうぜ日が暮れてきた」
空はオレンジ色で染まっていた。
商人たちと運転手が手際よく寝床(特に何もない)と焚き火をつけた。
全員が少し喋りながら食事をし三時間交代で警戒をすることになった。
それと、運転手の名前はソラ・クラウリスと言うらしい。