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レクイエム  作者: 猫の祭り
第1章
16/25

 ルミナ・ネフィール

 私からしたら、馬車から観る景気は目新しく、とても新鮮なものだった。特に流れるように動いて見える木々は、ずっと観ていて飽きるものではない。

 今まで順調に走っていた馬車がいきなりガタッと止まる。

 その衝撃でさっきまで寝ていた、セレナとシェリがびっくりして目を覚ます。


 「なっ何!?」

 「何!?着いたの!?」


 驚きを隠せないセレナと…多分寝ぼけてるシェリ。

 シェリは寝ぼけてるんだよね?そもそも、着いたのならこんな荒い止まり方はしないと思う。


 「あなた達は伏せていなさい。」


 そう言って、私の目の前に座っていたリベルクローツ関係者の女性が馬車から降りる。

 どうしたんだろう?何か外も騒がしいし…気になる。

 なので伏せず馬車の窓から外を覗く。


 !?


 「どうしたの?」

 「何かあるの?」


 外が気になるようで私に問いかける2人。

 私が見た光景、それは。


 先ほど降りた女性が5人の武装した男性に囲まれてる様子だった。


 「あぶっ……ムグッ。んん~んんんっ~」


 危ないって叫ぼうとしたセレナの口を慌てて塞ぐ。

 一言二言会話し武装した男どもに近づいく女性。倒れる男ども。


 え!?今、何したの。

 

 3人揃って唖然。


 頭の中を一旦整理しよう。

 まず、少し会話。

 そして、男どもに近づく。

 男どもが倒れる。


 さっ~ぱりわからん。どんな手品か知らないけどすごい。

 ああいう風になれたらいいな。あの力を、誰か大切な人を守るために、使えたらな。


 「騒ぎを起こしてしまって悪いわね。」


 ビクビクビクゥと3人にの肩が上がる。

 

 「驚かしてしまったかしら?」

 

 後ろの扉を開け入ってくる。


 気配も感じないって、マジ何もんよあんた。というか、いつの間に?さっきまでそこにいたよね!?

 そんな私の疑問に答える。


 「自己紹介が遅れたわね。」


 ほとんど自己紹介する気無かったでしょ。何でこのタイミング?


 「私は魔導学園リベルクローツ第一部隊主席総長補佐を勤める、ルミナ・ネフィールよ。よろしくね」 


 えっ、この人。第一部隊所属なの!?そう思ったのは私だけではないらしく、残りの2人も驚いてる真最中。


 「さすがに驚き過ぎじゃない?そんなに驚くこと?」

 「主席総長補佐が何でここに?こういうのって、セラさんのすることではないでしょ?」

 「本来はね」


 本来?


「けど、そうは言ってられなくなった。毎年魔物やらに襲われることがあるみたいだから、受験者の安全のために実戦経験のある者が担当することになったの」


 毎年そんなことがあるんだ。学園の試験を受けるのも一苦労なんだね。


 「ん?もうすぐ到着かな?予定より少し遅いけど、仕方ないわね」


 ため息をつく。何か気にくわないことがあるのかな?


 

 それからは、リベルクローツに着くまでいろいろとセラさんから話を聞かせてもらった。

 

 どうして、この職に就いたのかとか、まず気になったのが、なぜそんな格好なのか?


 「ん、この格好?」


 口元まで隠れる灰色の古びたローブが、体全体を覆っていてそれ以外は分からなかった。

 それをとった今の格好は、黒を主体とした裾の分かれたロングコートの下には、ロングコートとは反対色である白主体でサブが赤のタートルネック(背中の見えるタートルネック……恥ずかしくないのかなぁ)に、白のミニスカートと太ももまであるロングブーツ。後ろには腰下まで垂れた2丁の銃の入った大きなポーチみたいなのがミニスカートにくっついている。

 透けるように白い肌、薄い金髪。相当な美人さんでした。


 「そんな変な格好かしら?」

 「いっいえ、その……」


 どうやって取り繕うか悩んでいるとくすりと、微かに笑い声が耳に届く。 


 「冗談よ。気にしなくていいわ」


 本当に綺麗で、クールビューティーという感じだ。


 「それはそうと、どうしてこの職に就いたか、よね?どう話したものかしらね」


 遠慮しがちにセレナの口が開かれる。


 「あの、言えないようでしたら」

 「言えないことではないのよ。私の町はある国に属していたのだけれど、国王は私の町が魔物の軍勢に襲われても、見て見ぬふり。結局国の中心まで被害が拡大してね。そんなことがあったのが原因かしらね?」


 きっとそれだけではないのだろう……。ただの憶測でしかないのだが、そう思えてならない。

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