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レクイエム  作者: 猫の祭り
第1章
15/25

 出発

 「気を付けていきなさいよ」


 玄関まで私達3人を見送りに来てくれる。


 「は~い」


 何時ものごとく元気よく返事をするシェリ。

 それを見たお母さんは微笑むも、少し不安そうな顔をする。


 「セレナ。シェリのこと、ちゃんと見ておくのよ」

 「勿論!!任せてよ」

 「私のことなら心配しなくていいよ」


 シェリは恥ずかしそうにしながら、必要はない、大丈夫と言いたげに反論。いえね、私から見てもすっごく不安よ。という意味を含めて半ば呆れ顔で隣を向く。


 「ちょっと!大丈夫だって!!私はしっかりしてるよ~」


 はい。大丈夫ではない大丈夫を頂きました。ほんと…不安だわ!!

 そう思ったのは私だけではならしい。お母さんもセレナもジト目だ。


 「そうよね…大丈夫よね…」

 「うん…確りしてるよね…」


 下を向いて言う2人。そんな2人を見てむ~っと唸るシェリ。

 唸らないでよ…何?ウルフなの?あんた…


 「さてと。じゃ、ミレイも元気でね!!後、ゆっくり落ち着いたら手紙をちょうだいね!」


 手を振るお母さんに別れを告げ目的の場所に行く。


 「そう言えば、どうやってリベルクローツまで行くの?」


 不思議そうに首を傾げるシェリ。そんな疑問に自慢気にセレナが答える。…てか、何で自慢気!?


 「馬車で移動するの。冒険者ギルドの付近に馬車が来てくれるから、今はそこまで移動してる最中よ。」


 セレナが説明していると、


 「セレナ、冒険者ギルドについたよ」


  私達が着くのと同じくして、後ろから声がする。


 「へぇ、みんな仲良くお出掛けか?」

 「違うわよ。この前説明したでしょ。魔導学園リベルクローツに行くのよ。」


 解体場所と会計を徘徊してる筋肉達磨ことバンレトと、美人な受付嬢のティナさんだ。


 「そうか!頑張れよ~」

 「無事合格するのよ!応援してるから!!それじゃね」


 一言残すと行ってしまった。


 「相変わらず忙しそうだね。」

 「せかせかと働いてるね」

 「楽しいのかな?」


 3人してこんなこと言ってると寒気がした。気のせい?うーん…気にしない。気にしたら負け。そうだ!!そうなんだ!!そういうことなんだ!!


 何か、悲しくなってきたな。どうするか(現実逃避)してると、ちょうどいいタイミングで馬車が到着。


 「御待たせ致しました。シェリ様、セレナ様ミレイ様。リベルクローツの使いのものです。これを付けてお乗りください。」


 馬車から降りてきた女性の胸元には、リベルクローツ専用のバッチが飾られていた。まず、偽装はできないし、間違いない。


 渡されたものは番号の書かれた札。それを胸元に着ける。


 「では、お乗りください」

 

 「これ何かな?」

 

 馬車に乗りながら疑問を抱くシェリ。…やっぱりシェリはシェリだね!!別に他意はないよ、うん。

 セレナが口を開く前に私が答える。


 「試験の時に割り当てられる試験者番号だよ。試験に合格すると番号の代わりにランク付けされる。番号札を回収してね。」

 「へぇ~」


 私の隣にシェリが座り、シェリの前にセレナが座る。私の前には先ほどのお姉さんが座る。

 かなり広いなぁ。綺麗だし。座ってみるもすっごくふわふわ柔らかだし、何かへにゃ~ってしてくる。

 にしても私達だけか。乗っているのは。なんか、ちょっとしたVIPてな感じでいいね。


 そして、馬車が動き出す。


 私は目を閉じる。ちょっと早い、お昼寝。


 


 


 意識が少し戻る。どれ程寝ていたのだろうか…

 それはそれとして、セレナは相変わらず元気にはしゃいでるね!元気なのはいいことだ。

 横目で見ながら


 「んん~っ!!」


 眠気冷ましに伸びをしてると


 「外すごいよ!何か、ば~ってなってるよ!」


 さっきまで船漕いでたよね、シェリは。何で急に元気になったの?


 シェリを見ると…


 寝ていた。

 寝たよ!言いたいこと言ったら満足して寝たよ!!早っ、ちょっとした驚きよ!!

 いろんな意味で目が覚めたわ…セレナもいつの間にか寝てるし、外を観察しますかね。


 流れる景色。緑緑した木々。

 

 見たこともない景色なので夢中になっている自分がいた。

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