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レクイエム  作者: 猫の祭り
第1章
13/25

 スコア(星の記憶)

はじめが狂うと…

 EA.0000 全能たる神はエラン・ヴィタール、あらゆる生命を生み出しそこに住まわせる。聖なる光を持って平穏をもたらす。


 EA.0506 女神の滅びは従順たる民の滅び。……。女神は混沌のいずる淵へと迎えられる。


 EA.0713 悪しき縁、世の綻びを大きくする。全ての均衡は損なわれる。


 EA.1423 戦乱が激化し混迷する世界。人々は新たなる試練に抗うであろう。創造するもの人々を導き、世を拓く。国を滅ぼすことで自国は繁栄する。


 EA.2001 世に光明もたらす力世に生を受けたり。銀髪の男児なり。多くの人々、男児を祝祭し、拝み、奉るであろう。


 EA.2002 栄光掴む力を持いて生を受けたり。名を聖なる光と称す。金髪の女児なり。


 EA.2006 希望拓くもの、自国を滅ぼす。名を和と称す。戦乱は世に影響与え、繭となりて時を持つ。


 EA.2012 希望拓くもの、憎しみを創造するものを取り込みすべてを嘆く。総てを創造するもの歓喜に満ち足り、世を導く。


 EA.2018 総てを能うもの栄光掴む力で汝らに立ちはだかる。世の普遍なき平穏は偽りの繭。


 EA.2021 全能たる神は新たな天地創造を行う。生命の循環なる役を意思なき女神に担わせる。運命の抗い、試練を与えるが如くに、闘争のはて、未来永劫繰り返す。


 

 ……

 …………

 ………………

 ……………………

 

 時系列 EA.???? 場所???


 謎の空間に浮く壊れた謎の建造物。それはまるで、和の国の城郭のようだ。

 そこに一人の男がいる。和の国のデザインをされた丈の長く黒いコートを身に纏った細身の男が。


 「さぁ、始めよう……。絶望の宴を。我らの回帰のために」


 そう言い残すと空間を歪め、歩いて移動する。



 EA.???? 場所???


 空間を移動した黒コートの男は目の前にいる人物を一瞥すると、見下すように腕を組み上を向く。

 そこには綺麗な純白で青の装飾と、模様の入ったローブを身に纏っている、50代くらいの威厳に溢れた男性が神殿の椅子に腰かけている。

 

 「なぜ身を委ねない?悠遠の彼方から来る闇から守るよう、頑として願ったのはお前達人ではないか。そして私は、争いを拒むことのない人に、相応しい場と試練を与え、望んだものを与えた。それになんの不満があると?」


 腰掛けていた男性はゆっくり立ち上がると、長い階段を降りながら男に問う。


 「人に闘争を煽った張本人が人とはな……。だが、好きなように吠えよ。総てを統べるのは我々なのだからな……」

 「ふふふっ……そうか。私は人間か……。愚かな人間風情が、見くびられたものだ!!」


 目を開けていられないほどの光を発せられると、ローブを纏った男の姿が歪なものへと変貌を遂げる。人とは言えないその歪な姿は全高20mはあろうでかさになる。

 そんな歪な存在からはとてつもない、いや、歪だからこそこの威圧感と威厳、不釣り合いな高貴さを感じることができるのかもしれない。

 神と呼んでも相応しいだろうが神ではない。神の足元にも遠く及ばないだろう。


 「我が名はデウス・エクス・マキナ。闇を恐れ、畏怖する人間に、光を与えたもの。混迷する世界に恐れを抱く人間に、救いとなるよう拓いてやったと言うのに……その大いなる意志の導きを拒絶する____浅はかさを思い知れ!!」


 それを最後に、魔方陣を1秒も満たない速度で展開し、数えきれない弾幕として放つ。飛んでくる魔法を刀で受け止める。その衝撃で空間が悲鳴をあげ歪む。


 「愚かな」


 その声と共に魔方陣を展開し、荒れ狂う流水が襲い来る。コートの男は、片手で自身を包み込むよう展開した魔法防御壁で防ぐ。

 展開された防御壁を崩そうと、土魔法で男の真下から発動。防御壁は崩れるも素早くバックステップで回避し、距離を詰めようとするが風魔法の突風で妨げられる。

 妨げとなっている風を切り裂き、そして、創造するものの元へ、マキナへと駆ける。

 相対しようとすべてを焼き尽くす爆炎、まるで全て呑み込まんと渦巻く流水、動きを封じるための大規模な突風、広範囲の雷を連発する猛攻に、男は距離を詰めることができずにいる。

 そんな状態でも刀を振り見事に相殺、とはいかずとも魔法を跳ね返し不気味に笑う。


 「フハハハ。そうだ!!この私と相対するのだからな……そうでなくては困る!!」


 男を中心に紫と黒の入り交じった光が、空間を揺るがすほどの轟音と共に放出され螺旋状を描く。放出され続ける光は彼自信の魔力であり、可視化できるまでの濃度に膨れ上がったそれは、未だ発動されている4属性の魔法を打ち消し合う。


 「ふん……。お互いに本領発揮といこう……」


 男は地面を蹴ると一瞬で向こうまで行き、刀を横薙ぎに振る初激を当てる。だが、マキナには傷一つつかず平然としている。マキナは4属性の上級魔法を同時に唱え、二つの斬激を繰り出している最中である男に放つ。

 無傷ではあるが後方に飛ばされた男は、鬱陶しそうに舌打ちを一つし陣形を整える。 

 

 「……もうめんどくさいのは無しだ!!数多の死に揉まれ、消え去るといい!!来い……幻獣ラグナロク……私の前にただひれ伏せ!!」


 男が叫ぶと明らかに今までの魔方陣とは違い、荒く吹き乱れる風が男の方へと流れ込んでくる。


 「フハハハハハハ!!……そうら、始まるぞ……狂気と絶叫、悲鳴の入り交じった宴が!!」


 蜥蜴のように長い胴体に長い尾、二足の前傾姿勢で立っている禍々しい漆黒の姿は、何もかも壊し尽くしてしまいそうなほどおぞましい。10m以上ある蜥蜴を二足の前傾姿勢で立たせているのが、それに近いか。


 死を司る幻獣、ラグナロク。その咆哮は、全てに等しく死を分け与えんと、空間までもが嘆く。


 


 この一人と一体の戦闘は、ここの空間が破壊されることになる。

 

終わりも…

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