マーニャさん 1
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生ぬるい風が頬を撫で、腐敗した悪臭が流れる。特に敏感な鼻をもつ俺には少々きつかったりもする。
いや、駄目だ。無理だ。やっぱりかなりきつい。この悪臭は…何日も酸性や血の雨に晒されて腐敗し
た肉塊だ!!だからこんなにも酸っぱくって吐瀉物のような気持ち悪い臭いがするんだ。
臭いの正体がわかったからには心理的精神…主に野生本能が黙っちゃいない。
早急に俺のアイデンティティーでもある高性能分子分解マスク及びガス・マスクを掛けなきゃならん。
しかし、いつも体の一部のように身につけているはずのマスクが見当たらない。……?
どうしてだ??装甲車の狭い前部座席でガタガタと身じろぐ。…やっぱりない。
昨日の朝、ともに風呂に入った覚えはあるが…?うむ、それ以降はさっぱり象徴の記憶が
ない。これじゃあまともに集中して仕事ができん。いや、できない。獣人である俺にとってマスクが
ないことは死活問題に値する。はて?サイドケースや座席の中を引っ掻き回すがいっこうに見つか
る気配がない。もしや、もってきてなかったりするのか…?この俺が忘れたのか?
バタバタと身悶えていると、隣から鋭く綺麗に手入れされた爪が首に伸びてきて食い込んだ。
「おい馬鹿。車の中で暴れるな。」鋭利な爪をもつ彼が器用に片手でハンドルを操作する。
「…しょうがねえだろう…!臭うんだよ…アヴォ」
「あ?臭う?……俺がくせぇと言いたいのか?マー坊?いい度胸だな」ギリッと爪がさらに食い込む。
「ぐうぇ…ちっ…ちげぇって!!確かにアヴォのどぎつい香水はくせえがそれを言ってん…っ!?」
人並より硬いはずの皮膚がめりこんだ爪で裂け、赤い液体が滲み出る。
「お前の品のない鼻はつくづくムカつくなあ。ん?」
「……だから違うと言ってだろ!!臭いのは肉塊と腐敗した土地だ!!っいい加減離せよ!!アヴォ!!血がくせえし止まらないじゃねえか…うぇ」
アヴォの仕返しが恐ろしいので腕を叩くことしかできない。
ガバガバクオリティーでオナシャス
文才能力がほしいべ(^ω^)